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ビジネスローンで審査落ちする事業者の共通点は?通るための具体的な対処法も伝授【2025年9月完全版】

経営者として、事業資金の調達は常に重要な課題ですが、ビジネスローンの審査に落ちると資金計画全体が狂ってしまいます。

どうして審査に通らなかったのか、ビジネスローン会社からその理由が明確に伝えられることはほとんどありません。しかし、ビジネスローンの審査落ちには、一定の傾向があります。

本記事では、ビジネスローンの審査に落ちやすい事業者の特徴と、審査通過率を上げるための具体的な対策を解説します。財務状況の改善方法から申込書類の正しい準備まで、実践的なアドバイスを提供します。審査に不安がある方も、これから申し込みを検討している方も、ぜひ参考にしてください。

CONTENTS

ビジネスローン審査落ちの主な原因5つ

ビジネスローンの審査では、さまざまな観点から企業と経営者の返済能力が評価されます。審査落ちする場合、多くは明確なパターンに当てはまっています。

事業の財務状況が芳しくない

ビジネスローンの審査において、最も重視されるのが企業の財務状況です。金融機関にとって、融資の返済能力を判断する最も客観的な材料となります。

直近数年の決算書で赤字が続いている場合、金融機関はその企業の返済能力に疑問を抱きます。特に、営業利益段階で赤字であると、事業本体の収益性自体に問題があると判断されるため、収益構造の改善が急務となります。改善に向けて具体的な施策や計画を立て、それを金融機関に明確に伝えることができれば、審査上プラスに働く可能性があります。

また、債務超過の状態も審査において大きなマイナス要因となります。負債が資産を上回っている状態では、追加の融資を受けても返済できるか不安視されます。特に、複数年にわたって債務超過が続いている場合は、その傾向がさらに強まります。

税金の滞納も、審査において致命的な問題です。税金は最優先で支払うべき債務であり、これが滞っていると、資金繰りが極めて厳しい状態と判断されてしまいます。融資の審査前には、必ず税金の支払い状況を確認し、滞納があれば早急に解消する必要があります。

経営者の信用情報に問題がある

ビジネスローン、特に中小企業向けの融資では、法人の信用だけでなく経営者個人の信用情報も審査項目となります。

経営者が、過去にクレジットカードやローンの支払いを延滞した履歴がある場合、その情報は信用情報機関に記録されています。このような履歴があると、経営者としての信用力が大きく損なわれることになります。一度失われた信用を取り戻すには、長い時間がかかるため、日頃から個人の支払い管理を徹底し、延滞を避けることが重要です。

また、複数の金融機関に同時に融資を申し込むことも、審査においてマイナス要因となります。資金繰りが逼迫しているとみなされ、返済能力を疑問視される原因になります。

個人の借入件数が多い場合も要注意です。多重債務状態と判断され、追加の返済負担に耐えられるかどうか懸念されます。特に、個人の借入総額が年収の3分の1を超えると、返済能力に疑問符がつけられやすくなるため、借入状況の整理を検討すべきでしょう。

事業歴が浅すぎる

創業間もない企業は、ビジネスローンの審査において、特に厳しい評価を受けることが多いものです。一般的に、創業から1年未満の企業は、審査通過が難しいといわれています。

創業間もない企業は、事業の安定性や継続性を証明する実績が少なく、金融機関からすれば融資リスクが高い対象となります。創業期は、特に資金需要が高い時期ですが、実績が乏しいことから融資を受けにくい状況に陥りがちです。そのため、売上の推移や今後の見通しを具体的な数字やデータで示し、将来的な成長の可能性を金融機関にアピールすることが大切になります。

また、業界や事業モデルによっては、安定するまでに3年以上かかるケースもあります。金融機関は、少なくとも2期分の決算書を見て事業の安定性を判断することが多いため、創業間もない企業は不利な立場に置かれます。

