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起業直後でも資金調達できる?ファクタリングと融資・補助金の違いを専門家が解説

起業という大きな夢を抱き、いざ事業をスタートさせたものの、最初に立ちはだかる壁の一つが「資金繰り」です。売上が安定するまでの間、運転資金が不足し、事業の成長を阻害してしまうケースは少なくありません。多くの起業家が直面するこの課題を解決する手段として、近年注目を集めているのが「ファクタリング」です。

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(商品やサービスを提供した際に、取引先から後日支払われる予定のお金)を、ファクタリング会社に売却することで、本来の入金期日よりも早く現金化できるサービスのことです。銀行融資のように借金をするわけではないため、負債を増やすことなく資金調達ができるという点が大きな特徴です。特に起業直後の企業は、実績が乏しいため、銀行融資の審査が通りにくい傾向があります。そんな状況下でも、ファクタリングは売掛先の信用力を重視するため、比較的利用しやすい資金調達手段となりえます。

本記事では、起業時の資金調達に役立つファクタリングについて、その仕組みやメリット・デメリット、そしてファクタリング会社選びのポイントなどを詳しく解説していきます。起業したばかりで資金繰りに悩んでいる方はもちろん、将来の起業を考えている方も、ぜひ参考にしてください。

ファクタリングとは?:売掛金を早期に現金化する仕組み

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却することで、売掛金の支払い期日よりも前に資金を調達できるサービスです。銀行融資とは異なり、借入ではないため、負債が増える心配がありません。特に、起業直後の企業は実績が少なく、銀行融資の審査が通りにくい場合がありますが、ファクタリングは売掛先の信用力を重視するため、利用しやすいというメリットがあります。

ファクタリングの基本的な流れは以下の通りです。

  1. 売掛金の発生: 企業が商品やサービスを提供し、取引先に対して売掛金が発生します。
  2. ファクタリング契約: 企業は、保有する売掛債権をファクタリング会社に売却する契約を結びます。
  3. 資金調達: ファクタリング会社は、売掛債権の額面から手数料を差し引いた金額を、企業に支払います。
  4. 売掛金の回収: ファクタリング会社は、売掛金の支払期日に取引先から売掛金を回収します。

この一連の流れによって、企業は売掛金の入金期日を待たずに、必要な資金を調達することができます。

また、ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つの種類があります。2社間ファクタリングは、売掛金を保有する企業とファクタリング会社の2社間で行われる契約で、売掛先(取引先)に知られることなく資金調達が可能です。一方、3社間ファクタリングは、売掛先も契約に関与するため、手数料が低くなる傾向があります。どちらを選ぶかは、企業の状況やニーズによって異なります。

起業直後にファクタリングが有効な理由

起業直後の企業にとって、ファクタリングは以下のような点で非常に有効な資金調達手段となります。

  • 信用力不足をカバー: 銀行融資は企業の信用力を重視しますが、ファクタリングは売掛先の信用力を重視するため、起業したばかりで実績の少ない企業でも利用しやすいです。
  • スピーディーな資金調達: 銀行融資と比較して、審査が比較的早く、最短即日で資金化できる場合もあります。急な資金ニーズにも対応可能です。
  • 負債を増やさない: ファクタリングは借入ではないため、財務状況を悪化させることなく資金調達が可能です。
  • 取引先に知られずに利用可能: 2社間ファクタリングを利用すれば、売掛先にファクタリングの利用を知られることなく資金調達が可能です。

起業直後の資金調達、ファクタリングと融資・補助金の違いは?

起業直後の資金調達には、ファクタリング以外にも日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や、国・自治体の「補助金・助成金」などがあります。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。

資金調達方法 メリット デメリット
ファクタリング ・審査が早い(最短即日)
・事業実績や信用情報に左右されにくい
・負債にならない
・手数料が比較的高め
・売掛債権がないと利用できない
新創業融資制度 ・金利が低い
・まとまった金額を調達可能
・無担保・無保証人で利用できる
・審査に時間がかかる(1ヶ月程度)
・事業計画書の作り込みが必要
・自己資金要件がある
補助金・助成金 ・返済不要である ・原則後払いのため、つなぎ資金が必要
・公募期間が限定されている
・手続きが煩雑で、入金まで時間がかかる

「すぐに運転資金が必要」という場合はファクタリングが最も適していますが、時間に余裕があり、事業計画をしっかり練り込んでいる場合は、低金利の融資や返済不要の補助金も有力な選択肢となります。
参考:日本政策金融公庫:新創業融資制度

ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 迅速な資金調達: 銀行融資よりも早く資金を調達できるため、急な支払いにも対応できます。
  • 信用力に左右されにくい: 起業直後の企業でも、売掛先の信用力が高ければ利用可能です。
  • 負債を増やさない: 借入ではないため、財務状況を悪化させません。
  • 売掛金未回収リスクの回避: 償還請求権がない契約の場合、売掛先が倒産しても未回収リスクを回避できます。
  • 取引先に知られずに利用可能(2社間ファクタリングの場合): 売掛先に知られることなく資金調達が可能です。

