公開日:2026.01.21
更新日:2026.01.21
障害者雇用の助成金は一人当たり最大いくら?2026年最新の支給額・条件・受給までの資金繰りを元銀行員が徹底解説
企業が障害者雇用を行うことによって、利用できるようになる助成金があります。
障害者雇用は社会的責任を果たすだけでなく、さまざまな助成金制度が利用できるようになり、企業の経済的負担を軽減できるメリットがあります。本記事では、障害者の方一人当たりの助成金支給額や種類、申請方法まで詳しく解説します。
この記事のポイント
- ✅ 一人当たり最大240万円(重度身体・知的障害者を週30h以上雇用時)
- ✅ 2026年7月より法定雇用率2.7%、対象も37.5人以上企業へ拡大
- ✅ 申請から入金まで約1年のタイムラグ。つなぎ資金の確保が成功の鍵
- ✅ 法人はビジネスローン、個人事業主はHTペイで資金繰り対策が可能
障害者雇用の助成金制度とは
障害者雇用の助成金制度は、障害をもつ方の雇用促進と職場定着を目的として、国や自治体が企業に対して経済的支援を行う仕組みです。
この制度は、障害を抱える方の就労機会の拡大と、雇用する企業側の経済的負担を軽減するという二つの側面から設計されています。
多くの助成金は、ハローワークや独立行政法人、高齢・障害・求職者雇用支援機構を通じて申請・支給され、障害の種類や雇用形態によって支給額が異なるのが特徴です。
これらの助成金を活用することで、障害者雇用に関わる人件費や環境整備にかかるコストを抑えることができます。
さらに、2026年7月1日からは法定雇用率が2.7%へと引き上げられ、対象となる企業規模も「従業員37.5人以上」へと拡大されることが決定しています。この法定雇用率を下回ると、不足1人あたり月額5万円の「障害者雇用納付金」を支払う義務が生じるため、早期の採用計画が重要です。
この法定雇用率を下回ると、不足1人あたり月額5万円の障害者雇用納付金を支払う必要があります。逆に法定雇用率を上回ると、超過1人あたり月額2.7万円(100〜300人規模の企業は月額2.1万円)の調整金が支給されます。
こうした法律規定のもと、障害者雇用を促進するためのさまざまな助成金制度が設けられているのです。
結論:障害者雇用の助成金制度とは、障害者の雇用促進や職場定着を図る企業に対し、国から支給される返済不要の支援金です。2026年7月1日の法定雇用率2.7%引き上げに伴い、対象企業(37.5人以上)への経済的支援が強化されています。
障害者雇用の助成金の種類と一人当たりの支給額
障害者雇用に関する助成金は複数あり、それぞれ目的や支給条件が異なります。ここでは、主な助成金の種類と一人当たりの支給額について詳しく説明します。
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金は、障害者の方を新たに雇い入れた企業に対して支給される代表的な助成金です。障害の程度や勤務時間によって、支給額が異なります。
重度障害者の方の場合は最大240万円の助成金が支給されるなど、支援額は手厚く設定されています。
| 障害の種類(勤務時間) | 支給額 |
|---|---|
| 重度身体・重度知的障害(週30時間以上) | 最大240万円(3年間) |
| 身体・知的障害(重度以外・週30時間以上) | 最大120万円(2年間) |
| 身体・知的・精神障害(週20~30時間未満) | 最大80万円(2年間) |
特定求職者雇用開発助成金を受給するためには、ハローワーク等の紹介を受けて障害を抱える方を雇用することが条件となっています。また、支給は段階的に行われ、数回に分けて支給されるのが一般的です。
結論:障害者雇用の助成金は、対象者の障害の程度や勤務時間により異なりますが、代表的な「特定求職者雇用開発助成金」では重度障害者の雇用で一人当たり最大240万円が3年間にわたって支給されます。また、試行的な雇用を支援する「トライアル雇用助成金」や、非正規から正規雇用への転換を促す「キャリアアップ助成金(最大72万円)」なども併用可能です。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、障害をもつ方を一定期間試行的に雇用する企業に対して支給される助成金です。本格的な雇用の前に、お互いの適性を確認するための制度として活用されています。
特に、精神障害者の方の場合は月額最大8万円と、他の障害種別より高い助成額が設定されている点が特徴です。
| 障害の種類 | 支給額 |
|---|---|
| 精神障害(週20時間以上) | 月額最大8万円(3か月) |
| その他障害(週20時間以上) | 月額最大4万円(3か月) |
| 精神・発達障害(週10~20時間未満) | 月額最大4万円(最大12か月) |
トライアル雇用期間(通常3ヶ月)終了後に正式雇用へ移行した場合は、特定求職者雇用開発助成金などの他の助成金を併せて受給できる場合もあります。