創業期に資金調達を検討する場合は、一般的なビジネスローンよりも、創業融資や公的融資制度を活用する方が、審査通過の可能性が高くなります。

申し込み書類に不備がある

審査落ちの原因として意外と多いのが、申込書類の不備や不足です。必要書類が揃っていなかったり、記入ミスがあったりすると、審査担当者に悪い印象を与えるだけでなく、審査のスピードも遅くなります。

特に、決算書や確定申告書は重要な審査資料です。これらに不整合や明らかな誤りがあると、企業の財務管理能力自体を疑問視される原因になります。正確で整合性のある書類提出は、審査通過の基本条件です。数字の根拠が明確に分かるように、書類の内容を十分に確認したうえで提出すると、審査担当者に与える印象も良くなります。

また、事業計画書や資金使途の説明が曖昧だと、融資の必要性や返済計画の妥当性を評価できず、審査が通りにくくなります。融資を受ける目的や返済計画を具体的に示し、根拠となる数字やデータを明確に記載することが重要です。

提出書類は金融機関によって異なりますが、一般的には決算書(3期分)、確定申告書、会社の登記簿謄本、代表者の身分証明書などが必要です。事前に必要書類を確認し、漏れなく準備しましょう。

事業内容に不安要素がある

金融機関は、業界動向や将来性も考慮して融資判断を行います。衰退産業や社会的信用度の低い業種は、審査が厳しくなる傾向にあります。

また、事業内容が不明確であったり、収益モデルが曖昧だったりすると、金融機関は返済原資の安定性に疑問を抱きます。明確なビジネスモデルの提示が、審査通過には不可欠です。

特に、新規事業への投資目的での融資申請は、リスクが高いと判断されがちです。実績のない事業への投資は、返済の確実性が低いとみなされるためです。

同業他社との差別化ポイントや競争優位性が示せない場合も、事業の継続性や成長性に疑問を持たれることがあります。自社の強みや市場での位置づけを明確に説明できるようにしておくことが重要です。

ビジネスローンの審査に通るための対処法

ビジネスローンの審査に落ちる原因を理解したところで、次は具体的な対策を見ていきましょう。事前の準備と適切な対応で、審査通過率を大幅に高めることができます。

財務状況の改善

ビジネスローンの審査を通すためには、財務状況の改善が最も効果的です。まずは、赤字体質からの脱却を目指しましょう。不採算事業の見直しやコスト削減によって、利益体質への転換を図ることが重要です。

債務超過の状態にある場合は、増資や資産の見直しを検討します。遊休資産の売却や経営者からの資金投入によって、バランスシートの改善を図りましょう。

税金の滞納がある場合は、審査申し込み前に必ず完納しておくことが必須です。納税証明書を取得して、滞納がないことを証明できるようにしましょう。税金の分割納付中の場合でも、その事実を隠さず申告することが大切です。

また、売上高や利益の改善傾向を示すことができれば、たとえ過去に赤字があっても審査通過の可能性は高まります。直近の月次決算で業績回復の兆しがあれば、その資料も提出しましょう。

代表の信用情報を改善する

法人の代表の信用情報に問題がある場合、まずは信用情報機関に登録されている自分の情報を確認することから始めましょう。CICやJICCなどの信用情報機関に開示請求を行うことで、現在の信用状況を把握できます。

延滞中の借入がある場合は、すぐに返済して延滞状態を解消することが先決です。延滞情報は、完済後も一定期間(通常5年間)記録に残りますが、返済姿勢の改善を示すことは重要です。

複数社へのローン申し込みは避け、申し込みは1社に絞りましょう。短期間に複数社へ申し込むと、多重申込として信用情報に記録され、審査において不利になります。

また、個人的な借入を整理することも重要です。返済が滞りなく行われている場合でも、借入件数が多すぎると返済能力に疑問を持たれます。可能であれば、おまとめローンなどで借入先を整理することも検討しましょう。

客観的な根拠に基づいた計画

創業間もない企業が、ビジネスローンの審査に通りにくいのは事実ですが、いくつかの対策を講じることで、融資を受けられる可能性は高まります。まずは、創業計画の具体性と実現可能性を示す資料づくりに力を入れましょう。

