公開日:2026.10.23
更新日:2026.10.23
車を持たない社会は来るのか|自動運転が中小企業の経営に与える影響

東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。
さらにニューヨーク支店にて国際金融業務も経験し、法務と金融の双方に通じたスペシャリストとして、30年以上にわたり中小企業・個人事業主の“実行型支援”を展開。貸金業務取扱主任者。
東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。
さらにニューヨーク支店にて国際金融業務も経験し、法務と金融の双方に通じたスペシャリストとして、30年以上にわたり中小企業・個人事業主の“実行型支援”を展開。貸金業務取扱主任者。
車を持たない社会が、すべての地域や業務で一斉に訪れるとは考えにくいでしょう。ただ、自動運転や移動サービスの普及によって、「車は所有するもの」という前提が変わる可能性はあります。
運転免許を取り、自分の車を持つことは、長く自立や行動の自由の象徴でした。企業にとっても、営業車や配送車、従業員の通勤に使う車は、事業を動かすうえで当たり前の存在です。
中小企業の経営者にとって重要なのは、車を持たない社会が何年後に実現するかを予測することではありません。
自社の車がどの仕事を支え、どれだけの資金と時間を使っているのか。顧客や従業員の移動が変わったとき、売上、採用、設備投資、返済原資にどのような影響が出るのか。
まず現在の数字を確かめ、そのうえで事業への影響を見積もることが、経営判断の出発点です。
▼ この記事で分かること
- 将来の見通し車を持たない社会はどこまで進み、都市と地方で何が異なるのか
- 所有の判断社用車の保有と外部サービスの利用を、どの基準で比較すべきか
- 経営への影響自動運転が商圏、採用、自動車関連企業の取引条件に与える影響
- 資金繰り・投資車両費や設備投資を、3〜6か月先の資金繰りと返済原資からどう判断するか
車の非効率性は、燃料代だけでは測れない
結論:車両の保有コストは、購入費や燃料代だけではありません。待機させておく価値と、使わない間の負担を分けて考えることが重要です。
車には、保険、税金、車検、修理、駐車場、管理事務など、走っていない時間にも発生する費用があります。購入資金を車両に固定すれば、その分を仕入れ、採用、営業活動に振り向ける余地も小さくなります。
さらに見落とされやすいのが、人が運転する時間です。営業担当者の長時間の移動が、すべて商談や受注に結びつくとは限りません。渋滞、訪問先での待機、駐車場探しも、事業の時間を消費しています。
– 2台を待機させている会社 –
社用車を5台持ちながら、通常は同時に3台しか使わず、残り2台を繁忙期や緊急対応のために待機させている会社があるとします。
このとき問うべきは「2台は無駄か」ではなく、「2台を保有する費用と、必要なときだけ借りる費用のどちらが事業を安定させるか」です。
一方で、建設現場へ資材を運ぶ車、工具を積んだ修理車、温度管理が必要な配送車などは、一般的な配車サービスでは簡単に代替できません。稼働時間が短くても、受注や緊急対応を維持するために欠かせない車もあります。
したがって、稼働率の低さだけで売却を決めるべきではありません。見直しの第一歩は、車両ごとに次の4点を整理することです。
- 利用頻度
- 代替可能性
- 代替時の待ち時間
- 車がない場合に失う仕事
車両の保有と外部サービスの利用を比較する際は、年間の支出額だけでなく、運転・管理に使う時間、代替手段の待ち時間、車が使えない場合に失う受注まで、同じ業務量を前提に整理する必要があります。
自動運転の普及は、都市と地方・業務用途で異なる
結論:自動運転の実用化と車の非所有化は同じではありません。地域の交通事情と業務内容を分けて、代替できるかどうかを判断します。
自動運転が普及すれば、車を所有する必要性そのものが変わるかもしれません。実際、移動サービス企業の経営幹部からは、大胆な将来予測も示されています。
Uber(ウーバー)の社長兼COO、アンドリュー・マクドナルド氏は、2026年8月17日配信のポッドキャスト「20VC」で、15〜20年後には自家用車や運転免許を持たず、公共交通、自転車、スクーター、自動運転車などを組み合わせて移動する未来を予測しました。
