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2025.12.03

POファイナンスとは?仕組みや他の資金調達方法との違いについて解説

資金調達は、企業を経営する中で欠かせないものです。特に、事業拡大や新規プロジェクト立ち上げ、M&Aなどを検討する際には、大規模な資金を調達する必要があります。そのような中で、一般的に『POファイナンス』と言うと、近年は『注文書買取(Purchase Order)』を指す場合もありますが、本記事では上場企業が行う『公募増資(Public Offering)』について解説します。

POファイナンスは、既に上場している企業が追加で株式を発行したり、大株主が保有株式を売却したりすることで資金を調達する方法です。IPOとは異なり、既に上場している企業が活用できる手法であり、銀行融資や社債発行とも異なる特徴を持っています。

本記事では、POファイナンスの基本的な仕組みやメリット・デメリット、他の資金調達方法との違いについて詳しく解説します。

※もし「注文書(発注書)を現金化したい」とお考えの場合は、こちらの【元銀行員が解説】ファクタリング完全ガイドの記事をご覧ください。

この記事の要約
  • 本記事のPOファイナンスは「上場企業の公募増資」について解説しています。
  • 大規模な資金調達が可能ですが、株式の希薄化などのリスクも伴います。
  • 非上場・中小企業の資金調達には、最短即日のビジネスローンやファクタリングが適しています。

POファイナンスの基本

POファイナンスは、上場企業にとって重要な資金調達手段の一つです。

公募増資に関する詳細な統計や仕組みについては、日本証券業協会「公募増資・売出(PO)の仕組み」も参考にしてください。

POファイナンスとは

POファイナンス(Public Offering Finance)とは、既に株式を上場している企業が、追加で株式を公募・売出しすることで資金を調達する方法です。株式を新たに発行して投資家から資金を集める「新株発行型PO」と、既存株主(主に大株主)が保有株式を売却する「売出型PO」の2種類があります。

POファイナンスは、IPO(新規株式公開)後の資金調達手段として位置づけられます。IPOが企業の株式市場への初めての上場であるのに対し、POは既に上場している企業が行う追加的な株式発行や売却を指します。

上場後の成長資金を市場から調達する手法として、拡大期にある企業や大型投資を控えた企業にとって、有効な選択肢となります。企業は、証券会社を通じて株式を一般投資家や機関投資家に販売し、必要な資金を確保します。

公募増資以外の「有償増資」の種類については「こちら」

POファイナンスの仕組み

POファイナンスの基本的な流れは、以下のようになります。まず、企業は取締役会などで資金調達の方針を決定し、証券会社(主幹事証券会社)と引受契約を結びます。その後、有価証券届出書を提出し、需要調査(ブックビルディング)を行います。

需要調査では、証券会社が機関投資家などに対して株式の需要を調査し、その結果を基に最終的な発行価格(売出価格)を決定します。発行価格が決定すると、一般投資家を含めた募集・売出しが開始され、株式の割当・販売が行われます。

引受証券会社は、企業に代わって株式を投資家に販売する役割を担い、販売手数料を得ます。場合によっては引受証券会社が全株式を買い取り、その後投資家に販売するケースもあります。

最終的に、調達した資金は企業の銀行口座に入金され、事業拡大や負債の返済、M&Aなど様々な用途に活用されます。POファイナンスは、市場の状況や企業の信用力、成長性などによって調達額や条件が大きく左右される点が特徴です。

POファイナンスの種類

POファイナンスには、主に2つの種類があります。1つ目は、「新株発行型PO」です。これは、企業が新たに株式を発行して市場で販売するもので、調達した資金は企業の手元に入ります。企業の発行済株式数が増加するため、1株当たりの価値(EPS)の希薄化が生じる可能性があります。

2つ目は、「売出型PO」です。これは、既存株主(多くの場合は創業者や大株主、ベンチャーキャピタルなど)が保有する株式を市場で売却するものです。この場合、資金は売り出した株主に入り、企業には直接資金は入りません。発行済株式数は変わらないため、1株当たりの価値の希薄化は生じません。

