公開日:2026.01.09
更新日:2026.01.09
借地権担保融資は可能?2026年最新の審査基準と地主承諾の完全ガイド
借地権付きの不動産しか持っていないが、事業資金を調達したい。地主に内緒で融資は受けられるのか?それとも高い承諾料が必要なのか?こうした不安を抱える経営者は少なくありません。結論から言えば、借地権を担保にした融資は可能ですが、銀行審査は「所有権」に比べ格段に厳しく、時間もかかります。本記事では、2026年現在の最新金融情勢に基づき、借地権融資の成功率を上げる実務、そして「地主承諾が得られない」「今すぐ現金が必要」な場合に選ぶべき最短ルートを、金融のプロが明かします。
この記事のポイント
- 借地権単体での抵当権設定は不可だが、建物の抵当権を通じて融資可能
- 銀行融資には「地主承諾書」が必須。取得できない場合はノンバンクや無担保融資を検討
- 融資期間は借地契約の残存期間内に制限される(普通借地なら柔軟な場合も)
- 法人の急ぎの資金調達には、不動産担保に頼らないビジネスローンが最もスピーディー
借地権を担保にした融資の仕組み
借地権付き不動産を持つ経営者が、融資を検討する際、まず理解すべきは借地権と担保の関係です。
結論:借地権そのものに抵当権を設定することはできませんが、借地上の「建物」に抵当権を設定することで、判例上、借地権にも担保効力を及ばせ、実質的な融資を受けることが可能です。
借地権は直接的な担保にできない理由
結論から述べると、法律上、借地権自体に直接抵当権を設定することはできません。これは、借地権が物権ではなく債権的性質を持つためです。
しかし、昭和40年5月4日の最高裁判決により、借地上の建物に抵当権を設定すると、間接的に借地権にも担保効力が及ぶという法理が確立されています。この判例に基づき、実務上は「借地上の建物への抵当権設定」という形で、実質的に借地権も含めた担保価値が認められています。
つまり、借地権そのものではなく、その土地の上に建っている建物に抵当権を設定することで、融資を受けるのが一般的な方法です。この仕組みにより、債務不履行時には建物と共に借地権も一体的に処分される可能性があります。
借地権の種類による担保価値の違い
借地権には、主に「普通借地権」と「定期借地権」があり、担保価値は大きく異なります。
普通借地権は、更新が可能で、実質的に半永久的な利用権として評価されるため、担保価値も比較的高く評価されます。特に、都心部や商業地などの好立地では、借地権割合が60%〜70%に達するケースもあり、相応の担保評価が可能です。
一方、定期借地権は、契約期間満了後に更新がなく確実に終了するため、契約残存期間が短い場合は担保価値が著しく低くなります。多くの金融機関では、残存期間が10年未満の定期借地権付き建物への融資に消極的な傾向があります。
担保評価を左右する主な要素
借地権付き建物の担保評価において、金融機関が重視する要素は、以下の通りです。
まず、借地契約の残存期間は、最も重要な要素です。残存期間が短いほど担保価値は低下し、融資可能額も少なくなります。多くの金融機関では、返済期間が借地契約の残存期間を超えないよう設定されるため、契約期間は融資条件を直接左右します。
次に、立地条件や地域性も重要な評価要素です。都心部や商業地など需要の高いエリアの借地権は、高く評価される傾向にあります。特に普通借地権の場合、好立地であれば、担保価値は土地所有権の60〜70%程度まで評価されることもあります。
さらに、地代の金額と更新条件も審査で重視されます。地代が周辺相場と比較して著しく高い場合や、将来的に大幅な地代増額が見込まれる条件がある場合は、担保評価が下がる可能性があります。
【2026年最新】借地権融資とその他のルート比較
| 比較項目 | 銀行(借地権融資) | HTビジネスローン | HTペイ(ファクタリング) |
|---|---|---|---|
| 調達スピード | 1ヶ月〜数ヶ月 | 最短即日 | 最短2時間 |
| 最大のメリット | 圧倒的な低金利 | 担保・地主承諾不要 | 借金にならない |
| 地主への承諾 | 必須(交渉難航も) | 一切不要 | 一切不要 |
| 契約期間の制限 | 残存期間に依存 | 制限なし | 制限なし |
| おすすめ層 | 低金利重視の法人 | 急ぎの法人様 | 個人・極めて急ぎ |
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借地権を担保に置く際に地主からの許可は必要?
