経営戦略の新しい視点!MMTで見直す財政運営とビジネスチャンス

MMTとは何か?
近年、経営コンサルタントの間でも注目を集める「MMT(現代貨幣理論)」は、政府の財政赤字を従来の常識とは違った角度で捉え、経済成長や雇用の最大化を目指す考え方として知られています。(MMTに詳しい内容については、経済ブログ「「日本の経済状況とMMTの適用可能性」を参考にしてください。」
簡単に表現すると、国が必要な分のお金を人々の暮らしや公共事業に回すことで、社会全体を活性化させようというアプローチです。一言で言うと積極財政に通じる理論です。従来は政府支出や財政赤字を極力少なくすることが良い(緊縮財政)とされてきましたが、MMTは「政府には通貨を発行する力があるため、運用を誤らなければ財政赤字を怖がる必要はない」という点を強調しています。
もちろん、この理論にはメリットもあれば不安の声もあります。大きな政府支出はインフレーション(物価上昇)につながりやすいとも言われますが、それを適切にコントロールできれば、経済政策として有効に機能するという考え方がMMTの特徴です。
参考にインフレの種類と実際の例示、その対策について一覧表にしました。
本記事は、基本的な理論や背景をまとめると同時に、MMTがもたらす経済効果や税制、社会保障をどう変えていくか、そして新しいビジネスをどう生み出せるかを探ろうとするものです。読み進めるなかで、MMT理論に対する批判や支持のポイントがどこにあるのか、また一般消費者の立場から見て何が大切なのかを具体的に紹介していきます。
MMTの基本理論とその起源
MMT(Modern Monetary Theory)は、政府が自国通貨を発行できるという性質に焦点を当てる点が最大の特徴です。
この考え方によれば、政府は硬貨や紙幣だけでなく、銀行を通じた電子的なお金の流れまでも管理できるため、ある程度の財政政策や金融政策を大胆に行うことが可能だとされています。
ただし、もし必要以上に通貨を発行したり無制限に政府支出を増やしたりすれば、それはインフレーションのリスクを高めます。つまり、簡単に言えば「お金の量が増えすぎるとお金の価値が下がる」ため、そのバランスをどのように取るかがこの理論の肝心な部分です。
以下では、MMTの歴史に触れながら、その背景にある経済学的な根拠を見ていきましょう。
MMTの理論的背景
MMTが理論的に基づくのは、ケインズ経済学に近いマクロ経済モデルの発想です。
具体的には、『政府が世の中にお金を供給し、国民がそのお金を税金の支払いに使う』という一連の流れが経済を回していると考えます。政府は課税を通じて資金の流れを調整し、過度なインフレーションを防ぐことを目指すわけです。
このように、MMTに基づくGDP拡大やMMTの浸透によるフル雇用などを目標に掲げる一方で、完全雇用を目指すための政府の追加支出がどの程度可能なのかということも研究対象に含まれます。
ここには、「財政赤字そのものを悪と捉えず、経済安定と雇用を優先する立場をとる」点が顕著です。
MMTの主要な提唱者と歴史的進化
MMTは主にアメリカの経済学者たちによって提起され、その後、さまざまな国の研究者により議論が深められてきました。
特に有名なのは、ステファニー・ケルトン氏などのMMT支持派が挙げられます。彼女はMMTに関する教育活動も行っており、書籍や講演を通じて理論を広く伝えています。さらに、アメリカの一部政治家が積極的にMMTを推進する動きも見られ、政策提案と連動することも増えました。特に、2008年のリーマンショックや2020年以降のコロナパンデミックの時期は、MMTをベースとする財政支出の拡大による国家経済の底支えが強烈に主張されました。
一方で、MMT 批判の声も小さくありません。伝統的な経済理論の専門家からは、「いずれ財政赤字拡大が行き過ぎ、激しいインフレーションにつながる」といった懸念が示されることがあります。
それでも近年、MMTの研究は世界中で急速に進展し、新しいモデルやシミュレーションをベースにした分析が積み重ねられている最中です。
MMTが現代経済に与える影響