また、これらを組み合わせた「ハイブリッド型PO」も存在します。これは、新株発行と売出しを同時に行うもので、企業と株主の双方が資金を得ることができます。市場の状況や企業の資金ニーズ、大株主の意向などに応じて、最適な方法が選択されます。

さらに、特定の投資家を対象とした「第三者割当増資」や、既存株主を対象とした「株主割当増資」など、株式発行の形態によっても細分化されます。POファイナンスを検討する際には、これらの違いを理解し、自社に最適な方法を選ぶことが重要です。

POファイナンスのメリット

POファイナンスには、企業にとって様々なメリットがあります。資金調達手段として検討する際に、後に述べるようなメリットを理解しておくことが重要です。

大規模な資金調達が可能

POファイナンスの最大のメリットは、一度に大規模な資金調達ができる点です。銀行融資や社債発行と比較しても、企業の成長段階や市場評価によっては、より多額の資金を調達できる可能性があります。特に時価総額が大きく、市場での評価が高い企業にとっては、非常に効果的な資金調達手段となります。

例えば、大型のM&Aや設備投資、海外展開などを計画している企業にとって、POファイナンスは、必要な資金を一括で調達できる有効な手段です。銀行融資では難しいような大規模な資金調達も、市場の評価次第では実現可能になります。

市場での評価を直接資金化できる点は、成長企業にとって大きなアドバンテージとなります。企業価値が高く評価されている時期に資金調達を行えば、より有利な条件で多額の資金を確保することができます。

株主層の拡大や流動性の向上

POファイナンスを実施することで、新たな投資家層を獲得し、株主構成を多様化させることができます。特に、機関投資家や海外投資家の参加を促すことで、安定した株主基盤の構築につながります。株主の多様化は、企業のガバナンス向上や市場からの信頼獲得にも寄与します。

また、流通株式数の増加によって、株式の流動性が向上します。流動性の高い株式は、投資家にとって魅力的であり、将来的な株価の安定や上昇につながる可能性があります。特に、時価総額が小さい企業や特定の大株主の持株比率が高い企業にとって、流動性向上は重要なメリットです。

株主層の拡大は、企業の知名度向上やブランディングにも貢献します。多くの投資家に株式を保有してもらうことで、企業の認知度が高まり、事業活動においても良い影響を与える可能性があります。ファン株主の増加は、企業の商品やサービスの利用促進にもつながることがあります。

財務体質の強化

POファイナンスによる資金調達は、負債ではなく資本の増強となるため、自己資本比率の向上につながります。これにより財務体質が強化され、企業の信用力が高まります。自己資本比率の向上は、金融機関からの評価向上にもつながり、将来的な借入条件の改善も期待できます。

また、POファイナンスで調達した資金を借入金の返済に充てることで、負債を減らし、財務バランスを改善することも可能です。金利負担の軽減にもつながり、収益性の向上に寄与します。特に、有利子負債の比率が高い企業にとって、財務リストラクチャリングの有効な手段となります。

さらに、株式による資金調達は返済義務がないため、長期的な視点での投資や研究開発に資金を活用できるというメリットもあります。成長のための投資資金として活用することで、企業の中長期的な競争力強化につなげることができます。

POファイナンスのデメリット

POファイナンスには、多くのメリットがある一方で、いくつかの重要なデメリットも存在します。資金調達を検討する際には、これらのデメリットも十分に理解しておく必要があります。

希薄化リスクがある

新株発行型POを実施すると発行済株式数が増加するため、一般的には、1株当たりの価値(1株当たり利益、EPS)が低下します。これを、株式の希薄化と呼び、既存株主にとっては不利益となる場合があります。特に発行規模が大きい場合や、企業価値に見合わない株式発行を行った場合、希薄化の影響は大きくなります。

株式の希薄化は、株価の下落圧力となることが多く、既存株主の反発を招くリスクもあります。機関投資家や個人投資家から希薄化への懸念が表明されることもあり、企業の市場評価に悪影響を与える可能性があります。

適切な発行規模と価格設定が重要となります。企業は、株式の希薄化による既存株主への影響と資金調達のメリットを慎重に比較検討し、最適なバランスを見つける必要があります。