💡 専門家のワンポイント:「重度身体障害者」や「精神障害者」の雇用は、助成金額が大きいだけでなく、実雇用率のカウントにおいても優遇(ダブルカウント等)があります。1人の雇用で2人分の義務を果たせるため、財務・労務の両面で非常に効率的な採用戦略となります。
助成金受給までのキャッシュフロー対策比較(スピード・条件・ケース別)
| 手段 | 入金スピード | 利用条件 | 適したケース |
|---|---|---|---|
| 公的助成金 | 6ヶ月〜1年以上 | 解雇なし、雇用維持等 | 中長期的な人件費補填 |
| HTビジネスローン | 最短即日 | 決算書・法人口座あり | 設備投資・入金までの運転資金 |
| HTペイ(請求書買取) | 最短60分 | 売掛債権(請求書)あり | 個人事業主・極めて急ぎ |
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、有期雇用契約で働く障害者の方を、正規雇用や無期雇用に転換した場合に支給される助成金です。雇用の安定化を促進するための制度として、重要な役割を果たしています。
有期雇用から正規雇用への転換では最大72万円と、雇用形態の改善に対して高い助成額が設定されている点が特徴です。
| 雇用形態の変更 | 支給額 |
|---|---|
| 有期雇用→正規雇用 | 最大72万円 |
| 有期雇用→無期雇用 | 最大36万円 |
キャリアアップ助成金を受給するためには、キャリアアップ計画を作成し、労働局の確認を受ける必要があります。計画的な雇用形態の転換を予定している企業に適した助成金です。
障害者介助等助成金
障害者介助等助成金は、障害をもつ方が職場で働くために必要な介助者を配置した場合に支給される助成金です。重度の障害をもつ方の雇用を促進するための、重要な支援制度となっています。
職場介助者の配置には年額最大60万円の助成があり、障害特性に応じた職場環境の整備を支援している点が特徴です。
| 介助者の配置 | 支給額 |
|---|---|
| 職場介助者配置 | 年額最大60万円 |
この助成金は、視覚障害者の方や重度の肢体不自由者などを対象としており、職場での移動や業務遂行をサポートする介助者の人件費を補助する目的で設計されています。
職場適応援助者助成金
職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金は、障害をもつ方の職場適応を専門的に支援するジョブコーチを配置した場合に支給される助成金です。
企業内にジョブコーチを配置する場合、月額最大6万円の助成があり、長期的な職場定着を支援する体制構築を促進している点が特徴です。
| ジョブコーチ配置(企業在籍型) | 支給額 |
|---|---|
| 社内ジョブコーチ | 月額最大6万円(最大1年間) |
ジョブコーチは障害をもつ方と企業の間に立ち、障害特性に合わせた職場環境の調整や業務遂行のサポートを行います。特に、精神障害や発達障害を抱える方の職場定着に効果的とされています。
重度障害者等通勤対策助成金
重度障害者等通勤対策助成金は、重度の障害をもつ従業員の通勤を支援するための設備導入や、車両購入などに対して支給される助成金です。
通勤用車両の購入などには最大135万円の助成があり、通勤の障壁を取り除くための具体的な支援を提供している点が特徴です。
| 支援内容 | 支給額 |
|---|---|
| 通勤用車両の購入など | 最大135万円 |
この助成金は、通勤が困難な重度障害者の方の雇用を促進するための制度であり、通勤用の駐車場の賃借や、送迎用バスの購入・改造などにも活用できます。
障害者雇用助成金の対象となるための条件
助成金を受給するためには、企業側と障害をもつ方の側の双方が一定の条件を満たす必要があります。
結論:助成金の受給には、雇用保険適用事業所であること、ハローワーク等の紹介による雇用、過去6ヶ月以内の解雇がないこと等の「企業要件」と、各障害者手帳の保有等の「対象者要件」の両方を満たす必要があります。
助成金を受給できる企業の条件
助成金を受給するためには、企業側が以下の条件を満たす必要があります。
まず、雇用保険適用事業所であることが基本条件です。また、過去に労働関係法令違反がないことや、障害者雇用納付金の滞納がないことも重要な条件となります。
助成金制度ごとに固有の要件が設定されているため、申請前に詳細な条件を確認することが必要です。例えば、特定求職者雇用開発助成金では、ハローワーク等の紹介による雇用であることが条件となります。
また、助成金の不正受給があった場合は、その後の助成金受給ができなくなるだけでなく、加算金を課せられる場合もあるので注意が必要です。
法定雇用率未達成による「納付金」と助成金不支給の財務リスク