ただし、これは移動サービスを展開する企業の経営幹部による将来予測です。日本の都市部と地方で同じ速度で実現すると決まったわけでも、運転免許が制度上不要になると確定したわけでもありません。
人口が集まり、公共交通が整い、配車需要の多い都市部では、車を所有せずに移動できる仕組みを整えやすいでしょう。一方、訪問先が分散し、早朝・深夜の移動が多い地域では、必要な時間に必要な車を確保すること自体が課題になります。
日本では2023年5月21日、福井県永平寺町で、一定の走行条件のもと運転者を配置しないレベル4の自動運転移動サービスが始まりました。ただし町の公式案内では、車両・システムの保証と保守の期間が満了したため、2026年4月1日から当面運休すると案内されています。
ここに、経営者が見るべき論点があります。技術的に走行できることと、保守体制を継続的に確保できることは別の問題です。自動運転を採用する場合も、次の点まで確認しなければなりません。
- 走行可能な区域・時間・天候
- 整備、保険、運行管理
- 更新費用
- 停止時の代替手段
今後は、車を持つべき仕事、共同利用に向く仕事、公共交通と組み合わせられる仕事が、さらに分かれていく可能性があります。必要なのは「所有か非所有か」の二択ではなく、業務ごとに最適な組み合わせをつくることです。
車の使い方によって、判断基準は変わる
| 運用方法 | 想定しやすい業務 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 自社保有を続ける | 資材・工具・特殊設備を運ぶ仕事、緊急出動 | 車がない場合に失う受注、待機の必要性 |
| レンタル・共同利用を検討する | 繁忙時だけ増車する仕事、利用日時を調整できる業務 | 予約の確実性、受取・返却時間、総費用 |
| 配車・公共交通などを組み合わせる | 荷物の少ない訪問、通勤・来店など人の移動 | 時間帯、待ち時間、運休時の代替手段 |
※上記は判断の整理例です。実際の選択は、地域、車両仕様、契約条件、法令上の要件等によって異なります。
判断の分かれ目は、車の稼働率だけではありません。急な出動が必要な業務では、稼働率が低くても自社保有に合理性があります。一方、訪問日時を調整できる業務では、レンタルや共同利用を検討する余地があります。
車両を一律に減らすのではなく、業務ごとに費用と対応力を比較することが重要です。
自動運転が普及しても、移動費はゼロにならない
結論:自動運転で運転業務の負担が減っても、運行・整備・待機の費用は残ります。料金だけでなく、業務の確実性まで含めて比較します。
車両の調達、整備、保険、清掃、充電・給油、運行管理、トラブル対応には、引き続き費用がかかります。利用者を迎えに行く空車走行や、需要の少ない場所から車を戻す時間も必要です。
国際交通フォーラム(ITF)は、ポルトガル・リスボンを対象としたシミュレーションで、共有型の移動サービスが交通や環境に与える影響を分析しています。これは実際の導入結果ではなく、車両の運用方法や公共交通との組み合わせなど、設定条件を踏まえて読む必要があります。
企業が比較すべきなのも、広告に表示された1回あたりの乗車料金だけではありません。次の項目まで含めた総負担です。
乗車料金以外に比較する項目
- 繁忙時間帯の価格
- 予約の取りやすさ、待ち時間
- キャンセル条件
- 荷物の扱い
- 運休時の代替手段
車両を減らして固定費が下がっても、配車待ちで営業訪問が減ったり、納品が遅れたりすれば、利益は改善しないかもしれません。費用削減の効果は、実際の業務成果とあわせて確かめる必要があります。
車を持たない社会で、店舗の商圏はどう変わるか
結論:移動の選択肢が増えれば来店機会は広がりますが、遠方の競合店へ顧客が流れることもあり得ます。商圏は来店の実態から検証します。
郊外型の店舗では、広い駐車場と幹線道路からの入りやすさが集客を支えてきました。送迎や配車、公共交通との接続が充実すれば、自分で運転できない人も来店しやすくなる可能性があります。
飲食店では、帰宅手段が確保されることで来店方法の選択肢が増えるかもしれません。医療・介護、理美容、小売などでも、移動の負担が減れば利用機会が広がる場合があります。
反対に、これまで近隣の店しか利用できなかった顧客が、遠方の競合店へ向かいやすくなる可能性もあります。「交通が便利になれば売上が増える」と一方向に考えるのは危険です。
まず調べたいこと
- 顧客がどこから、どの交通手段で来ているか