市場状況への依存性が高い

POファイナンスの成否は、市場環境に大きく左右されます。株式市場が低迷している時期や、業界全体が不振の時期にPOを実施すると、想定した価格で資金調達できない可能性があります。場合によっては、調達金額が大幅に減少することや、最悪の場合はPO自体を中止せざるを得なくなることもあります。

また、市場のボラティリティ(価格変動性)が高い時期には、ブックビルディングから実際の発行までの間に市場環境が急変し、発行条件の見直しが必要になるケースもあります。このような不確実性は、資金調達計画に影響を与える可能性があります。

市場状況への依存性を軽減するためには、市場環境が良好な時期を見極めるタイミング戦略が重要です。また、POファイナンス以外の資金調達手段も並行して検討しておくことで、市場環境の変化にも柔軟に対応できるようになります。

実施コストが高い

POファイナンスを実施するには、引受手数料や登録費用、法律・会計顧問料など、様々なコストがかかります。引受手数料は、調達額の2〜5%程度となることが多く、大規模な資金調達では相当な金額になります。これらのコストは、調達資金から差し引かれるため、実質的な調達額が減少します。

また、POファイナンスには、複雑な法的手続きや開示義務が伴います。有価証券届出書の作成・提出、投資家向け説明会の開催、目論見書の作成など、多くの準備作業が必要です。これらの手続きには、相応の時間と労力がかかり、経営陣や財務部門の負担となります。

さらに、POファイナンス実施後も継続的な情報開示義務があります。調達資金の使途に関する報告や、事業の進捗状況の開示など、投資家への説明責任が生じます。このような管理コストも考慮に入れる必要があります。

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POファイナンスと他の資金調達方法の比較

企業が最適な資金調達方法を選ぶためには、POファイナンスと他の方法との違いを理解することが重要です。それぞれの特徴を比較しながら検討することで、自社に最適な選択ができます。

上場準備や公募増資には時間がかかります。もし「今すぐ」資金が必要な場合は、最短即日で調達可能なビジネスローンと銀行融資の違い・活用ガイドを参考にしてください。

POファイナンスとIPOの比較

POファイナンスとIPO(新規株式公開)は、共に株式を通じた資金調達方法ですが、大きな違いがあります。最も基本的な違いとして、IPOは、未上場企業が初めて株式市場に上場する際の資金調達であるのに対し、POファイナンスは、既に上場している企業が追加で行う資金調達という点です。

IPOでは、企業価値の評価が初めて市場で行われるため、価格設定が難しく、アンダープライシング(初値が公開価格を上回る現象)が生じやすい傾向があります。一方、POファイナンスでは、既に市場で取引されている株価を参考に価格設定ができるため、より適正な価格での資金調達が可能です。

準備期間と手続きの負担に大きな差があります。IPOは準備に1〜2年かかることが一般的ですが、POファイナンスは数ヶ月程度で実施できることが多いものです。また、IPOには上場審査や内部統制の整備など多くの準備が必要ですが、POファイナンスではそれらが既に整っていることが前提となります。

IPO(新規株式公開)による資金調達の詳細は「こちら」

POファイナンスと銀行融資の比較

POファイナンスと銀行融資は、資金調達の性質が大きく異なります。POファイナンスは資本(エクイティ)による調達であるのに対し、銀行融資は負債(デット)による調達です。つまり、POファイナンスでは返済義務がなく、配当は業績に応じて柔軟に決定できますが、銀行融資では元本返済と利息支払いの義務が発生します。

銀行融資では、担保や保証人が求められることが多く、信用力の低い企業や業績が不安定な企業は、融資を受けにくい場合があります。一方、POファイナンスは、市場の評価次第では信用力が低い企業でも資金調達が可能です。特に、成長性が高く評価されている企業にとっては、有利な選択肢となります。

調達可能な金額も異なります。銀行融資では、企業の財務状況や担保価値によって調達額に制限がありますが、POファイナンスでは、市場の評価次第で大規模な資金調達が可能です。ただし、銀行融資は市場環境に左右されにくく、計画的な資金調達がしやすいというメリットがあります。