市場分析、競合調査、収支シミュレーションなど、事業の成功可能性を示す客観的なデータを揃えることが重要です。特に過去の実績が少ない分、将来の見通しを論理的に説明できる資料が必要です。

創業者自身の経験やスキルも、重要なアピールポイントです。業界での勤務経験や専門知識、実績などを具体的に示すことで、事業の成功可能性をアピールできます。

また、創業期は一般的な金融機関よりも、日本政策金融公庫などの政府系金融機関や創業支援に積極的な地域金融機関を選ぶと、審査通過の可能性が高まります。創業融資の実績が多い金融機関を選ぶことも大切です。

申し込み書類の準備

ビジネスローンの審査では、提出書類の完成度が重要です。すべての書類に不備や矛盾がないか、提出前の徹底確認が必要です。

決算書は直近3期分を用意し、数字の整合性を確認しましょう。貸借対照表と損益計算書の数字が一致しているか、前年度からの繰越金額に誤りがないかなど、細部まで確認することが大切です。

資金使途計画書は、具体的かつ現実的な内容にしましょう。融資金の使い道と、それによって得られる効果を明確に示すことが重要です。特に設備投資の場合は、見積書や投資回収計画などの裏付け資料も準備します。

返済計画書では、無理のない返済スケジュールを提示しましょう。月々の返済額が手元資金の状況や将来の収益予測と照らして、現実的であることを示すことが重要です。

書類作成に不安がある場合は、税理士や中小企業診断士などの専門家にアドバイスを求めることも検討しましょう。専門家の目を通すことで、審査担当者が重視するポイントを押さえた書類作成が可能になります。

事業の将来性のアピール

審査担当者は、単に現在の財務状況だけでなく、事業の将来性や成長可能性も評価します。業界の成長性や自社の市場シェア、競争優位性などを具体的なデータとともに示すことが重要です。

特に、業績が伸び悩んでいる場合は、その原因分析と改善策を明確に説明できることが必要です。現状認識と改善への具体策を示すことで、経営者としての能力と意欲をアピールできます。

また、安定した取引先の存在や長期契約の獲得など、将来の安定収入につながる要素があれば積極的に示しましょう。大手企業との取引実績や継続的な発注が見込める顧客基盤は、返済能力の裏付けとして評価されます。

事業計画では、過度に楽観的な予測は避け、現実的かつ堅実な成長計画を示すことが信頼につながります。仮に高い成長を見込む場合でも、その根拠を客観的なデータで裏付けることが重要です。

ビジネスローンの審査の申し込み前にするべき確認

ビジネスローンの審査に申し込む前に、準備状況を最終確認するためのチェックリストを用意しました。これらの項目を事前に確認することで、審査通過率を高めることができます。

財務関連の確認

申し込み前に、財務状況に関する重要なポイントを確認しましょう。まず、決算書の内容を精査し、直近3期分の財務状況を把握することが大切です。できれば黒字決算であることが望ましいですが、業績改善の流れを示せることも重要です。

資金繰り表は、最低でも今後1年間の予測を作成しましょう。月ごとの収支予測とキャッシュフローの状況を詳細に示すことで、返済能力の裏付けとなります。

税金の納付状況も確認が必要です。法人税や消費税、固定資産税などの滞納がないことを確認し、納税証明書を取得しておきましょう。税金の滞納は、融資審査において大きなマイナスとなります。

また、既存の借入状況も整理しておきましょう。借入先、借入金額、返済条件、残高などを一覧にして、全体の債務状況を把握しておくことが重要です。返済状況に問題がないことも確認しておきましょう。