2026年7月以降、従業員37.5人以上の企業で法定雇用率(2.7%)に満たない場合、不足1人あたり月額5万円の「障害者雇用納付金」を支払う義務が生じます。これは単なるコスト増だけでなく、銀行融資の審査において『コンプライアンス遵守状況』として厳しくチェックされる項目です。また、過去6ヶ月以内に解雇等を行っている場合は多くの助成金が不支給となるため、安易な採用・解雇は企業の資金繰りを圧迫します。
| 項目 | 達成企業(優良企業) | 未達成企業(リスク) |
|---|---|---|
| 収支影響 | 調整金の受給(月2.7万円/人) | 納付金の支払い(月5万円/人) |
| 資金源 | 最大240万円の助成金活用 | 全額自社コスト負担 |
| 銀行評価 | ESG/社会的責任を果たしている | ガバナンスリスクありと判定 |
助成金の対象となる障害
助成金の対象となる障害は、主に以下のカテゴリーに分類されます。
身体障害者の方(身体障害者手帳所持者)、知的障害者の方(療育手帳所持者または判定書所持者)、精神障害者の方(精神障害者保健福祉手帳所持者)が基本的な対象者です。
特に注目すべき点として、障害の種類や程度によって受給できる助成金の種類や金額が大きく異なることが挙げられます。例えば、重度障害者の方(身体障害者手帳1、2級または知的障害者で重度判定を受けた方)の場合、より高額な助成金が設定されています。
また、発達障害をもつ方や難病患者も、一定の条件の下で助成金の対象となる場合があります。これらは、医師の診断書など、所定の証明が必要となるケースが多くみられます。
雇用形態による助成金の違い
雇用形態によっても、受給できる助成金の種類や金額は変わってきます。
フルタイム雇用(週30時間以上)の場合は、最も手厚い助成を受けられる傾向があります。特定求職者雇用開発助成金では、重度障害を抱える方のフルタイム雇用で、最大240万円という高額な助成が設定されています。
短時間雇用(週20時間以上30時間未満)でも助成金は受給できますが、一般的に支給額はフルタイム雇用よりも低くなります。ただし、障害特性に応じた柔軟な勤務形態を促進するため、短時間労働向けの特別な助成制度も存在する点は重要です。
また、トライアル雇用(試行雇用)から正規雇用への移行や、有期契約から無期契約への転換など、雇用形態の改善に対しても別途助成金が設けられています。
障害者雇用助成金の申請方法と流れ
障害者雇用に関する助成金を受給するためには、適切な申請手続きを行う必要があります。ここでは、申請の流れと必要書類について詳しく解説します。
結論:申請は「求人提出→採用→6ヶ月間の雇用継続→支給申請」のステップで行います。不備がない場合でも初回の入金までには採用から最短でも7ヶ月以上を要するため、事前の資金計画が不可欠です。
助成金申請の流れ
障害者雇用の助成金申請は、一般的に以下の流れで進みます。
最初にハローワークや労働局に相談し、どの助成金が適用可能か確認します。この段階でアドバイスを受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。
次に、ハローワーク等を通じて障害者の方を雇用します。多くの助成金はハローワーク等の紹介が条件となっているため、この手順は非常に重要です。
雇用後、定められた期間内に計画書や申請書など必要書類を提出します。その後、審査を経て支給決定となります。助成金の種類によっては、複数回に分けて支給される場合もあります。
実際の流れを時系列で整理すると、次のようになります。
- ハローワーク等への求人提出・相談
- 障害者の方の雇用(ハローワーク等の紹介による)
- 雇用から一定期間経過後、必要書類の準備・申請
- 審査・支給決定
- 助成金の受給(分割支給の場合は複数回)
| 時期 | アクション | キャッシュフロー(収支) |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | ハローワーク求人・採用決定 | 採用コスト・社会保険料発生(支出) |
| 2〜7ヶ月目 | 雇用継続(第1期支給対象期間) | 給与・教育費の立て替え(支出増) |
| 8ヶ月目 | 第1期 助成金支給申請 | 事務作業発生 |
| 10ヶ月目以降 | 助成金入金(初回) | ようやく現金流入(回復) |
※特定求職者雇用開発助成金の例。入金までには大きなタイムラグがあるため、事前の資金調達が重要です。
申請に必要な書類
助成金申請に必要な書類は、助成金の種類によって異なりますが、一般的に以下のような書類が求められます。
まず基本となるのは、助成金支給申請書です。これは、助成金制度ごとに様式が定められています。次に、雇用契約書や労働条件通知書のコピーが必要となります。
障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)のコピーも重要な書類です。障害の種類や程度を証明する書類が申請の基本となるため、必ず準備しておきましょう。