銀行融資よりも迅速な資金調達が必要な場合は、融資スピードを重視するなら「ビジネスローン」の活用もご検討ください。

POファイナンスと社債発行の比較

POファイナンスと社債発行は、どちらも資本市場を通じた資金調達方法ですが、性質は大きく異なります。社債は企業が発行する債券であり、POファイナンスと同様に比較的大規模な資金調達が可能ですが、返済義務と利息支払いが発生する点が大きな違いです。

社債発行には、一定の信用格付けが求められることが多く、業績が安定している大企業に適した資金調達方法です。一方、POファイナンスは、成長性が評価されれば業績が不安定な企業でも利用可能です。また、社債は満期があり、満期時には償還資金が必要となりますが、POファイナンスでは返済義務がありません。

さらに、社債発行とPOファイナンスでは、投資家層が異なります。社債は安定した利回りを求める債券投資家が主な購入者となりますが、POファイナンスでは、成長性やキャピタルゲインを期待する株式投資家が対象となります。企業は、自社の状況や市場環境に応じて、適切な投資家層にアプローチできる資金調達方法を選ぶことが重要です。

POファイナンスの実施プロセス

POファイナンスを成功させるためには、適切なプロセスを踏んで準備と実行を行うことが重要です。各段階での注意点を理解して進めることで、効果的な資金調達が可能になります。

事前の準備から計画策定まで

POファイナンスを実施する前に、まず、資金調達の目的や必要額を明確にすることが重要です。設備投資、M&A、研究開発、借入金返済など、資金使途を具体的に定め、その金額と時期を精査します。この段階で経営計画や投資計画を見直し、POファイナンスの必要性を確認します。

次に、市場環境や自社の株価動向を分析します。POファイナンスは、市場環境に大きく左右されるため、市場が安定または上昇傾向にある時期を選ぶことが望ましいでしょう。また、自社の業績発表や重要なイベントのタイミングも考慮して、最適な実施時期を見極めます。

資金調達の規模と方法を慎重に検討することも重要です。新株発行型と売出型のどちらが適しているか、発行株数や希薄化の影響、既存株主への影響などを多角的に分析します。また、引受証券会社の選定も重要なステップです。複数の証券会社から提案を受け、手数料や販売力、過去の実績などを比較検討します。

引受証券会社との連携

POファイナンスでは、引受証券会社(アンダーライター)との連携が成功の鍵を握ります。主幹事証券会社を中心に、複数の証券会社で構成される引受団を組成することが一般的です。主幹事証券会社は、全体のコーディネートを担当し、発行条件の設定や投資家への販売を主導します。

引受証券会社との最初のステップは、引受契約の締結です。この契約では、引受手数料や発行条件の決定方法、リスク分担などの重要な条件が定められます。契約内容を十分に理解し、必要に応じて法律アドバイザーに相談することが重要です。

次に、引受証券会社と協力して投資家向けの説明資料(ロードショー資料)を作成します。この資料では、企業の事業内容や成長戦略、財務状況、資金使途などを明確に説明し、投資家の興味を引くことが目的です。引受証券会社のアドバイスを取り入れながら、魅力的かつ誠実な内容に仕上げることが重要です。

価格決定から割当まで

POファイナンスにおける価格決定は、非常に重要なプロセスです。一般的には、ブックビルディング方式が採用され、機関投資家などからの需要情報を基に価格が決定されます。まず、仮条件(価格レンジ)を設定し、そのレンジ内で投資家の需要を調査します。

ブックビルディングでは、引受証券会社が投資家に対して需要ヒアリングを行い、購入希望価格と数量を集計します。この情報を基に、最終的な発行価格(売出価格)が決定されます。価格設定は、市場環境や投資家の反応、自社株の流動性などを総合的に判断して行われます。

価格決定後は、株式の割当プロセスに移ります。需要が供給を上回る場合は、投資家間での配分が行われます。この際、長期保有が期待できる安定的な投資家への優先配分や、地域的なバランス、個人投資家と機関投資家のバランスなどが考慮されます。割当結果は公表され、投資家は割り当てられた株式の払込みを行います。