信用情報の確認

経営者の信用情報は、審査において重要な判断材料となります。申し込み前に、自身の信用情報を開示請求して内容を確認しておくことをおすすめします。

延滞や債務整理などの金融事故履歴がないか確認し、問題があれば事前に解消しておきましょう。特に、直近の返済状況は重要視されるポイントです。

クレジットカードやローンの支払い状況も確認しましょう。直近の支払いに遅延がないことを確認し、返済能力に疑問を持たれないようにすることが大切です。

また、短期間に複数の金融機関に融資の申し込みをしていないかも確認しましょう。多重申込みは信用情報に記録され、審査においてマイナス要因となります。

審査担当者とのコミュニケーションの取り方の確認

ビジネスローンの審査では、担当者とのコミュニケーションも重要です。事前に面談や質疑応答の準備をしておくことで、好印象を与え、審査通過の可能性を高めることができます。

まず、自社の事業内容や強み、市場での位置づけなどを簡潔に説明できるようにしておきましょう。自社の事業価値を明確に伝えることが大切です。

融資の必要性とその効果についても、具体的に説明できるようにしておきましょう。なぜ今融資が必要なのか、それによってどのような効果が見込めるのかを論理的に説明できることが重要です。

また、過去の業績が芳しくない場合は、その原因と改善策を正直に説明できるようにしておきましょう。問題を隠すのではなく、それを認識したうえで対策を講じていることをアピールすることが信頼につながります。

質問への回答は具体的かつ簡潔にし、誠実さを心がけましょう。不明点があれば「わからない」と正直に答え、後日回答するという姿勢も重要です。

審査実務の評価軸――「属性・信用・財務」の三本柱を可視化

属性情報(年齢・就業/事業形態・収入等)の把握と適合性

金融機関は、申込主体の「属性情報」を総合的に勘案します。法人であれば事業形態・業歴・主要取引・許認可、個人事業主であれば年齢・職歴・所得安定性などが対象です。これらは返済原資の持続可能性を推し量る間接指標で、財務・信用情報と組み合わせて評価されます。弱点がある場合は、補強資料(契約書、見積・受注残、継続取引の実績、許認可の写し等)で合理的な根拠を整備し、面談時に論点先出しで説明することが効果的です。

参考:J-Net21(中小機構)資金調達方法

信用情報(申込・利用・遅延履歴)の点検プロセス

審査過程では、指定信用情報機関の記録(申込履歴・利用状況・延滞等)が必ず参照されます。短期の多重申込は資金繰り逼迫のシグナルと見られるため、申し込みは優先順位を設けて計画的に実施するのが原則です。申込前にCICやJICCへ開示請求を行い、誤登録や古い延滞履歴の有無を点検しておくと、想定外の減点を防げます。

参考:CIC:申込情報の保有期間(利用日より6か月)JICC:申込み情報の登録期間(照会日から6か月以内)

財務状況評価のフレーム(収益性・安全性・キャッシュフロー・負債構成)

財務面では、収益性(営業利益・粗利率)、安全性(自己資本比率・流動比率)、キャッシュフロー(営業CFの安定性)、負債構成(短期偏重・借入依存)などの整合が検証されます。特に月次試算表・資金繰り表・入出金推移と決算(BS/PL/CF)のつながりは重視されます。赤字期があっても、改善トレンドや固定費圧縮、在庫/売掛の回転改善が客観資料で示せれば、返済余力の評価は底上げ可能です。

参考:中小企業庁:小規模事業者の資金繰りの見える化

借入希望額の「適正レンジ」を決める――返済負担と減額着地を前提に

営業キャッシュフローからみる上限設定

希望額は、事業が生み出す営業キャッシュフロー(営業CF)と、既存返済の合計負担の範囲で設計するのが原則です。過大な申請は、条件不利(高金利・短期化)や減額可決の確率を高めます。まずは月次の入出金と季節変動を織り込んだ資金繰り表を基礎に、返済原資の範囲内で「使途別の必要額」と「返済スケジュール」を整合させ、適正レンジに収めることが通過率向上の近道です。