その他、賃金台帳や出勤簿のコピー、ハローワークからの紹介状(写し)なども必要となります。また、企業の登記事項証明書や就業規則なども求められる場合があります。
申請書類の詳細は、以下のとおりです。
- 助成金支給申請書(各助成金制度ごとの様式)
- 雇用契約書・労働条件通知書のコピー
- 障害者手帳のコピー
- 賃金台帳・出勤簿のコピー
- ハローワークからの紹介状(写し)
- 企業の登記事項証明書
- 就業規則(必要に応じて)
- その他、各助成金制度で定められた書類
申請時の注意点
助成金申請時には、いくつかの注意点があります。これらを把握しておくことで、スムーズな申請と確実な受給が可能になります。
最も重要な点として、申請期限を厳守することが挙げられます。各助成金には申請期限が設けられており、これを過ぎると受給資格を失うことになります。
助成金目的のみの雇用と判断されないよう、継続的な雇用計画を示すことが重要です。短期間で雇用を終了させると、不正受給とみなされる可能性があります。
また、書類の不備や記入ミスも申請が却下される一般的な理由です。提出前に内容を十分確認し、不明点があればハローワークや労働局に相談するとよいでしょう。
その他の注意点としては、以下が挙げられます。
- 過去に同一の助成金を受給している場合、再度の申請ができない場合がある
- 複数の助成金を同時に申請する場合、組み合わせに制限がある場合がある
- 雇入れ前に計画書等の提出が必要な助成金もある
- 不正受給が発覚した場合、返還義務だけでなく加算金や延滞金も課される
元銀行員の視点:助成金と銀行融資の意外な関係
多くの経営者が「助成金が入るから融資は不要」と考えがちですが、銀行員は『助成金受給予定があること』をポジティブな返済原資として評価します。特に障害者雇用に伴う設備投資(バリアフリー化等)は、ESG経営の観点から審査時の加点要素になり得ます。ただし、助成金は後払いです。入金までの半年〜1年の「資金の谷」をどう埋めるかが、審査を通すテクニック。キャッシュフローを止めないために、無担保・無保証のビジネスローンで『つなぎ資金』を確保し、余裕を持った経営姿勢を見せることが、結果的に銀行からの追加融資を引き出す近道となります。
助成金入金までの運転資金を確保するための、ビジネスローン審査通過の極意はこちらで解説しています。
補足として、銀行は決算書上の『営業外収益』に計上される助成金を、キャッシュフロー計算書上では「確実性の高い資金流入」として評価します。特に日本政策金融公庫などの公的金融機関は、障害者雇用を行う企業向けに『ソーシャルビジネス支援資金』等の低利融資メニューも用意しています。助成金を待つ間の運転資金をビジネスローンで繋ぎつつ、実績を作って公的融資に繋げる。これが私が30年の現場経験で導き出した、中小企業が最も低コストで成長するための『資金調達の黄金リレー』です。
【プロのアドバイス】助成金申請において、銀行員が密かにチェックするのは『解雇の有無』です。助成金のために雇用を増やしても、既存社員を解雇していると受給できないだけでなく、銀行から『労務管理に問題あり』とみなされ、融資限度額が削られるリスクがあります。採用計画と財務戦略は必ずセットで検討してください。
障害者雇用における実雇用率の計算
助成金の申請や障害者雇用状況の報告において、実雇用率の正確な計算は非常に重要です。
結論:実雇用率は「障害者カウント数の合計 ÷ 常用労働者数」で計算されます。2024年4月より週10時間以上の「特定短時間労働者」も0.5人としてカウント可能になり、2026年7月からは法定雇用率が2.7%へ引き上げられます。重度障害者の場合は1人を2人分としてカウントできる特例措置があり、これを戦略的に活用することがコスト抑制の鍵となります。
実雇用率の基本的な計算方法
障害者雇用における実雇用率は、基本的に以下の計算式で算出されます。
実雇用率 = 障害者カウント数の合計 ÷ 常用労働者数 × 100
しかし、単純に人数を足すだけでは不十分です。障害の種類や程度、そして1週間の勤務時間によってカウント方法が細かく異なるため、正確な理解が必要です。
2024年4月からの最新カウントルール
2024年4月の法改正により、従来のルールに加え、短い時間で働く方のカウント(特定短時間労働者)が新設されました。
| 勤務時間と障害の程度 | カウント数 |
|---|---|
| 週30時間以上(フルタイム) | 1.0人 (重度の場合は 2.0人) |
| 週20時間以上 30時間未満 | 0.5人 (重度の場合は 1.0人) |
| 週10時間以上 20時間未満 ※精神・重度身体・重度知的のみ |
0.5人 |
※「週10時間以上20時間未満」の区分は、これまでカウント対象外でしたが、改正により「特定短時間労働者」として0.5人分の参入が可能となりました。
精神障害者・重度障害者の特例カウント