デメリット

  • 手数料が発生する: ファクタリング会社に手数料を支払う必要があるため、コストがかかります。
  • 個人事業主が利用できない場合がある: ファクタリング会社によっては、個人事業主を対象外としている場合があります。
  • 悪徳業者が存在する: ファクタリングを装った悪徳業者も存在するため、信頼できる業者を選ぶ必要があります。

起業直後のファクタリング審査で重視される3つのポイント

起業直後の企業は事業実績が乏しいため、ファクタリングの審査では通常とは異なる点が重視されます。以下の3つのポイントを押さえることで、審査通過の可能性を高めることができます。

① 売掛先の信用力

ファクタリング審査で最も重要なのは、利用者(自社)の信用力よりも売掛先の支払い能力です。起業直後であっても、取引先が上場企業や官公庁、あるいは安定した経営基盤を持つ優良企業であれば、売掛金の回収リスクが低いと判断され、審査に通りやすくなります。なお、売掛先が法人の場合だけでなく、個人事業主の場合でもファクタリングは利用可能です。

関連記事:【専門家が解説】売掛先が個人・個人事業主でもファクタリングは可能か?審査通過のポイントと注意点

② 取引の真実性を示す証拠

その取引が架空のものではなく、実際に行われたものであることを客観的に証明する必要があります。請求書だけでなく、以下のような書類が揃っていると、取引の真实性が高まり、信頼を得やすくなります。

  • 基本契約書
  • 発注書や受注書
  • 納品書や検収書

③ 事業計画の具体性と将来性

起業直後の場合、事業計画書や創業計画書の提出を求められることがあります。なぜその事業を始めたのか、どのような強みがあるのか、そして調達した資金をどのように活用して事業を成長させるのか、といった具体的で情熱のある計画を示すことができれば、ファクタリング会社の担当者も前向きに検討しやすくなります。

ファクタリング会社選びの重要ポイント

ファクタリングを成功させるためには、信頼できるファクタリング会社を選ぶことが非常に重要です。以下のポイントを参考に、自社に合った会社を選びましょう。

  1. 対象条件: 売掛金の額や対象となる事業形態などを確認し、自社が利用できるか確認しましょう。
  2. 資金調達スピード: 資金化までのスピードは、ファクタリング会社によって異なります。急ぎの場合は、最短即日対応可能な業者を選びましょう。
  3. 必要書類: 必要書類を事前に確認し、スムーズに手続きを進められるように準備しましょう。
  4. 利用形態: 2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのどちらが良いか、自社の状況に合わせて検討しましょう。
  5. コスト: 手数料を比較検討し、最もコストパフォーマンスの高い業者を選びましょう。
  6. 実績: 多くの取引実績がある業者は、信頼性が高い傾向があります。
  7. 対応品質: 疑問点や不安な点に対して、丁寧に対応してくれる業者を選びましょう。

ファクタリングに関する一般的な疑問

  • ファクタリングとは?: 売掛金をファクタリング会社に売却し、早期に資金化するサービスです。
  • ファクタリング以外の資金調達方法は?: 銀行融資、出資、補助金、助成金などがあります。

ファクタリング以外の資金調達方法も検討を

ファクタリング以外にも、資金調達の方法はいくつかあります。例えば、日本政策金融公庫などの政府系金融機関による融資や、自治体の制度融資、投資家からの出資などが挙げられます。また、支払いを遅らせることで資金繰りを改善する方法もあります。ファクタリングと他の資金調達方法を比較検討し、自社に最適な方法を選ぶことが重要です。

まとめ:ファクタリングは起業初期の有力な選択肢

ファクタリングは、起業直後の資金調達に有効な手段の一つです。特に、実績が少ない起業初期においては、売掛先の信用力を重視するファクタリングは、非常に有効な選択肢となります。ただし、手数料や悪徳業者の存在など、注意すべき点もいくつかあります。複数のファクタリング会社を比較検討し、自社の状況に合ったサービスを選ぶことが重要です。また、ファクタリングだけでなく、他の資金調達方法も検討し、総合的に判断することで、事業の成長を加速させることができるでしょう。

起業初期の資金繰りは、多くの起業家が直面する大きな課題です。しかし、ファクタリングという選択肢を知っておくことで、資金繰りの悩みを解決し、事業の成長を加速させることが可能になります。この記事が、あなたの起業の成功を後押しする一助となれば幸いです。

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筆者・監修者 三坂 大作(ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役)

筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役 三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
  • 1985年:東京大学法学部卒業
  • 1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 — 表参道支店:法人融資担当
  • 1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 — 非日系企業向けコーポレートファイナンス担当
  • 1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107813001112)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。

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