借地上の建物を担保に融資を受ける際、多くの金融機関は地主からの承諾書を要求します。この地主承諾の取得は、融資実行の重要なステップとなります。
結論:法的強制力はありませんが、金融機関は「地主承諾書」の提出を必須条件とします。これは地代未払いによる契約解除リスクを防ぎ、万が一の競売時に買受人が借地権を承継できるようにするためです。
地主承諾書が必要とされる理由
金融機関が地主承諾書を求める主な理由は、将来的なリスク回避のためです。
借地契約上の義務(地代支払いなど)が履行されなかった場合、地主は借地契約を解除できる権利を持っています。もし借地契約が解除されれば、その土地上の建物に設定された抵当権の価値が大きく毀損するリスクがあります。
また、借地契約終了時に地主が建物買取請求権を行使した場合、抵当権者の権利が制限される可能性もあります。こうしたリスクを軽減するため、金融機関は地主から抵当権設定への同意と、一定の権利行使制限の承諾を得ようとします。
地主承諾書では主に、建物への抵当権設定についての承諾、地代未払い等の契約違反があった場合の金融機関への通知、建物競売時の借地権移転への協力などが内容として含まれます。
地主承諾書を取得する際のポイント
地主承諾書の取得は、借地権者にとって重要かつデリケートな交渉プロセスです。
まず、地主に対して、融資を受ける目的と建物への抵当権設定の必要性を丁寧に説明することが重要です。事業拡大や設備投資など前向きな理由であれば、地主の理解を得やすくなります。
承諾取得の交渉では、金融機関指定の承諾書フォーマットを地主に提示します。この際、地主が内容に不安を感じる場合は、弁護士など専門家のアドバイスを受けることをすすめると、信頼関係の構築につながります。
地主が承諾に消極的な場合は、地代の前払いや保証金の増額など、地主側のリスクを軽減する追加条件を提案することで、合意に至るケースもあります。また、金融機関によっては、地主承諾書の内容を一部簡略化することに応じてくれる場合もあるため、融資担当者と相談することも有効です。
地主との交渉や担保設定に時間をかけたくない法人様へ
借地権融資は準備に1ヶ月以上を要します。事業拡大や急な支払いなど、スピードを重視される場合は、最短即日・無担保・無保証のビジネスローンが最適です。銀行融資を待つ間の「つなぎ融資」としてもご活用いただけます。
借入枠を無料で診断する地主から承諾を得られない場合の対応
地主から承諾が得られない場合でも、いくつかの代替手段が考えられます。
まず、一部の銀行やノンバンクでは、地主承諾なしでも融資可能なケースがあります。特に、借地権の価値が高い都心部の物件や、契約残存期間が十分長い物件については、地主承諾なしでの融資に応じる金融機関を見つけられる可能性があります。
また、担保設定ではなく、無担保での融資や、借地上の建物以外の資産を担保とする方法も検討できます。例えば、売掛金や在庫などの事業資産を担保とするABL(Asset Based Lending)や、経営者個人の資産を担保とする方法などです。
さらに、信用保証協会の保証付き融資やビジネスローンなど、不動産担保に依存しない融資商品の活用も選択肢となります。事業計画や収益性を重視する融資商品であれば、借地権の有無に関わらず資金調達の可能性があります。
借地権付き建物への抵当権設定の実務
借地権付き建物を担保にした融資を受ける際には、抵当権設定の手続きや登記方法についても理解しておく必要があります。
抵当権設定登記の流れ
借地上の建物への抵当権設定登記は、一般的な不動産担保融資と基本的な手続きは同じですが、いくつかの特有のポイントがあります。
まず、抵当権設定の対象は「建物」のみとなります。登記簿上も建物のみに抵当権が設定され、借地権自体には直接の担保権設定はされません。しかし、前述の判例により、建物に対する抵当権の効力は、借地権にも及ぶものとされています(判例)。
抵当権設定登記の手続きは、通常、金融機関指定の司法書士が担当します。必要書類として、建物の登記済権利証(または登記識別情報)、借地権者の印鑑証明書、借地契約書のコピー、そして地主承諾書が重要な書類となります。
なお、建物が未登記の場合は、まず建物の表題登記および所有権保存登記を行った上で、抵当権設定登記を行う必要があります。この場合、建物の図面や固定資産評価証明書などの追加書類が必要となります。
