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2025.11.20

通帳の偽造は絶対NG!バレた時に適用される罪、発覚する場面について紹介

ファクタリングなどを利用する際、より多くの資金を手に入れるために、通帳の偽造や改ざんを考えてしまう方がいるかもしれません。しかし、こうした行為は重大な犯罪行為であり、発覚した場合には厳しい法的制裁を受けることになります。通帳の偽造は、私文書偽造罪や詐欺罪に該当し、懲役刑が科される可能性があるのです。

経営危機や資金難といった状況下でも、安易に不正行為に手を出すことは、一時的な解決にはなっても長期的には取り返しのつかない結果を招きます。本記事では、通帳の偽造で問われる罪や具体的な罰則、社会的影響について詳しく解説します。

この記事の要約

  • 通帳の偽造は「私文書偽造罪」「詐欺罪」等の重罪となり実刑の可能性が高い
  • 銀行のシステム照合や税務調査で、偽造はほぼ100%発覚する
  • 発覚後は社会的信用を失い、事業継続が不可能になるリスクがある
  • 資金難の解決には、不正ではなく「無担保ビジネスローン」等の正規手段を選ぶべき

通帳の偽造とは

通帳の偽造とは、預金通帳を不正に作成したり改ざんしたりする行為を指します。資金調達や取引の信用を得るために行われることが多いですが、法律で明確に禁止されている犯罪行為です。

通帳の偽造と見なされる行為

通帳の偽造として扱われる行為には、代表的なケースとしていくつかが挙げられます。これらはすべて犯罪行為であり、法的に厳しく処罰される対象です。

一つは、架空の銀行取引を装うために通帳のデザインを模倣し、全く新しい偽造通帳を作成する手口です。これは完全な偽造であり、発覚した場合には最も重い処罰を受ける可能性があります。

また、実際の通帳に記載されている金額や日付、取引内容を改ざんし、預金残高が多く見えるようにする行為も偽造にあたります。特に、スキャナーやパソコンを使って電子的に改ざんする手法が増えてきています。

さらに、他人名義の通帳を不正に入手し、それを自分のものとして使用する行為も犯罪です。近年、本人確認が厳格化されたため、この手口は難しくなっていますが、依然として発生している事例もあります。

通帳の偽造に手を出してしまう理由

通帳の偽造が行われる背景には、様々な状況があります。経営状態が悪化し、資金繰りに窮した事業者が、一時的な資金調達の手段として不正行為に手を出してしまうことがあります。

融資を受けるために経営状態を良く見せたいという意図から、銀行残高を多く見せかけようと通帳を偽造するケースもあります。金融機関の審査を通過するために、見せかけの資金力を演出しようと行われることが多くみられます。

また、取引先や投資家に対して信用を得るために、会社の資金状況が健全であることを示す証拠として、偽造通帳を提示するケースもあります。こうした行為は、詐欺的な意図を持つものとして厳しく罰せられます。

通帳の偽造は、一時的な逃げ道に見えるかもしれませんが、発覚は時間の問題であり、その後の影響は計り知れないものとなります。

通帳の偽造で問われる法的罪

通帳の偽造行為は、複数の法律に違反する重大な犯罪です。どのような罪に問われるのか、具体的な刑罰内容について詳しく見ていきましょう。

私文書偽造罪と私文書変造罪

通帳の偽造で最も一般的に適用されるのが、私文書偽造罪です。刑法第159条に規定されており、他人の印章や署名を用いて通帳を偽造した場合、3ヶ月以上5年以下の懲役刑が科されます。

参照:刑法第159条(私文書偽造等) | e-Gov法令検索

偽造とは、真正な権限のない者が、権限があるかのように装って文書を作成することを指します。例えば、銀行の通帳のデザインを模倣して新たに作成したり、他人の名義で通帳を作成したりする行為がこれに該当します。

一方、すでに存在する本物の通帳の内容を改ざんした場合は、私文書変造罪が適用されます。刑法第160条に規定されており、こちらも3ヶ月以上5年以下の懲役刑となります。