参考:J-Net21:資金調達手法とポイント

審査での減額可決リスクと資金計画の再構成

金融機関は保全重視の観点から、申込額より少ない「減額回答」を提示することがあります。想定外の目減りに備え、事前に複数シナリオ(満額・減額・分割実行)を用意し、資金繰り・投資計画・仕入/在庫の調整案を設計しておきましょう。減額は否決ではありません。実行後の実績づくりとモニタリング開示を重ね、増額・条件変更の次段を見据える運用が合理的です。

申込行動が信用に与える影響――「申込ブラック」を避ける運用

申込情報は6か月記録――短期多重申込のリスク

申込履歴は指定信用情報機関に概ね6か月間記録されます。短期に多数へ同時申請すると、資金繰り悪化のサインと受け止められ、否決・減額の一因となり得ます。優先順位を定め、一度の申請結果を踏まえて次の打ち手を講じる「段階的申込」が望ましく、同時多発的な照会は極力避けましょう。

参考:CIC:申込情報の保有期間JICC:申込み情報の登録期間

推奨インターバルと申込の優先順位設計

申込は原則シングル・トラックで進め、次回は前回の結果反映・改善策の実装後に行うのが定石です。創業・成長・再生など自社のフェーズ別に、(1)実行速度(2)金利・期間(3)審査難度(4)必要書類の負担、の観点で候補をランク付けし、成功確度の高い順にアプローチすると、信用情報への悪影響を抑制できます。

提出書類の「品質管理」――不備・解像度・整合性チェックリスト

画像解像度・欠け・可読性の基準

書類品質は審査スピードと印象に直結します。スマートフォン撮影時は、反射・影・歪み・トリミング欠けに注意し、可能であればスキャナPDFで提出するのが望ましい運用です。金額・社名・日付・押印・ページ通し番号の判読性を確保し、見積・契約・請求・入金の一連の流れが追える形で整理すると、机上審査の精度が上がります。

数値整合(決算―資金繰り―取引履歴)と虚偽申告リスク

決算(BS/PL/CF)と月次試算・資金繰り表・入出金実績の整合が取れていないと、管理能力不足や虚偽申告の疑念を招きます。特に資金使途の曖昧さは減点対象です。提出前に専門家(税理士・認定支援機関)によるレビューを通し、矛盾・勘定科目のブレ・在庫評価/償却の扱いなどを点検しましょう。

参考:中小企業庁:中小企業施策利用ガイドブック

創業初年度の資金戦略――「時期・手段・資料」で通す

創業1年未満のハードルと申込タイミング

創業初期は決算・実績が乏しく、ビジネスローンの机上審査で不利になりがちです。初回決算や月次の売上トレンドが見えてからの申請、もしくは創業特化の制度資金を先行活用するなど、時期と手段の組み合わせで通過可能性は高まります。売上・粗利・回収の立ち上がりを、月次KPIで可視化しておくことが重要です。

創業計画の実現可能性を示すエビデンス設計

創業段階では、実績の代替として「計画の実現可能性」を裏づける客観資料が鍵になります。需要予測、競合比較、販路/受注見込み、採算シミュレーション、主要仮説とKPIの検証計画を体系的に提示し、資金使途が売上創出やコスト削減にどう寄与するかを論理的に示しましょう。

決算不要型・柔軟審査型の選択肢整理

創業時は、日本政策金融公庫の創業融資や自治体制度資金など、柔軟な審査・低利長期の公的メニューが有効です。必要に応じて、売掛債権の早期現金化(ファクタリング)等をブリッジとして組み合わせ、過度な短期負債の集中を避ける設計が望まれます。

参考:日本政策金融公庫:創業融資公庫コラム:創業の資金調達手段

審査担当者を「動かす」――現地確認と稟議エビデンスの提示

来社・現場確認の打診で将来性を可視化

机上の数字では伝わりにくい「強み」は、現地確認で可視化できます。設備の更新状況、稼働率、工程改善、品質管理体制、バックオフィスのデジタル化など、持続的な収益力に資する現場の施策を、写真・手順書・KPIで示すと説得力が増します。必要に応じ、主要取引先の評価書や継続発注の証跡も準備しましょう。