借地契約残存期間と融資返済期間の関係
借地権付き建物を担保とした融資には、返済期間に関する重要な制約があります。
原則として、融資の返済期間は、借地契約の残存期間を超えることができません。これは、契約期間終了後に借地権が消滅するリスクがあるためです。例えば、残り20年の借地契約の場合、融資の最長返済期間も20年以内に設定されます。
定期借地権の場合は、特に注意が必要です。契約満了後の更新がないため、金融機関は残存期間に安全マージンを設けて、さらに短い返済期間を設定することが一般的です。例えば、残り15年の定期借地権であれば、10年程度の返済期間に制限されるケースもあります。
ただし、普通借地権で立地条件が良く、更新可能性が高いと判断される場合は、契約の形式的な残存期間よりも長い返済期間が認められることもあります。これは、金融機関の方針や物件の個別評価によって異なるため、事前に複数の金融機関に相談することをおすすめします。
借地権融資を断られる理由と「内部評価」の正体
結論:銀行が借地権融資を断る最大の理由は、債権回収時の「流動性の低さ」にあります。担保評価額が十分でも、地主との関係性や承諾条件が銀行の内部規定(マニュアル)に抵触すると、審査の入り口で否決されるのが実態です。
銀行が嫌がる「不完全な借地契約」の具体例
特に以下のケースでは、大手銀行での融資は極めて困難になります。
- 地代の滞納履歴:過去3年以内に地代の支払いが1ヶ月でも遅れている場合、地主からの解除権行使を懸念し、評価はゼロに近い扱いとなります。
- 建替承諾料の定めがない:将来の建替え時に地主と揉めるリスクが高いと判断されます。
- 地主が個人で高齢:相続が発生した際、新しい地主との関係が不透明になるため、契約期間内であっても警戒されます。
抵当権実行時の借地権の取り扱い
債務不履行により抵当権が実行された場合、借地権はどうなるのか理解しておくことも重要です。
抵当権実行により、建物が競売にかけられると、借地権も建物と一体で落札者に移転することになります。このとき、落札者は、新たな借地権者として地主との関係を継続することになりますが、地代支払いなどの義務も引き継ぐことになります。
競売手続きでは、借地権の存在と内容は物件明細書に記載され、入札者はその条件を前提に入札します。そのため、地代が高額である場合や特殊な契約条件がある場合は、競売価格が低くなる可能性があります。
なお、競売時に、地主が優先的に建物を買い取る権利(優先買取権)を有している場合もあります。これは、借地契約や地主承諾書の内容によって異なるため、融資を受ける前に確認しておくべき重要なポイントです。抵当権実行のリスクを最小限にするためにも、地主との良好な関係維持が重要といえるでしょう。
借地権の知識をさらに深める(外部参考記事)
地主との法的な関係性や、抵当権設定の実務的な法解釈については、こちらの解説記事「借地権と抵当権はどちらが優先される?抵当権を設定できない理由も解説」が、専門的な視点から非常に詳しくまとめられております。
金融機関ごとの借地権担保融資への対応差
借地権付き不動産を担保にした融資では、金融機関によって対応が大きく異なります。どの金融機関に相談すべきか、その特徴を理解しておくことが重要です。
都市銀行・地方銀行の対応
都市銀行や地方銀行は、借地権担保融資に対して比較的保守的な姿勢を取る傾向があります(基本的に審査対象にならない場合が多くあります)。
都市銀行では、借地権付き物件への融資審査において、借地契約の内容や地主承諾書の取得を重視します。特に普通借地権であっても、地主承諾書なしでの融資は、ほぼ不可能と考えておくべきでしょう。また、担保評価においても、所有権の場合と比較して、、50〜70%程度の評価率にとどまることが一般的です。
一方、地方銀行は、地域密着型の営業方針から、地元の不動産事情や借地権の実情に精通しているケースが多く、地域によっては借地権担保融資に柔軟な対応を示すこともあります。特に、取引実績がある顧客に対しては、都市銀行よりも融資条件が緩和されることもあるでしょう。
ただし、銀行融資の基本として、借地契約の残存期間と融資期間の関係は厳格に判断されます。例えば、残り15年の借地契約に対して20年の融資は、基本的に困難です。また、定期借地権の場合は、残存期間が短いほど融資の難易度が上がります。
信用金庫・信用組合の対応