例えば、実際の預金残高よりも多額の金額に書き換えたり、取引履歴を追加・削除したりする行為が変造に当たります。変造も偽造と同様に重大な犯罪とみなされ、同等の刑罰が科されます。

詐欺罪

通帳の偽造が単なる偽造にとどまらず、その偽造通帳を使って実際に金銭を騙し取った場合、詐欺罪が成立します。刑法第246条に規定されており、最長10年の懲役刑という重い処罰が科される可能性があります。

例えば、偽造通帳を使ってファクタリング会社から資金を調達したり、融資を受けたりする行為は、典型的な詐欺罪に該当します。詐欺罪の成立には、欺罔行為(だます行為)、相手の錯誤(勘違い)、交付行為(金銭等の引き渡し)、財産上の損害という4つの要素が必要です。

偽造通帳を使った詐欺の典型例としては、架空取引の請求書を作成し、それに対応する入金があったかのように通帳を偽造して見せる手口があります。また、他人名義の口座で取引実績があるように装い、その口座の資金力を根拠に、融資を受けるといった手口も見られます。

これらの行為によって実際に金銭を受け取った場合、被害額の大きさによっては実刑判決を受ける可能性が高くなります。特に、組織的に行われた場合や被害額が高額な場合は、刑が重くなる傾向があります。

未遂罪も処罰対象になる可能性がある

通帳の偽造や詐欺行為が実行途中で発覚し、実際には金銭を騙し取れなかった場合でも、未遂罪として処罰される可能性があることを認識しておく必要があります。

詐欺罪については、刑法第250条により未遂も処罰対象となっています。つまり、詐欺行為を実行したものの、何らかの理由で目的を達成できなかった場合でも、犯罪として立件される可能性があるのです。

例えば、偽造通帳を金融機関に提示して融資を申し込んだものの、審査の過程で偽造が発覚し、実際には融資が実行されなかったケースでも、詐欺未遂罪として逮捕・起訴されることがあります。

また、被害者となる予定だった人物や機関が、一時的に騙されて金銭を交付する意思を形成した段階で、詐欺罪の実行の着手があったとみなされることもあります。そのため、「バレる前にやめたから大丈夫」という考えは非常に危険です。

通帳の偽造が発覚する場面

通帳の偽造が発覚する場面は、さまざま考えられます。どのようなケースで偽造行為が明るみに出るのか解説します。

金融機関の内部チェック

金融機関では、通帳や取引に関する厳格な内部チェック体制を整えています。定期的な監査や照合作業によって、不自然な取引や記録の矛盾点が発見されることがあります。

銀行のシステムには、実際の取引データが記録されているため、通帳の記載内容と銀行のデータベースの情報に不一致があれば、すぐに発覚します。このようなチェックは、定期的に行われているため、偽造が長期間にわたって見過ごされることはほとんどありません。

また金融機関は、不正行為を検出するための専門的なシステムやノウハウを持っており、通常とは異なるパターンの取引や不自然な資金移動があれば、調査の対象となります。特に、高額な取引や頻繁な入出金があった場合は、より詳細な確認が行われる傾向があります。

さらに、近年では、AIやビッグデータ分析を活用した不正検知システムも導入されており、以前より高度な偽造行為でも発見されやすくなっています。

取引先や第三者からの指摘

偽造通帳を使った取引や資金調達は、取引先や関係者からの指摘によって発覚することも少なくありません。取引内容の不一致や不自然な点が指摘されることで、偽造行為が明るみに出るケースです。

例えば、ファクタリング取引において、偽造通帳で取引実績を装っていた場合、実際の債権者に確認が入ると真実が発覚します。また、融資審査の過程で、金融機関が取引先に直接確認を取ることもあり、そこで虚偽が明らかになることがあります。

取引の相手方が通帳の内容に関する確認を求めてきた際に、説明できない矛盾点があれば、それが発覚のきっかけとなります。一度疑いが生じると、さらに詳細な調査が行われ、偽造の全容が明らかになることが多くあります。