MMTという経済理論は、従来の「財政赤字=悪いもの」という固定観念を揺るがすため、大きなインパクトを持っています。
特に、好景気と不景気の波が激しい現代において、政府支出を拡大して景気を下支えするアプローチは、多くの国で耳目を集めています。それが成功すれば、企業活動の活性化や雇用拡大といったプラスの効果が期待されますが、逆にインフレが急激に進むリスクも捨てきれません。
また、企業にとっては、お金の循環が大きくなることでビジネスチャンスが増える可能性があります。新しい需要を取り込みやすくなるので、特定のサービスや商品の開発を後押しする動きとも連動しやすいわけです。
日本においては現在の物価高状況の中で、MMTによる積極財政と減税が選挙の争点化しています。過去30年の日本の経済状況は、ゼロ金利低金利、マネーサプライの増加という金融緩和策を採ってきたのですが、実質賃金の低下、円安や海外紛争を原因とする物価高、食糧政策の問題点の顕在化などでGDPの成長が低水準にとどまってきました。一方で、失業率は低位で安定推移したり、企業収益は拡大、税収も過去最高を更新と大変歪んだ経済状況だったと感じています。特に2度にわたる消費増税は、リーマンショックやコロナパンデミックに匹敵するGDP下落をもたらし、日本だけ30年の間に、4回の恐慌的経済崩壊のリスクがあったとする経済専門家もいます。財務省、金融庁、日本銀行を中心とする発表をベースに以下に一覧表にまとめました。
イベント名 | 発生時期 | 実質GDP成長率(前期比年率換算) | 主な金融政策対応 |
リーマンショック | 2008年9月 | -12.4%
(2008年Q4) |
■政策金利を0.1%へ引き下げ(ゼロ金利政策)
■CP・社債買い入れ、資産買い入れ開始 |
第1回消費増税(5→8%) | 2014年4月 | -7.1%
(2014年Q2) |
■異次元の金融緩和(量的質的金融緩和)を継続■マネタリーベース年間60〜70兆円増加方針 |
第2回消費増税延期 | 本来2015年10月→延期 | +1.5%
(2015年Q1) |
■マイナス金利導入の準備段階
■消費低迷を受け、緩和姿勢を維持 |
第3回消費増税(8→10%) | 2019年10月 | -7.9%
(2019年Q4) |
■ETF・REIT買い入れ強化
■長短金利操作(YCC)で超低金利維持 |
コロナ禍 | 2020年1月以降 | -26.3%
(2020年Q2) |
■コロナ対応緊急資金供給オペ
■特別オペ(無担保資金供給) ■国債買い入れ増額、企業支援策拡充 |
- リーマンショック後(2008年Q4):日本は世界的な需要減退と輸出低迷で大打撃を受け、実質GDPは年率換算で-12.4%の大幅減少となりました。日銀は政策金利を0.1%に引き下げ、CP・社債の買い入れなどの資産買い入れを開始しました。
- 第1回消費増税(2014年Q2):消費税率の引き上げにより、駆け込み需要の反動でGDP成長が急減速し、年率換算で-7.1%の減少となりました。日銀は異次元の金融緩和を継続し、マネタリーベースの増加方針を維持しました。
- 第2回消費増税延期(2015年Q1):消費増税の延期が決定され、GDPは年率換算で+1.5%の成長を記録しました。日銀はマイナス金利導入の準備段階に入り、消費低迷を受けて緩和姿勢を維持しました。
- 第3回消費増税(2019年Q4):消費税率の再引き上げにより、GDPは年率換算で-7.9%の減少となりました。日銀はETF・REITの買い入れを強化し、長短金利操作(YCC)で超低金利を維持しました。
- コロナ禍(2020年Q2):新型コロナウイルスの影響で、GDPは年率換算で-26.3%の歴史的な経済収縮を記録しました。日銀はコロナ対応緊急資金供給オペや特別オペ(無担保資金供給)を実施し、国債買い入れ増額や企業支援策を拡充しました。
ここでは、特に経済成長とインフレーション、雇用と所得分配に注目して、MMTの影響を整理します。
経済成長とインフレーションへの影響
MMTによる経済成長のポイントは、政府が必要と判断する分だけ積極的に政府支出を行い、それによって需要を喚起しようとする点にあります。