信用金庫や信用組合は、地域密着型金融機関として、借地権融資に独自のアプローチを持っています。
これらの金融機関は、地元の不動産市場や借地慣行に精通していることが多く、その地域特有の借地権評価を行うことができます。特に、古くからの商店街など、借地権取引が一般的な地域では、借地権の担保価値を適切に評価できるケースが多いでしょう。
また、長期取引先との関係性を重視する傾向があるため、継続的な取引実績がある場合は、地主承諾書の内容を簡略化したり、担保評価を柔軟に行ったりする可能性もあります。中小企業との取引に強みを持つため、事業性評価と組み合わせた融資提案も期待できます。
ただし、信用金庫や信用組合でも、基本的な融資審査基準は存在します。借地契約の内容や残存期間、建物の状態、そして債務者の返済能力などを総合的に判断するため、これらの要素が不十分な場合は、融資が難しくなる点は変わりません。
ノンバンク・不動産担保ローン会社の対応
銀行などの金融機関での融資が難しい場合、ノンバンクや不動産担保専門のローン会社という選択肢もあります。
これらの金融機関は、銀行に比べて柔軟な審査基準を持っていることが多く、地主承諾書が取得できないケースや、借地契約の残存期間が短いケースでも融資に応じる可能性があります。特に、都心部の価値の高い借地権物件については、積極的な融資姿勢を示すノンバンクも存在します。
ただし、融資条件はやや厳しくなる傾向があります。金利は、銀行融資と比較して高めに設定されることが一般的で、融資額も建物評価額の50〜60%程度にとどまるケースが多いでしょう。また、返済期間も短く設定される傾向があります。
ノンバンクを選ぶ際のポイントとしては、金利や手数料の透明性、中途返済時の条件、実行までのスピードなどを比較検討することが重要です。複数の会社から見積もりを取得し、総返済額や月々の返済負担を比較した上で判断することをおすすめします。
住宅ローン商品における借地権担保の特殊性
事業資金以外に、住宅ローンにおいても、借地権付き物件の取り扱いには特殊性があります。住宅を目的とした借地権融資について理解しておきましょう。
フラット35における借地権物件の取り扱い
住宅金融支援機構が提供するフラット35では、借地権付き住宅に対する独自の融資基準があります。
フラット35では、普通借地権と定期借地権の両方を対象としていますが、それぞれに異なる条件が設定されています。普通借地権の場合、借地上の建物に抵当権を設定することで融資が可能です。一方、定期借地権の場合は、通常の抵当権設定ではなく、借地権に対する質権設定が必要になる点が大きな特徴です。
また、フラット35の借地権物件への融資では、借地契約の残存期間に関する明確な基準があります。一般的に、融資期間が借地契約の残存期間を超えないことが条件とされていますが、借地権の種類や更新可能性によって判断が異なる場合もあります。
さらに、フラット35では、地主の承諾取得についても独自の取り扱いがあります。一般的に地主承諾書が必要ですが、地主が親族の場合など一部のケースでは承諾要件が緩和されることもあります。ただし、その場合でも、借地契約の内容や親族関係を証明する書類の提出が求められます。
銀行の住宅ローンにおける借地権の評価方法
銀行が提供する住宅ローンでも、借地権付き物件に対する融資は可能ですが、評価方法や融資条件は銀行によって異なります。
多くの銀行では、借地権付き住宅の担保評価において、所有権付き物件と比較して一定の掛け目(70〜80%程度)を適用することが一般的です。この評価率は、借地権の種類や残存期間、立地条件などによって変動します。
担保評価の方法としては、「建物価値+借地権価値」という合算方式で評価されるケースと、建物のみを評価対象とし借地権は評価しないケースがあります。前者の方が融資可能額は高くなりますが、後者の方が審査ハードルは低くなる傾向があります。
銀行住宅ローンでは、地主承諾書の取得も原則として必要です。この承諾書には、建物への抵当権設定の同意だけでなく、借地契約違反時の金融機関への通知義務や、金融機関の要請による借地契約更新への協力などの条項が含まれることが一般的です。地主が法人の場合は、取締役会決議書などの追加書類が求められることもあります。
定期借地権向け特殊商品の活用方法
定期借地権付き住宅向けに特化した住宅ローン商品も存在します。これらの特殊商品は、定期借地権の特性に合わせた融資条件を提供しています。