- 車、徒歩、自転車、家族の送迎で、来店頻度や客単価に違いはあるか
- 駐車場不足で来店を諦めた顧客や、車を使えないために利用できずにいる顧客はいないか
駐車場の一部を乗降スペースに変える、送迎を試験的に導入するといった判断は、こうした数字を確認してからでも遅くありません。
通勤・営業の移動手段は、採用と生産性にも影響する
結論:移動手段の選択は、車両費だけの問題ではありません。通勤条件や営業の移動時間を見直すことは、採用と生産性にも影響します。
車通勤が事実上の条件になっている事業所では、免許や自家用車を持たない人が応募しにくくなります。共同送迎や地域交通を利用できれば、採用の対象が広がるかもしれません。
- 始業時:勤務開始時刻に間に合うか
- 終業時:残業や夜勤後も帰宅できるか
- 運休時:代替の移動手段を確保できるか
重要なのは、交通手段が「あるか」ではなく、実際の勤務時間に「対応できるか」です。
営業担当者が運転から解放されれば、移動中の時間を資料確認や顧客対応に使える場合があります。ただし、車内の通信環境や機密情報の扱いなどの制約があり、その時間をすべて生産的な業務に充てられるとは限りません。
投資効果を見るなら、採用人数だけでなく、次の数字まで確認します。
- 定着率
- 遅刻・欠勤
- 訪問件数
- 1件あたりの移動時間
- 移動後の受注率
移動手段の見直しによる効果を、こうした指標で確認できれば、経営改善や投資判断の根拠として説明しやすくなります。
自動車関連企業は、顧客と入金条件の変化を見る
結論:車の保有主体が変われば、整備や洗車の需要だけでなく、顧客集中度、請求方法、回収期間まで変わる可能性があります。
個人客からその都度代金を受け取る商売が、少数の法人顧客への継続請求に変わるかもしれません。仕事量が増えても、単価交渉が厳しくなったり、請求から入金までの期間が延びたりすることがあります。
– 車両運行事業者と契約した場合 –
洗車会社が車両運行事業者と契約し、月々の作業量が安定したとします。しかし、人員増強と設備購入を先に行い、代金の回収が翌月以降になるなら、売上が増えるほど先行して運転資金が必要になる場合があります。
また、特定の一社に売上が集中すれば、契約終了時の影響も大きくなります。専用設備を導入した場合は、他社の仕事に転用できるかどうかも重要です。
確認すべきなのは、受注金額だけではありません。次の項目まで整理します。
| 確認の観点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 発注・契約 | 最低発注量、契約期間、解約条件 |
| 請求・支払 | 検収方法、支払期日 |
| 費用負担 | 設備費の負担 |
| 相手先 | 契約相手の信用力、実際の入金履歴 |
取引先の知名度だけでは判断できません。請求の根拠、検収の成立、減額・相殺の条件、回収実績を確かめる必要があります。
自動運転の周辺業務は、中小企業の事業機会になるか
結論:清掃・整備・充電・拠点運営にも参入の余地はあります。ただし、設備投資より先に、受注条件と回収の見込みを確かめます。
車が高い頻度で利用されるようになれば、車内清掃、点検、修理、充電、回送、車両基地の管理など、運行を支える仕事が必要になります。
Uberは2026年8月13日、2026年後半の開始を目指す東京での自動運転車の試験運行について、日の丸交通との運営上の提携を発表しました。公表された役割には、車両基地の管理、清掃、整備、点検、充電、稼働管理が含まれます。
初期段階では安全確認を担う運転者が乗車する計画であり、無人での営業開始が確定したという発表ではありません。
この事例は、車両を走らせる技術だけでなく、運行を支える現場業務にも価値があることを示しています。
整備会社が停止時間を短くする保守を提案する、清掃会社が短時間の車内清掃を受託する、土地を持つ企業が運行拠点への転用可能性を調べる、といった参入の仕方が考えられます。
しかし、需要を見込んで専用設備を先に買い、後から取引先を探すという順番には慎重であるべきです。重要なのは、次の順番で進めることです。
- 01発注見込みと契約条件を確認する
- 02小規模な受託で、必要な品質と費用を把握する
- 03採算が確かめられた範囲で投資を増やす

将来への期待だけで投資を先行させず、資金繰りと出口まで確認して判断することが重要です。
車両費の見直しは、利益と現金を分けて考える