たとえば、大規模な公共インフラ投資や教育、医療などへの支出を増やすことで民間の仕事量が増加し、結果として雇用の拡大が期待できます。また、働く人が増えれば個人の所得が増す可能性が高まり、消費が活性化するため、さらなる経済成長を生むことができると考えられています。
一方で、MMT的な財政金融政策によるインフレーションリスクは常に議論の的です。マネーサプライの増加によって物価が極端に上がり続けると、企業活動にも、コストアップによる収益圧迫などで経営状況の不確実性が増し、実質的な購買力が下がって景気を冷やす恐れがあります。(コストアップ型インフレの悪循環)
したがって、いかに適切なタイミングで政府支出を行い、インフレ懸念が生じてきたら課税や他の金融政策で調整するかがカギとなります。
雇用と所得分配に対する効果
MMTのフル雇用を重視する背景には、約束された仕事の場を提供することで、人々が安定的な所得を得られるという考えが根付いています。
具体例として、公共事業の拡大や新規ビジネスを支援する政策を政府が主体的に打ち出すと、企業サイドには人材を積極的に雇用できる環境が生まれます。その結果として失業率が下がり、所得分配も改善する可能性があるとされます。
また、マクロ経済の視点で見ると、雇用が増えれば個人の可処分所得がアップしやすく、消費行動が活発になります。これは経済の好循環につながると分析されています。
ただし、こうした政策を長期で持続するには、財源の確保とインフレ(デマンドプル型インフレ)のコントロールが欠かせません。そのため、単にお金を増やすだけではなく、税制や社会保障との連携が重要になってきます。
MMTと政策実装:税制と社会保障
MMTの論理的アプローチでは、税金は単なる財源ではなく、世の中に出回るお金の総量を調整する重要な仕組みとして位置づけられます。
これまで多くの国では「税金=財政赤字を埋めるためのもの」と捉えられてきましたが、MMTはむしろ、インフレを抑えるために税金で通貨量(マネーサプライ)を調整するという考え方を打ち出しています。
また、社会保障についても、大きな視点の転換が提案されています。公的な年金や医療費の負担をどう扱うかは、高齢化社会に突入している先進国で特に重要な共通テーマです。
以下では、税政策の変革と、社会保障システムの連携や改善がどのように検討されるべきかを具体的に見ていきます。
MMTによる税政策の変革
MMTによる税制の考え方では、税金を国が必要な収入源とみなさず、物価や需要を調整するツールとして捉えます。(市中のマネーサプライを調整する機能)
そのため、景気が過熱してインフレ(デマンドプル型インフレ)が進み過ぎると感じた時には増税を検討し、逆に景気後退やデフレが心配な局面では減税や補助金を積極的に行って経済活動を活発化させるという手法をとります。
実際の運用例を挙げると、一時的な消費税の引き下げや、法人税における優遇措置などがあります。これらを組み合わせることで、企業や個人が動きやすい環境を整備し、経済全体のバランスを保とうとするわけです。
このように税制そのものを「メリハリをつけて使う」という点は、各国の政権や議会で議論されはじめていますが、まだ本格的に導入している国は多くありません。
社会保障システムへの影響と提案
MMTによる社会保障の視点からは、政府支出を増やしやすいという特徴を生かし、高齢者介護や子育て支援といった福祉分野に十分なお金を回すことで、国民生活の基盤を安定させる施策が可能だと考えられます。
たとえば、公的医療保険の拡充や介護施設の充実などを国家プロジェクト的に進めれば、国民の健康と生活の向上だけでなく、新しい雇用をも生み出せます。こうした政策は、より多くの人を労働市場に参加させるうえでも効果的です。
一方で、こうした大規模な財政支出を続けると、いずれMMTのデメリットとして挙げられるように、インフレや国債の信用リスクへの懸念が高まる可能性があります。
それでも、政府支出をどう最適化し、税金をどのタイミングでどの程度徴収・還元するのかを柔軟に調整すれば、社会保障制度をより充実させつつ、経済の活力も保持できるとする見解が台頭しているのが現状です。