定期借地権専用の住宅ローン商品では、通常の住宅ローンとは異なり、借地期間の満了時に、建物の価値がゼロになることを前提とした返済計画が組まれます。具体的には、元金均等返済方式を採用し、契約満了時までに借入金を完済する仕組みになっています。
このタイプのローンでは、融資実行時に住宅金融支援機構などによる保証が付くケースが多く、金融機関のリスクが軽減される分、審査のハードルが下がることもあります。ただし、一般の住宅ローンと比較すると、金利が若干高めに設定される傾向があります。
定期借地権物件を購入する際には、一般の住宅ローンと定期借地権専用ローンの両方を比較検討することをおすすめします。月々の返済額や総返済額、完済時期などを比較し、自身のライフプランに合った選択をすることが重要です。また、将来的な借地権譲渡の可能性も考慮に入れた資金計画を立てることが賢明です。
借地権担保融資の実践的な申し込み手順
借地権付き不動産を担保にした融資を実際に申し込む際の、具体的な手順とポイントを解説します。
事前準備と必要書類の確認
融資申し込みの前に、適切な準備を行うことで承認確率を高めることができます。
最初に、借地契約書の内容を精査することが重要です。契約期間、更新条件、地代改定条項、譲渡・転貸の制限などをチェックし、融資に不利な条項がないか確認しましょう。特に、契約期間は融資可能期間を直接左右するため、残存期間を正確に把握することが必須です。
次に、建物の登記事項証明書を取得し、現在の登記状態を確認します。未登記建物の場合は、融資申し込み前に表題登記および所有権保存登記を完了させておく必要があるでしょう。また、すでに他の担保権が設定されていないか、共有持分になっていないかなども確認します。
融資申し込み時に一般的に必要となる書類は、以下の通りです。
- 借地契約書のコピー
- 地主の印鑑証明書(承諾書取得時に必要)
- 建物の登記事項証明書または登記済権利証
- 固定資産評価証明書または固定資産税納税通知書
- 借地権者(融資申込者)の決算書(過去3期分)
- 事業計画書または資金使途説明書
- 借地権者の印鑑証明書
- 実印
金融機関によっては追加書類を求められる場合もありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
金融機関を選択する際のポイント
借地権担保融資では、金融機関選びが成否を分ける重要なポイントとなります。
まず、複数の金融機関に事前相談することが賢明です。都市銀行、地方銀行、信用金庫、ノンバンクなど、異なるタイプの金融機関に相談することで、融資条件の比較検討が可能になります。それぞれの金融機関によって、借地権に対する姿勢や評価方法が異なるため、広く相談することで、最適な選択肢を見つけられる可能性が高まります。
事前相談の際には、借地契約の詳細を正確に伝えることが重要です。契約期間、更新条件、地代の金額、地主との関係性などを包み隠さず説明することで、実現可能な融資プランを提案してもらえます。特に、地主承諾書の取得可能性については率直に相談し、取得が難しい場合の代替案についても質問しておくとよいでしょう。
また、資金使途についても明確に説明することが大切です。設備投資や事業拡大など前向きな資金需要であれば、金融機関も積極的に融資を検討する傾向があります。具体的な事業計画とその効果を示すことで、借地権担保の限界を超えた融資条件を引き出せる可能性もあります。
審査通過のためのポイント
借地権担保融資の審査を通過するためには、いくつかの重要なポイントと交渉のコツがあります。
まず、地主との関係が良好であることを示すことが重要です。長期間滞りなく地代を支払っていることや、過去の契約更新が円滑に行われた実績などをアピールします。可能であれば、地主からの推薦状や、将来の契約更新に前向きであることを示す文書があれば、審査上プラスに働くでしょう。
次に、建物の維持管理状態の良さをアピールすることも効果的です。建物が良好に管理されていれば、担保価値も高く評価される傾向があります。必要に応じて、建物の現況写真や、最近行ったリフォーム・メンテナンスの記録などを提示することも検討しましょう。