結論:車両を減らしたときの現金支出の削減と、会計上の利益改善は別物です。売却代金、残債、解約費用を分けて確認します。
車を売れば売却代金が入る一方で、車両購入に伴う借入の残債を返済しなければならない場合があります。リース車両なら、中途解約時の精算条件が問題になります。代替交通費が増えれば、売却後の継続的な支出も変わります。
例えば、移動業務量と売上が変わらないと仮定し、車両売却代金や借入残債の返済、切り替え費用を含めずに年間の現金支出を比較すると、次のようになります。
| 車両関連の現金支出 | 300万円 |
|---|---|
| 代替サービスへの現金支出 | 180万円 |
| 単純差額 | 年間120万円(月平均10万円) |
– 最終的な改善額は分けて考える –
これは現金支出を比較した一例です。実際の改善額を判断するには、車両売却損益、減価償却費、借入元本の返済、切り替え費用、稼働や売上への影響を分けて確認する必要があります。
売却代金は一度限りの入金です。継続的な返済原資として考えるべきなのは、その後も続く支出の削減と、本業から残る現金です。
だからこそ、車両の見直しは3〜6か月先の資金繰り表に落とし込みます。次の項目を月別に並べ、最も資金が不足しやすい時期を確認します。
- 売却代金
- 借入返済
- 解約費用
- 代替交通費
- 売掛金の回収予定
年間で見れば得になる計画でも、切り替え直後に現金が不足すれば実行できません。
自動運転関連の投資と資金調達は、返済原資から考える
結論:設備資金と運転資金を分け、契約・検収・入金の時期から返済原資を見積もります。市場への期待だけで借入額を決めてはいけません。
長く使う設備の購入資金、人員を増やしてから代金を回収するまでの運転資金、既存事業の赤字を補う資金とでは、資金の性質が異なります。設備の回収期間と借入の返済期間が合っていなければ、事業が軌道に乗る前に資金の期限が来るおそれがあります。
金融機関への説明でも、「自動運転は成長分野だ」という言葉だけでは足りません。次の流れを数字で示す必要があります。
金融機関に数字で示すこと
- 誰が、何を、どの条件で発注するのか
- いつ検収され、いつ入金されるのか
- 必要な設備費や人件費を支払った後、借入返済に充てられる現金がどれだけ残るのか
売上予測が大きくても、入金より先に支出が続けば、資金不足は起こり得ます。こうした判断を支えるのは、受注契約や見積書、月次試算表、顧客別売上、入金予定表、既存借入の返済予定などの資料です。
専用設備を導入する場合には、他の業務へ転用できるかも確認します。過去の決算だけでなく、直近の数字と資料同士の整合性が重要になります。
補助金を検討する場合も、制度の目的や対象経費だけでなく、申請から入金までの流れを確認する必要があります。
一般的な精算払いでは、採択後に交付申請・交付決定を経て、契約・発注、事業実施、実績報告、確定検査・補助金額の確定、精算払請求、入金へと進みます。ただし、実際の手順や要件は制度・募集回によって異なるため、公募要領等で確認してください。
– 確定した資金として扱わない –
多くの制度では、交付決定前の契約・発注は対象外となり、補助金は事業完了後の精算払いです。採択された段階で補助金の入金を確定収入として見込まず、交付までの立替資金や、交付額が想定を下回る場合の資金繰りも検討しておく必要があります。
売掛債権の早期資金化も、請求から入金までの時間差への対応策にはなり得ます。ファクタリングは借入れではなく、売掛債権の売買です。
ただし、継続的な赤字や採算の合わない設備投資を解決するものではありません。利用条件や費用を踏まえ、短期の資金確保と長期の事業構造の改善を分けて判断すべきです。
車両の更新や新規事業への参入で資金が必要になる場合も、まず資金使途、投資回収期間、毎月の返済原資を整理し、そのうえで調達手段を検討することが重要です。
複数の資金調達手段を整理する支援については、資金調達エージェントとは何をするのか|紹介業ではなく整理業である理由で解説しています。なお、相談や支援によって資金調達の実行が保証されるものではありません。
経営者が今確認すること、慌てて決めなくてよいこと
結論:将来予測だけで、車の売却や大型投資を決める必要はありません。利用実態を記録し、小規模に試してから資金計画へ反映します。
車両の売却や新たな設備投資を急ぐ前に、まずは次の3つのステップで実態を確認することをお勧めします。