この局面が、まさに今の日本の現状だと言えます。コストプッシュ型インフレによる物価高と増税の拡大による実質可処分所得の減少という厳しい状況は、政府による経済状況の実態把握と減税を含む積極財政政策の考え方を議論するべきだと考えます。確かに、インフレだから減税すればインフレが助長されるという理屈もあり得ますが、それは、デマンドプル型インフレ(需要が供給を上回っているときの物価高)には当てはまりますが、コストプッシュ型インフレ(原価の高騰による物価高)状況では通らないと思います。
MMTから生まれる新しいビジネスの可能性
MMTを活用したビジネスの視点で重要なのは、「政府支出の拡大局面をうまくとらえ、企業がどのように新しいサービスや製品を提供できるか」という点です。
世の中にお金が循環しやすくなると、需要増に対応した商品開発や人材拡充が進みやすくなります。特に、持続可能なエネルギーや医療、ITインフラといった将来性の高い分野でビジネスを展開する企業は、政府のバックアップを受けやすくなる可能性が高いです。
また、MMTに基づく政策提案では、人々の生活を直接豊かにする取り組みを優先する考え方が支持されるため、社会的な課題解決型ビジネスに大きな注目が集まると思います。
ここでは、持続可能なビジネスモデル開発や、イノベーション・市場創出につながる具体例について解説していきます。
持続可能なビジネスモデルの開発
MMT経済モデルを応用して、環境保護や社会課題の解決といった公共性の高いプロジェクトに資金を投じれば、それ自体が新たな市場を生み出すことにつながります。
たとえば、再生可能エネルギー関連のスタートアップは、国の補助金や優先的な融資を通じて研究開発や設備投資しやすくなり、長期的な視点で収益を見込める可能性があります。こうした企業が多数集まると、イノベーションの加速や産業構造の変革を引き起こし、結果として社会全体や一般消費者にも経済的な利益が及ぶでしょう。
これに加え、政府が主導するインフラ整備と産学連携などを組み合わせ、より大きなプロジェクトを推進するケースも考えられます。たとえば、地域を活性化させる観光開発や、都市部での公共交通の改善などが挙げられます。トヨタの実施するウーブンシティは、注目浴びる一大プロジェクトです。
このように、MMTを背景とした政策の後ろ盾があると、企業は長期視点で投資しやすくなるので、事業リスクを取りやすい環境が整うと見られています。
イノベーションと市場創出のチャンス
MMTのアプローチでは、需要が生まれやすい社会的課題への支出拡大が促進されるため、起業家や企業にとっては新しい試みを実現する機会が増えます。
たとえば、高齢者向けの介護ロボット開発や、地方の産業を活性化させるデジタルツールの提供などは、MMTの政策的後押しを受けながら市場を拡大できる可能性があります。特に、MMTに基づく経済予測を活用すれば、将来の財政支出の方向性を一定程度読むことができるため、経営コンサルタントとしてはクライアント企業の投資判断をサポートしやすくなるでしょう。ヒューマントラストでもトヨタのウーブンシティの動向に着目したり、オープンイノベーションの応募事業の内容を検証したりすることで、中小企業の新しい事業開発に向けたアドバイスの準備を進めています。
さらに、MMTマクロ経済の下で政府と民間が協同し、市場を創出する動きが広がれば、従来の経済理論ではあまり考慮されなかった公共公益分野にも多彩なビジネスが生まれるかもしれません。
結果として、社会的課題の解決と利益創出を両立するビジネスモデルが増え、持続可能な成長を目指す企業にとって有利な状況が生まれていくと期待されています。
MMTと一般消費者:経済理解の深化
これまで、専門家や政治家が主導してきた経済政策は、一般消費者にとってはやや難解に映ることが多かったかもしれません。
しかし、MMTにおける消費者の視点からは、「政府の支出がどう自分の生活に関わっているのか」を考えるきっかけになります。税金や物価の動きをより身近に感じることで、自らの消費行動と社会全体とのつながりを理解しやすくなります。
