ヒューマントラスト株式会社

2025
07 / 02

情報リテラシーとは?激変するメディア環境への実践対応法-①

はじめに

私たちの生活は、パソコンやスマートフォンなどの情報通信技術(ICTスキル)を当たり前のように使う時代になりました。特に若年層のITリテラシーの高さには驚きます。

しかし、膨大な情報がインターネットを通じて飛び交う中で、本当に必要な情報だけを選び取り、役立てる方法に悩む人が増えています。

そこで、情報化時代の進化に合わせた情報戦略を理解し、ビジネスや日常生活にうまく活かすために大切なポイントを整理していきたいと思います。

ここでは、過去20年で急速に広がった情報通信技術、それによるメディア環境の変化、そして情報リテラシーを高める具体的な方法を中心に解説します。

情報をうまく使いこなすコツを身につけると、情報過多の中でも素早く的確な意思決定ができるようになります。

また、マーケティングなどの経営分野でも、データ駆動戦略やビッグデータ分析を活用し、競争優位を築く可能性が高まるでしょう。

さらに、この先も加速する情報技術のトレンドやデジタルトランスフォーメーションが、私たちの生活やビジネスにどう影響を与えるのかを探り、情報戦略の未来と、それに取り組む個人や企業の役割について考えていきます。ここまで読んで、「情報時代の流れを正確に掴みたい」と思った方は、ぜひ最後までお付き合いください。

 

情報化時代の進化とその影響

私たちはインターネットやSNSの普及を通じて、世界中の多様な情報を瞬時に手にできるようになりました。デジタルマーケティングやクラウドコンピューティングなどの情報技術の進化によって、個人から企業まで幅広く恩恵を受けています。

しかし、このような急激な進化の裏では、情報セキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性や、必要でない情報が増えすぎる「情報過多」の問題も同時に生まれています。

今の社会では、こうしたポジティブな面とリスクの両方を理解し、バランスを取る必要があります。

情報通信技術を上手に使うことで、経営戦略やマーケティング戦略を強化したり、個人レベルでも効率的にオンライン情報を取得したりできます。

逆に、対策が不十分だと、信頼できない情報に惑わされたり、サイバー攻撃の脅威にさらされたりする危険性が高まるでしょう。

そのため、正しく情報化時代の特徴を理解し、自分自身はもちろん、企業としての方針や取り組みも明確に持つことが重要です。

以下では、まず過去20年の情報化の進展と、情報技術が私たちの社会やビジネスにどんな影響を与えてきたのかを振り返ります。

今を知るために、まずはどのように時代が変わってきたのかを見ていきましょう。

過去20年の情報化の進展

この20年で大きく変わった点の一つが、通信速度とネットワーク環境の劇的な向上です。

昔はパソコンでインターネットに接続するだけでも時間がかかり、動画を快適に見ることも難しい時代でした。

しかし、今では動画配信サービスやSNSを当たり前のように楽しめるようになっています。

また、スマートフォンの普及は私たちの生活様式を一変させました。

いつでもどこでもオンライン情報取得が可能になり、場所を問わずコミュニケーションをとれることが当たり前になっています。

ICTスキルを活かしたリモートワークやオンラインサービスも活発化し、働き方や学習環境の選択肢が大きく広がりました。

さらに、クラウドコンピューティングの浸透やデータの大容量化が、企業のビジネスインテリジェンス活用を後押ししています。

さらに、ビッグデータ分析やAI情報処理を取り入れることで、企業が戦略的にデータ駆動戦略を展開できる環境が整いつつあります。

こうした動きは、経営情報システムの進化とも呼応し、意思決定の質とスピードを向上させています。

情報通信技術の進化とその影響

ICTスキルの一般化により、私たちは最先端のサービスやプラットフォームに手軽にアクセスできるようになりました。

たとえば、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進むことで、企業はオンライン上での顧客体験を拡充し、顧客サービスの多様化を図りながら、新たな収益源を開拓していく戦略をとっています。その反面、急速なシステム導入に伴う情報セキュリティの脆弱(ぜいじゃく)化も大きな課題です。

消費者側には、選択できるメディアが増えた分だけ情報に触れる機会が増えるため、情報リテラシーの向上が一層求められています。

正確な経営情報システムを運用するには、情報管理を徹底し、不要なデータを排除するクリアな方針が不可欠です。

企業規模を問わず、“情報化社会”に対応した柔軟な体制づくりが、変化の激しい市場競争を乗り切るカギになるでしょう。

こうした背景から、情報化時代に成功を収めるには、日常生活でもビジネスでも情報戦略の重要性を認識し、データやメディアについて正しい理解を深めていくことが必要です。

次の章では、メディアと情報取得方法がどのように変わってきたのかを、より具体的に見ていきます。

 

メディアと情報取得方法の変化

かつては新聞やテレビが情報の主な発信源でしたが、現在ではSNSや動画配信、オンライン記事といった多様なメディアが情報源になっています。

既存の新聞、テレビ、雑誌などの問題点が顕在化するのと並行して、SNSを中心とするオンラインメディアの普及が進んでいます。

まずは、既存メディアの抱える現代的問題と生き残り戦略を見てみます。

■ 新聞

課題 内容
発行部数の減少 読者の高齢化とネットニュースへの移行により、30年で部数が半減。
広告収入の減少 広告主がWebやSNSへシフト。新聞広告の価値が低下。
デジタル対応の遅れ 紙面中心の編集体制が残り、デジタル転換が不十分。
記事の画一性 読者層に配慮しすぎて、主張の明確さや多様性に欠ける傾向。