障害者雇用率を計算する際、特定の条件下では実際の雇用人数よりも手厚くカウントできる「特例措置」が設けられています。これにより、企業は障害特性に合わせた柔軟な働き方を提案しやすくなっています。
1. 精神障害者の短時間雇用に関する特例
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方を、短時間労働者(週20時間以上30時間未満)として雇用する場合、本来は「0.5人」としてのカウントですが、一定の要件を満たすことで「1.0人」としてカウントできる特例措置が継続されています。
これは、環境変化に敏感な精神障害者の方が、まずは短時間から無理なく職場に定着できるよう配慮された優遇措置です。
2. 特定短時間労働者の新設(2024年4月〜)
2024年4月の法改正により、さらに新しい特例が加わりました。これまでカウント対象外だった「週10時間以上20時間未満」の雇用であっても、以下の場合は「0.5人」としてカウントが可能になりました。
- 精神障害者
- 重度身体障害者
- 重度知的障害者
特例措置はカウント方法だけでなく、助成金の支給額にも影響します。例えば、精神障害者の方を雇用する場合の「特定求職者雇用開発助成金」や「トライアル雇用助成金」では、他の障害種別と比較して助成額が加算されるなど、手厚い経済的支援が用意されています。
これらの特例を正しく理解し、最新の法改正に沿った雇用計画を立てることで、コストを抑えながら効果的な障害者雇用と助成金の活用が可能になります。
除外率制度
一部の業種においては、「除外率制度」という特例措置が設けられています。これは業種の特性上、障害をもつ方が就業することが困難であると認められる業種に対する配慮です。
除外率が適用される業種では、その率に応じて実雇用率の算定基礎となる常用労働者数から一定数を控除することができます。例えば、除外率30%の業種であれば、常用労働者数の30%を控除した数が算定基礎となります。
除外率の適用は徐々に縮小される方向にあることに注意が必要です。厚生労働省は段階的に除外率を引き下げる方針を示しており、将来的には廃止を目指しています。
現在、除外率が適用される主な業種には、医療業(精神科を除く)、製造業(一部)、運輸業、建設業などがあります。自社の業種に除外率が適用されるかどうかは、管轄のハローワークや労働局に確認するとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q:2026年の障害者雇用率の引き上げはいつですか?
A:現在は2.5%ですが、2026年7月1日から2.7%に引き上げられます。これに伴い、雇用義務の対象企業も「従業員37.5人以上」に拡大されることが決定しています。
Q:週15時間の雇用でも障害者雇用のカウント対象になりますか?
A:はい、2024年4月より「特定短時間労働者」としてカウント可能です。精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者を週10時間以上20時間未満で雇用した場合、0.5人分として算入できます。
Q:障害者雇用の助成金は、採用後いつ申請すればいいですか?
A:助成金の種類により異なります。例えば「特定求職者雇用開発助成金」の場合、雇入れから6ヶ月ごとの支給対象期が終了した翌日から1ヶ月以内に申請する必要があります。期限を過ぎると受給できないため、スケジュールの管理が非常に重要です。
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まとめ
障害者雇用の助成金制度は、企業の経済的負担を軽減しながら障害者の方の就労機会を拡大するための重要な支援策です。本記事では、一人当たりの助成金支給額や種類、申請方法などを詳しく解説しました。
特定求職者雇用開発助成金では、重度障害者の方の場合最大240万円、トライアル雇用助成金では、精神障害者の方の場合月額最大8万円など、障害の種類や程度によって支給額が異なります。
これらの助成金を効果的に活用するためには、申請条件や手続きを正確に理解し、計画的に取り組むことが重要です。障害者雇用は法的義務を果たすだけでなく、企業の多様性向上や社会的評価の向上にもつながる重要な経営戦略の一つといえるでしょう。
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障害者雇用の助成金は、申請から実際の支給までには一定の時間がかかります。職場環境の整備や設備投資が必要なときなど、急な資金需要が生じたときに、すぐに対応できる資金調達方法もつなぎ資金として検討しておくとよいでしょう。HTファイナンスのビジネスローンは、スピーディーで柔軟な審査を特徴としています。
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