また、内部告発によって発覚するケースもあります。企業内部の従業員や関係者が、違法行為を知った場合に通報するケースは少なくありません。

税務調査や会計監査

企業が税務調査や会計監査を受ける際、帳簿と実際の資金移動の整合性が詳細に確認されるため、通帳の偽造が発覚するリスクが高まります。

税務署による税務調査では、預金通帳や会計帳簿、取引記録などが細かくチェックされます。通帳の記載内容と実際の入出金記録に不一致があれば、すぐに疑いの目が向けられます。

また、会社法に基づく会計監査では、公認会計士が企業の財務諸表の信頼性を検証します。この過程で、預金残高の確認や取引の実在性の検証が行われ、偽造通帳の使用が発覚することがあります。

特に上場企業や一定規模以上の企業では、厳格な監査が義務付けられており、偽造行為が長期間隠し通せる可能性は極めて低いといえます。さらに、金融機関に対して残高証明書の発行を求められた場合、偽造の事実はすぐに明らかになります。

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通帳の偽造発覚後の法的処分の流れ

通帳の偽造が発覚した場合、どのような法的手続きが進行し、どのような処分を受けることになるのかについて説明します。

偽造発覚から社会的制裁までの流れ

捜査から立件まで

通帳の偽造が発覚すると、まず警察による捜査が開始されます。通報を受けた警察は、証拠の収集と関係者への聴取を進めます。

金融機関や被害者からの通報・告発により、警察は捜査を開始します。捜査では、偽造された通帳の現物、関連する書類、デジタルデータなどが証拠として収集されます。また、犯行に使用されたパソコンやプリンターなども押収される可能性があります。

容疑が固まると、警察は容疑者の逮捕に踏み切ることがあります。逮捕後は、最大72時間の警察留置の後、検察に送致され、さらに最大20日間(延長含む)の勾留が認められる可能性があります。

検察は、警察から送られた証拠や取調べ結果を検討し、起訴するかどうかを判断します。証拠が十分で犯罪の成立が明らかな場合には起訴され、裁判へと進みます。証拠不十分や犯罪の軽微性などを理由に、不起訴処分となる可能性もあります。

裁判

起訴されると裁判が始まります。通帳の偽造事件の裁判では、行為の悪質性や被害の程度などが、量刑を左右する重要な要素となります。

裁判では、検察側が犯罪事実を立証し、弁護側が反論や情状酌量の余地を主張します。被告人には黙秘権があり、自己に不利益な供述を強制されることはありませんが、裁判所は提出された証拠や証言に基づいて事実認定を行います。

量刑を決定する際には、次のような点が考慮されます。

  • 偽造の規模と手口の巧妙さ
  • 被害総額の大きさ
  • 犯行期間の長さ
  • 組織的な犯行かどうか
  • 被告人の前科・前歴の有無
  • 反省の態度と被害弁償の状況

通帳の偽造と詐欺が複合的に行われた場合、より重い罪である詐欺罪を中心に量刑が決まることが多いでしょう。被害額が大きい場合や組織的犯行の場合は、実刑判決となる可能性が高まります。

有罪判決を受けた後

通帳の偽造で有罪判決を受けると、刑罰以外にも様々な社会的影響が生じます。前科が付くことで将来の職業選択にも大きな制限がかかることになります。

前科があると、特に、金融関連の業種や公的機関での就職が困難になります。また、会社経営者の場合、取引先からの信用を失い、事業継続が難しくなるケースも少なくありません。

さらに、通帳の偽造事件は、地域社会やメディアで取り上げられることも多く、社会的な評判が大きく損なわれます。特に地方の小さなコミュニティでは、その影響が長期間にわたって続くことがあります。

金融機関との取引も制限されることがあり、新たな口座開設や融資を受けることが難しくなる可能性があります。これは、個人の生活再建や事業再開において大きな障壁となります。

家族や親族にも影響が及ぶことがあり、特に子どもが学校や地域社会で心理的な負担を抱えるケースもあります。このように、通帳の偽造の罪は、刑罰以外にも様々な形で長期にわたって影響を及ぼすことを認識しておく必要があります。