一方で、もしインフレが急激に進むと、日用品やサービスの価格が上がり、家計が圧迫される恐れもあるため、こうした情報を事前に知ることは重要でしょう。
一般消費者の行動や経済教育がどのように変化するか、そして消費者が賢い意思決定をするためにどんな情報提供が求められるかを整理します。
消費者行動への影響
消費者が意識するポイントとして、まず「政府支出の拡大局面では手元のお金が増えやすい」ということが挙げられます。
社会保障や公共事業に資金が回ると、地域単位での仕事が増えるだけでなく、関連するサービス業や小売業も恩恵を受ける可能性が高まります。その結果、消費者の財布のひもがゆるみやすくなり、新製品やサービスへの関心も高まるでしょう。
もちろん、このタイミングでインフレが足元をすくう心配する声はあります。もし物価が急上昇しはじめる兆しがあったときは、消費者に対して早めに情報を伝えることで、過剰な投資や過度な借金を避ける対策が促されます。
要するに、MMTの考え方では一般消費者であっても「金融リテラシー」がより重要となり、正しい経済情報に触れておくことが大切になります。
消費者向けの経済教育と情報提供
MMTの教育は、一般消費者が自分の将来設計を考えるうえで役立つ要素が多いとされています。
たとえば学校教育で、政府支出や貨幣発行の仕組みを簡単に学ぶ機会を設ければ、大人になったときに適切な消費や貯蓄、投資の判断がしやすくなるでしょう。これは家計管理だけでなく、将来のライフプランにも直結します。
また、行政機関やメディアがわかりやすい情報提供に努めることも重要です。具体的には、公共事業の費用対効果や、MMTのアプローチを実施した場合のメリット・デメリットなどを丁寧に説明する取り組みが考えられます。
こうした経済リテラシーを個々人が身につけることで、消費者は企業の製品・サービスを選ぶ際により合理的な判断ができるようになりますし、社会全体が経済の変化に柔軟に対応しやすくなっていくでしょう。
まとめ:MMT理論の理解が開く新しい扉
MMTの理論は、財政赤字や政府支出をめぐる常識を覆しながら、経済政策に新しい発想をもたらしてくれます。従来は「お金が足りないから支出を抑えなければならない」という考え方が一般的でしたが、MMTのマクロ経済視点には「通貨を発行できる政府こそが経済をデザインできる」という希望が含まれています。その為には、緊縮財政論のみの財務省的財政運営は、経済状況を無視し経済成長を阻害するリスクがあると言えます。既述の一覧表のように過去30年のGDP推移を見れば、プライマリーバランスや国債発行残高を過度に重視する財務省型財政設計は、柔軟性に欠けているという意見は実証されていると思います。
もちろん、MMTに対する批判が示すように、インフレーションや国債の信用問題など、無視できないリスクも存在します。しかし、政府と個人、企業が連携しながら適切にコントロールすることで、雇用の安定や新しい市場創出、そして社会保障の拡充に大きく貢献できる可能性があるでしょう。
私のような銀行出身の経営コンサルタントの視点で言えば、MMTを正しく理解し、ビジネスモデルの構築やクライアント企業への提案に応用することで、より持続可能な戦略を打ち出すことができます。特に公共性が高く、インフレ管理と両立するプロジェクトに力を注げば、地域経済や産業全体にプラスの影響を与え、ひいてはSEG経営の実現にも寄与しうるでしょう。
今後の世界では、経済理論と社会政策を総合的に考慮し、柔軟な発想で新しいチャンスを捉えることがますます重要になります。そんな時代を迎えるにあたって、MMT理論への理解は、まさに新しい扉を開く鍵となっていくのです。
中小企業レベルこそ、経済状況や財政政策の影響を真っ先に受ける状況にあります。ヒューマントラストでは、マクロ経済状況や政府施策が個別具体的な経営戦略にどのような影響を与え、どのように対応するべきかなどの視点を加味した事業計画の策定を支援していこうと考えています。業界ごと、個別企業ごとの状況を把握しながら伴走するアドバイスを積極的に提供していきたいと思います。