成功するPOファイナンスの条件

POファイナンスを成功させるには、いくつかの重要な条件があります。これらの条件を理解し、適切に準備することで、効果的な資金調達が可能になります。

タイミングが適切

POファイナンスの成功には、市場環境が良好なタイミングで実施することが非常に重要です。株式市場全体が上昇トレンドにある時期や、自社の業績が好調で株価が上昇している時期を選ぶことで、より有利な条件での資金調達が可能になります。逆に、市場が不安定な時期や株価が低迷している時期は避けるべきです。

また、自社の重要なイベントや業績発表とのタイミングも考慮する必要があります。例えば、好調な四半期決算発表後や、大型の事業提携発表後など、ポジティブなニュースの後にPOファイナンスを実施することで、投資家の関心を高められる可能性があります。

市場の季節性や投資家の予算サイクルも考慮すると良いでしょう。例えば、機関投資家は、年度末や四半期末に向けて投資判断を行うことが多いため、それらの時期を意識した計画が効果的です。適切なタイミング選定のためには、証券アナリストや引受証券会社の意見も参考にすることが重要です。

明確な資金使途の提示

POファイナンスを成功させるためには、調達資金の使途を明確に示すことが不可欠です。投資家は、自分の資金がどのように活用され、どのような価値創造につながるのかを知りたいと考えています。漠然とした「事業拡大資金」よりも、具体的なプロジェクトや投資計画を示すことで、投資家の理解と共感を得やすくなります。

例えば、新工場建設や設備投資、M&A、研究開発費、海外進出など、具体的な使途とその金額、期待される効果を明示することが重要です。特に、その投資がどのように企業価値向上につながるのか、収益性や成長性にどう貢献するのかを説得力のある形で説明することが求められます。

また、資金使途の優先順位や実施スケジュールも明確にすることで、計画の実現可能性を示すことができます。投資家向けの説明会やロードショーでは、これらの情報を視覚的に分かりやすく伝え、質問に対して具体的に回答できるよう準備しておくことが重要です。

投資家とのコミュニケーションの充実

POファイナンスの成功には、既存株主や潜在的投資家との効果的なコミュニケーションが欠かせません。特に既存株主に対しては、新株発行による希薄化の影響や、それを上回るメリットについて丁寧に説明することが重要です。早い段階から情報を開示し、株主の理解と支持を得ることが望ましいでしょう。

新規投資家へのアプローチも重要です。ロードショーや個別ミーティングを通じて、企業の成長戦略や競争優位性、経営陣の能力などを直接伝える機会を設けることが効果的です。特に機関投資家に対しては、詳細な財務情報や市場分析、競合状況などを提供し、投資判断をサポートします。

POファイナンス実施後も、継続的なIR活動が重要です。調達資金の使途に関する進捗報告や、事業計画の達成状況などを定期的に開示することで、投資家との信頼関係を構築します。透明性の高い情報開示は、将来的な資金調達においても有利に働く要素となります。

資金調達方法の比較
比較項目 POファイナンス
(公募増資)
ビジネスローン
(HTファイナンス)
対象企業 上場企業のみ 中小企業・法人
調達スピード 数ヶ月 最短即日
返済義務 なし(株式発行) あり
担保・保証 不要 原則不要(無担保)

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POファイナンス以外にも、企業には様々な選択肢があります。自社に最適な手段を見つけるために、中小企業を支える資金調達方法の完全ガイド【2025年版】も合わせてご確認ください。

まとめ

POファイナンスは、上場企業が株式市場を通じて大規模な資金調達を行うための有効な手段です。新株発行型と売出型の2種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。大規模な資金調達が可能であることや株主層の拡大、財務体質強化などのメリットがある一方で、株式の希薄化リスクや市場状況への依存性といったデメリットも考慮する必要があります。

成功するPOファイナンスのためには、市場環境や自社の状況を見極めた適切なタイミング選定、明確な資金使途の提示、そして効果的な投資家コミュニケーションが重要です。また、他の資金調達方法と比較検討し、自社にとって最適な選択をすることが大切です。資金調達を検討している経営者や財務担当者は、自社の成長戦略や財務状況に合わせて、POファイナンスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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筆者・監修者 三坂 大作(ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役)

筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役 三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
  • 1985年:東京大学法学部卒業
  • 1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 — 表参道支店:法人融資担当
  • 1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 — 非日系企業向けコーポレートファイナンス担当
  • 1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107813001112)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。

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