資金繰り改善のための経営におけるポイント

通帳の偽造などの不正行為に頼らず、健全な経営で資金繰りを改善するためのポイントをご紹介します。

資金繰りが苦しい時こそ、冷静な判断が必要です。運転資金が不足する原因と対策については、以下の記事も参考にしてください。 ▶ 運転資金が増加してしまう原因と、増加運転資金の計算・対応方法

キャッシュフロー管理の徹底

資金繰りの改善には、まず現状を正確に把握することが不可欠です。日次での資金管理を徹底し、予測可能な経営を目指しましょう。

日々の入出金を記録し、週次・月次で資金繰り表を更新することで、資金ショートのリスクを早期に発見できます。特に、売上が立っても入金までにタイムラグがある業種では、この管理が非常に重要です。

また、将来の資金繰り予測を3ヶ月先、6ヶ月先、1年先まで作成しておくことで、資金不足が予想される時期に向けた対策を事前に講じることができます。季節変動のある業種では、繁忙期と閑散期の資金バランスを考慮した計画が必要です。

固定費の見直しも重要になります。事務所の賃料、人件費、保険料などの固定的な支出を定期的に見直し、不要なコストを削減することで、資金繰りの余裕を生み出すことができます。

取引条件の交渉

取引先との条件交渉は、資金繰り改善の大きな鍵となります。支払いと入金のバランスを最適化することを目指しましょう。

仕入先への支払いサイト(支払期間)の延長交渉は、短期的な資金繰り改善に効果的です。長期的な取引関係がある場合は、互いのビジネスを継続的に発展させるという観点から、率直に状況を説明して理解を求めることが大切です。

一方、顧客からの入金サイト短縮や前受金の導入も検討価値があります。特に、大型プロジェクトや長期にわたる取引では、マイルストーンごとの分割払いを提案するなど、資金回収の頻度を高める工夫が有効です。

また、リスクの高い取引先や支払いの遅延が常態化している顧客については、取引条件の見直しや与信管理の強化を検討すべきです。一時的な売上増加よりも、確実な資金回収を優先する姿勢が、長期的な経営安定につながります。

専門家への相談

資金繰りに行き詰まりを感じたら、早めに専門家に相談することが重要です。客観的な視点からの助言が、状況改善の糸口になることが多いでしょう。

中小企業診断士や税理士、公認会計士などの専門家は、財務分析や経営改善のノウハウを持っています。彼らのアドバイスを受けることで、自社では気づかなかった問題点や改善策が見えてくることがあります。

また、地域の商工会議所や中小企業支援センター、よろず支援拠点などの公的機関も、無料または低コストで相談に応じてくれます。これらの機関は、補助金や支援制度の情報も豊富に持っているため、資金調達の選択肢を広げる効果も期待できます。

専門家の支援を受けながら経営改善計画を策定し、計画的に実行していくことで、一時的な資金繰り対策だけでなく、企業体質の根本的な強化につなげることができます。この過程で金融機関との信頼関係も構築され、将来的な融資も受けやすくなるでしょう。

まとめ

通帳の偽造は、一時的な資金繰り対策に見えるかもしれませんが、私文書偽造罪や詐欺罪といった重大な犯罪に該当し、発覚した場合には懲役刑などの厳しい処罰を受けるリスクがあります。また、社会的信用の喪失や、前科がつくことによる将来への影響も計り知れません。

経営に行き詰まった際には、銀行融資や政府系金融機関の活用、正規のファクタリングサービス、公的助成金など、合法的な資金調達方法を検討しましょう。また、日頃からのキャッシュフロー管理の徹底や取引条件の見直し、専門家への相談なども有効な対策です。どんなに厳しい状況でも、不正行為に手を出さず、誠実な経営姿勢を貫くことが長期的な事業存続の鍵となります。

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筆者・監修者 三坂 大作(ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役)

筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役 三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
  • 1985年:東京大学法学部卒業
  • 1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 — 表参道支店:法人融資担当
  • 1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 — 非日系企業向けコーポレートファイナンス担当
  • 1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107813001112)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。
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