稟議で効くKPIと顧客依存・在庫回転の補足資料

最終判断は稟議でなされるため、第三者が短時間で理解できる補足資料が有効です。上位5社の売上構成(顧客集中度)、在庫回転・滞留、与信限度と回収実績、為替/仕入単価の感応度など、ボトルネックと対策をワンシートで整理し、資金使途がリスク低減と成長加速にどう寄与するかを明確化しましょう。

参考:中小企業庁:経営力向上計画(税制・金融支援)

代替スキーム比較――「資金の性質」から選ぶ

不動産担保ビジネスローン(高額・長期・担保前提)

担保余力がある場合は、不動産担保型で資金規模や返済期間の選択肢が拡がります。物件評価・権利関係・賃貸収入の有無等が審査の主眼となるため、登記事項証明書・評価書・賃貸借契約などの資料整備が鍵です。運転資金と設備資金のミックス調達も検討余地があります。

公的融資(自治体/公庫)と補助金・助成金

公的制度は、低利・長期・据置の設計が可能で、創業・成長・再生の各フェーズで有効です。補助金・助成金と組み合わせることで、自己資金負担や資金調達コストを最適化できます。採択時期や実績報告の要件を見越して、キャッシュフローの谷を制度資金でつなぐ計画が有効です。

参考:日本政策金融公庫:創業融資中小企業庁:公募情報(例)

ファクタリング(売掛先与信に基づく早期現金化)

ファクタリングは売掛債権の譲渡にもとづく資金化で、赤字・債務超過の局面でも活用しやすい手段です。取引先の信用力が重視され、借入枠に依存しないのが利点。一方でスキームの適法性や手数料水準、二者/三者間の違い、債権の真正譲渡の確保など、実務リスクへの目配りが不可欠です。

参考:金融庁:ファクタリングの利用に関する注意喚起中小企業庁:ABL(売掛債権担保融資)の活用

資金使途自由ローン(事業外支出の整理/小口補完)

小口の資金ニーズや一時的な資金繰りの補完には、資金使途自由型を選択する余地があります。事業と私費の峻別、リボ・カード債務の整理、突発支出の橋渡し等に限定運用し、長期資金は制度融資・担保型へシフトする「適材適所」の設計が望まれます。

モニタリング前提の「段階借入」――増額審査を見据えた運用

まずは必要最低額→業績モニタリング→増額申請

初回から満額を狙うより、必要最低額で実績を積み、入出金・KPIの改善を示したうえで増額・長期化を交渉する方が合理的です。返済遅延ゼロ、在庫・売掛の回転改善、粗利率の回復などの事実を積み重ね、次回稟議での判断材料を計画的に蓄積しましょう。

月次パッケージ(BS/PL/CF/受注/在庫/入出金)の定期提出

月次で財務三表、受注残・解消、在庫回転、入出金実績をパッケージ化して共有すると、金融機関側の安心感が高まり、以降の審査がスムーズになります。KPIの未達要因・是正策・リードタイムを明記し、四半期ごとに「計画対比レビュー」を実施する運用が効果的です。

参考:中小企業庁:資金繰りの見える化

まとめ

ビジネスローンで審査落ちしてしまうのにはさまざまな理由がありますが、多くの場合、原因を正しく把握し、適切な対策をとることで通過できる可能性は確実に上がります。重要なのは、審査落ちの理由を冷静に分析し、具体的な改善策を一つずつ丁寧に実行することです。

財務状況の改善、経営者の信用情報の見直し、申込書類の質の向上など、自社が取り組めることから着実に進めていくことが大切です。また、一つの金融機関にこだわりすぎず、自社の状況に最適な資金調達方法を柔軟に検討するようにしましょう。資金調達はあくまで事業成長のための手段であり、それ自体が目的ではありません。常に長期的な視点を持ち、事業の将来的な安定性や収益性を意識して、継続可能な資金計画を立てることを念頭に置くようにしましょう。

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