融資条件の交渉では、返済期間と融資額のバランスを考慮することが重要です。借地契約の残存期間よりも、短い返済期間を自ら提案することで、審査通過の可能性を高められることもあります。また、融資額を希望より低めに設定し、代わりに金利優遇や担保評価の引き上げを交渉するという戦略も効果的です。
審査中に追加質問や書類提出を求められた場合は、迅速かつ誠実に対応することも重要なポイントです。金融機関の不安や疑問点を解消することで、審査の進展を促進できます。特に、借地権に関する複雑な質問には、必要に応じて、弁護士や司法書士などの専門家の協力を得ることも検討しましょう。
借地権担保の融資のリスク
借地権付き不動産を担保にした融資には、通常の不動産担保融資とは異なるリスクが存在します。これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
結論:最大のリスクは、地代の増額や更新拒絶により担保価値が毀損することです。また、借地契約の残存期間が融資の完済期間を縛るため、長期の資金繰り計画には不向きな側面があります。
借地契約に起因する将来的なリスク
借地権担保融資において最も注意すべきは、借地契約自体に関連するリスクです。
まず、借地契約の更新拒絶が挙げられます。特に普通借地権の場合、契約更新時に地主が正当事由を主張して更新を拒否する可能性があります。更新拒否が認められれば、借地権が消滅し担保価値が大きく損なわれることになります。
次に、地代増額も重要な懸念事項です。地価の上昇や周辺環境の変化により、地代が大幅に増額される可能性があります。地代が増えれば収益性が悪化し、返済負担が相対的に重くなるリスクがあります。
また、地主の交代も考慮する必要があります。地主が変わると、新しい地主との関係構築が必要になり、場合によっては契約条件の見直しを求められることもあります。特に、相続による地主交代で相続人が複数いる場合、合意形成が複雑になるリスクもあります。
これらのリスクに対しては、借地契約の内容を詳細に確認し、潜在的なリスク要因を事前に把握しておくことが重要です。可能であれば、融資実行前に、地主との間で長期間の地代固定や更新保証などについて合意しておくことも検討しましょう。
返済計画における注意点
借地権担保融資の返済計画では、通常の不動産担保融資とは異なる注意点があります。
最も重要なのは、借地契約の残存期間と返済期間の関係です。基本的に返済期間は、借地契約の残存期間を超えることができません。そのため、長期返済を前提とした資金計画は見直す必要があるでしょう。特に定期借地権の場合は、契約期間満了が確定しているため、その時点までに完済できる返済計画が必須です。
また、借地契約更新時や地代改定時期と重なる返済負担の変動リスクも考慮する必要があります。例えば、契約更新時に地代が大幅に上昇した場合、返済余力が減少する可能性があります。そのため、返済計画には余裕をもたせ、更新時や地代改定時のリスクに対応できるようにしておくことが賢明です。
返済期間中に借地権の売却や建物の建て替えを計画している場合は、それらのタイミングでの一部繰上返済や、借り換えの可能性も検討しておくべきです。特に借地権付き物件は、流動性が低いため、売却には時間がかかる可能性があることを念頭に置いた資金計画が必要です。
参考記事:中小企業の資金調達は難しい?元銀行員が教える「審査の裏側」
まとめ
借地権付き不動産を担保に融資を受ける場合、直接借地権に抵当権を設定するのではなく、借地上の建物に抵当権を設定することで、実質的に借地権も担保価値として評価される仕組みとなっています。実際の金融機関による担保権設定は、手続き的に複雑な部分もあり、多くの金融機関では地主の承諾書が必要となりますが、地主との良好な関係維持や適切な交渉により承諾を得やすくなります。
融資条件は、借地契約の残存期間や借地権の種類によって大きく左右されるため、事前に複数の金融機関に相談し、自身のケースに最適な選択肢を見つけることが重要です。融資実行後も、借地契約更新や地代改定などのリスクに備えた資金計画を立てておくことで、安定的な返済が可能になるでしょう。まずは借地契約書の内容を精査し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、計画的に融資準備を進めることをおすすめします。
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