■ テレビ

課題 内容
視聴時間の減少 若年層のテレビ離れとYouTube・Netflixへの流出。
コンテンツの劣化 番組がスポンサー・視聴率重視で“軽薄化”し、信頼性低下。
ターゲット不明確 家族視聴を前提とした編成が現代の個別視聴スタイルに合わない。
地域制限 放送地域による制限(例:キー局 vs ローカル局)もデジタル時代に逆風。

■ 雑誌

課題 内容
売上の急落 書店・コンビニの減少、紙離れによる定期購読の激減。
SNSとの競合 専門性・速報性でYouTuber・インフルエンサーに負けるケース多数。
印刷・流通コストの重さ 紙媒体ゆえの物理的なコスト構造が経営を圧迫。

こうした既存メディアの今後の生き残り戦略として考えられるポイントを考えてみます。

  1. 「ブランドとしての信頼性」を強化
  • フェイクニュース氾濫の時代において、「正確・裏取りされた情報」の価値は高まる。
  • 独自取材や一次情報による**「報道機関としての信頼ブランド」**を武器に。
  1. サブスクリプション型収益モデルの確立
  • 広告依存から脱却し、読者から直接課金を得るモデルへ。
  • 例:日経電子版、有料メルマガ、会員制解説番組など。
  1. 動画・SNSを含むマルチメディア展開
  • YouTubeチャンネル、X(旧Twitter)、TikTokを活用して「広げて拾う」。
  • 例:NHK「クローズアップ現代」の切り抜き展開。
  1. 読者との「コミュニティ」化
  • 読者参加型の企画、双方向Q&A、オンラインイベント開催など。
  • “読者=共犯者”として囲い込む戦略。
  1. 国際展開・多言語対応
  • 国内市場が縮小する中で、日本発の報道ブランドをアジア・欧米に。
  • 例:The Japan Times の国際購読モデル。

 

情報を受け取る人にとっては選択肢が増えた一方で、どれを選んだらよいか混乱し、必要な情報にたどり着けないケースも見受けられます。

まさに情報アクセス方法が飛躍的に増えたことで、個人が主体的に取捨選択する能力を高める必要性が出てきたのです。

また、新たな情報機器やサービスが次々に登場することで、学ぶべきICTスキルも急激に増えています。

こうした現状を踏まえると、情報へのアクセスや取捨選択の方法に関しては、変わるべきなのは「媒体=メディア」よりも情報の需要者と供給者の「関係性」を重視する必要があると言われています。一方向から双方向・共創型へ、広告から購読・課金へ、独占・速報性よりも信頼性・分析力へ、マス(大衆)向けではなくコミュニティ型へ、といった変革が情報流通における潮流だと言えるのではないでしょうか?

こうした流れに乗って、ビジネスの現場では、情報共有ツールを活用してチーム間のコミュニケーションやデータの一元管理を効率化する試みが盛んです。ただ、このようなツールを使いこなす上でも、セキュリティ面や使い方のリテラシーを身につけることが求められます。こうした背景を踏まえると、自分に合った情報取得方法を模索し、適切なメディアを組み合わせて活用することが重要だといえます。

次に、メディア進化による現在の状況をより詳しく掘り下げたうえで、それに対応するオンライン情報取得の進化を具体的に見ていきましょう。

変化するメディア環境の概要

SNSやブログなど、個人が気軽に情報を発信できるメディアが台頭しています。つまり、誰でも個人レベルで情報発信者になれる時代になったと言えるのです。

その結果、多くの人が自分の興味や専門性を他者と共有する機会が増えましたが、情報の真偽を見極める作業も増えたといえます。専門家でなくても、発信した情報が世界中に拡散される可能性があるため、一人ひとりが責任ある行動を心がけることが求められます。

一方で、テレビや新聞などの既存メディアは、オンライン配信やSNSへの活用に力を入れ、複数のチャンネルで同時に情報発信を行うようになりました。

これにより、視聴者の行動データを分析しながら、よりターゲットを絞った情報提供が行われています。つまり、メディア進化によって情報流通の最適化が進み、多様化と細分化が同時に起きているのです。

こうした動きは、企業のマーケティング戦略にも影響しています。

メディアをうまく使い分け、より細かな層にアプローチすることで、ターゲットニーズに合った情報を届けることが可能になりました。

一方では、情報が氾濫してしまい、どれが正しいのか一見わかりづらい状況があるのも事実です。

 情報取得手段の進化

インターネット検索をはじめ、スマートフォンのアプリやSNSフィードといった情報取得手段は多岐にわたります。

リアルタイム性が高いSNSを使えば、即座にトレンド情報や最新ニュースを得られますが、そのスピード感ゆえに誤情報も早く広まってしまうリスクがあります。

だからこそ、情報リテラシーが重要になってくるのです。

また、AI情報処理技術の発展により、個人の好みに合わせて情報が自動的にレコメンドされるサービスが増えています。

これには便利な一方で、自分の好みだけが強調されてしまう「フィルターバブル」の問題も指摘されており、偏った判断を避けたい場合は、幅広いメディアや情報ソースに触れる姿勢が不可欠です。

さらに企業ではビジネスインテリジェンスやクラウドシステムを活用し、大量のデータを分析して経営判断に役立てています。

オンライン情報取得をもとに顧客動向を探ることで、より精度の高いマーケティング施策が立てられるようになりました。

しかし、そのためには目的に合ったデータの収集と、データを活かす仕組みづくりが欠かせません。

 

次回のブログでは、情報通信技術の進化発展に伴う、情報リテラシーの向上とそれに関わる各種施策について話しを続けていきたいと思います。

 

 

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監修者 三坂大作
筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
・1985年:東京大学法学部卒業
・1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
 表参道支店:法人融資担当
・1989年:同行 ニューヨーク支店勤務
 非日系企業向けコーポレートファイナンスを担当
・1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。