- 車両・移動手段の見直しを進める3ステップ
- 01最初の1か月:車両の利用記録を取る
- 02顧客と従業員の移動を確認する
- 03一部の業務で代替手段を試す
まず1か月間、車両ごとに誰が、何のために、どの時間帯に、何人で、何を運んでいるのかを記録します。動いていない時間だけでなく、車がなければ失う受注や、代替できない緊急対応も把握することが重要です。
次に、顧客と従業員の移動実態を確認します。来店を妨げている要因、通勤条件によって狭まっている採用対象、訪問営業の移動負担を整理すると、車両台帳だけでは見えなかった経営上の課題が明らかになります。
そのうえで、一部の車両や業務に限って代替手段を試します。費用や待ち時間だけでなく、納品・訪問件数、顧客対応への影響を通常期と繁忙期の両方で比較します。受注への支障や切り替え時の資金不足が見込まれる場合は、一斉に変更せず、対象業務や導入時期を見直します。
将来の見通しについては、代替交通が早く普及する場合、特定の地域・業務でのみ普及する場合、普及が遅れる場合の3つを想定しておくとよいでしょう。どのような展開になっても役立つ改善を優先すれば、将来予測が外れた場合の損失を抑えられます。
長期の投資では、設備を売却できるか、別の業務に転用できるか、契約が終了したときに固定費だけが残らないかも確認します。入口の事業計画と同じくらい、出口の設計が重要です。
いま優先すべきことと、現段階で急ぐ必要のないことを整理すると、次のとおりです。
いま優先して確かめること
- 車両ごとの稼働実態
- 代替手段
- 受注・採用への影響
- 3〜6か月先の現預金残高
現段階で急ぐ必要がないこと
- すべての社用車を一斉に売ること
- 自動運転の普及時期を前提に、専用設備を先行購入すること
まとめ|車の未来を当てる前に、経営の前提を確かめる
結論:車を持つか手放すかの二択では判断できません。所有が生む価値と外部サービスの制約を比べたうえで、投資と資金調達の順番を決めます。
車の所有には、いつでも使える自由と、業務を止めない価値があります。一方、使わない時間も資金が固定され、維持費がかかります。自動運転や移動サービスが進歩しても、都市と地方、乗用と業務用では合理的な選択が異なります。
中小企業の経営者が考えるべきなのは、車を持たない社会の実現時期ではありません。自社の車がどの仕事を支え、顧客や従業員の移動を何が支え、どこに資金と時間が固定されているのか。その実態を把握することです。
資金調達でも、技術への期待より、資金を使う順番と返済までの道筋が重要です。先に設備を購入するのではなく、需要と契約条件、月次採算、3〜6か月先の資金繰りを確認し、必要資金額と返済原資を説明できる状態にしておく必要があります。
自動車社会の変化は、企業が「何を所有するか」を見直す機会です。保有すべき機能を残し、外部に任せられる機能を見極め、浮いた資金と時間を本業へ戻す。資金調達は、その経営判断を実行するための手段として位置づけるべきでしょう。
本記事は、当サイトのコンテンツポリシーに基づき、ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・三坂大作が執筆し、資金調達顧問・丹下浩一が監修しています。
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※外部情報の確認日:2026年10月23日。運行・試験計画や補助制度の条件は変わる可能性があります。実際の投資・申請の際は、各運営主体の発表や公募要領等で最新情報をご確認ください。

早稲田大学理工学部卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。法人営業・国際業務・市場営業・支店長・内部監査を歴任し、退職後は事業会社にて経営企画・業務統括責任者を経験。銀行の審査側の論理と事業会社経営の実情の双方に通じた資金調達のスペシャリストとして、中堅中小企業の"実行型支援"を展開。
早稲田大学理工学部卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。法人営業・国際業務・市場営業・支店長・内部監査を歴任し、退職後は事業会社にて経営企画・業務統括責任者を経験。銀行の審査側の論理と事業会社経営の実情の双方に通じた資金調達のスペシャリストとして、中堅中小企業の"実行型支援"を展開。







