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ファクタリングの割引料に消費税はかかる?請求されてしまったときの対処法についても解説

ファクタリングを利用する際には、手数料として割引料が差し引かれる場合があります。この割引料には、本来、消費税を加算することはできません。なぜなら、ファクタリングの割引料は消費税法上、非課税取引として定められているためです。

しかし実際には、一部のファクタリング会社が、誤って割引料に消費税を上乗せして請求していることもあります。このため、利用者が正しい取引を行うには、割引料に関する消費税の扱いを正確に理解することが重要になります。

この記事では、ファクタリングの割引料における消費税の正しい取り扱いを説明するとともに、万が一誤って請求された場合の対処法についても具体的に解説します。適切な費用で資金調達を行うために参考となる内容をまとめています。

ファクタリングの割引料に消費税はかかるのか

ファクタリングを検討する際、多くの経営者が気になるのが費用面です。ここでは、割引料と消費税の関係について明確にしていきます。

割引料は非課税取引である

結論から申し上げると、ファクタリングの割引料には消費税はかかりません。これは、国税庁の見解として明確に示されています。

消費税法上、金銭の貸付けや売掛債権の譲渡などの金融取引は、非課税取引に分類されます。ファクタリングは売掛債権を譲渡する取引であり、その際に発生する割引料は、債権の価値と譲渡額の差額として扱われるため、割引料は非課税取引となるのです。

この非課税の根拠は、消費税法別表第一第二号で定められており、国税庁の通達でも明確化されています。つまり、法律上も行政解釈上も、割引料に消費税をかけることは正しくありません。

消費税法基本通達に明記されている

国税庁は「消費税法基本通達」において、金融取引に関する消費税の扱いについて詳細に定めています。ここで、ファクタリングの割引料が非課税となる法的根拠を確認しましょう。

消費税法基本通達6-3-1において、債権の譲渡が非課税取引に該当することが明記されています。ファクタリングは、売掛債権の譲渡取引であるため、この通達の対象となります。

さらに、消費税法別表第一第二号では、「資産の譲渡等の対価を貨幣で受け取る場合において、その受け取る対価と当該資産の譲渡等に係る資産の譲渡等の時における価額との差額により対価を得て行われる資産の譲渡等」が非課税取引として規定されています。

ファクタリングの割引料は、売掛債権の額面金額(将来受け取るべき金額)と実際に受け取る金額(買取金額)の差額として計算されるため、この法規定に基づき非課税取引に該当することが明確です。

事務手数料とその他費用の扱い

ファクタリング取引では、割引料以外にも事務手数料や審査費用などが発生することがあります。これらの費用と消費税の関係について、理解しておくことも重要です。

事務手数料や審査費用などのサービス提供に対する対価は、通常、課税対象取引となります。つまり、これらの費用には、消費税が加算されることが一般的です。

例えば、契約書作成費用、信用調査費用、振込手数料などは、債権譲渡自体とは別のサービスとして提供されるため、消費税の課税対象となる可能性が高いものです。

このように、ファクタリング取引において発生する費用は、その性質によって消費税の課税・非課税が区別されます。ファクタリング会社から受け取る請求書では、この区別が明確になっているかを確認することが重要です。

ファクタリング取引における課税対象と非課税対象

ファクタリング取引では、さまざまな費用が発生します。それぞれが、消費税の課税対象なのか非課税対象なのかを正確に理解しておくことが重要です。

課税対象となる費用の具体例

ファクタリング取引において、商品やサービスの提供として認められる費用には、消費税がかかります。

事務手数料は、契約書の作成や各種手続きなどの事務作業に対する対価として請求されるものです。これは、役務提供の対価として課税対象となります。一般的に、契約締結時に一律で発生することが多くあります。

審査費用も課税対象となります。これは、売掛先の信用調査や債権内容の確認などに対する対価です。審査の複雑さや債権の性質によって、金額が変動することもあります。

その他、司法書士報酬(債権譲渡登記を行う場合)、交通費(訪問対応がある場合)、書類郵送費なども、別途サービスとして提供される場合は課税対象となります。

これらの費用は、債権譲渡という金融取引とは別のサービス提供と見なされるため、消費税の課税対象となるのです。

非課税対象となる費用の具体例

一方で、金融取引としての性質を持つ費用は、非課税対象となります。その代表例が、割引料です。

割引料は、債権の額面金額と実際に受け取る金額の差額として計算されます。これは、利息や金融手数料と同様の性質を持つため、消費税法上の非課税取引に該当します。

例えば、100万円の売掛債権を95万円で売却した場合、その差額である5万円が割引料となります。この5万円に対しては、消費税を課すことはできないのです。

また、ファクタリング契約に含まれる金利相当分や、債権の買取価格を決定するための評価費用なども、金融取引の一環として非課税対象となることが一般的です。

これらの費用は、債権譲渡という金融取引そのものに関わる部分であるため、消費税の非課税対象となります。

消費税計算のシミュレーション例

実際のファクタリング取引において、課税対象と非課税対象がどのように計算されるのかを具体的な数字で見てみましょう。

例えば、額面100万円の売掛債権をファクタリングする場合を考えます。割引率は5%、事務手数料は1万円と仮定します。

割引料:100万円×5%=5万円(非課税)

事務手数料:1万円(課税対象)

消費税(10%):1万円×10%=1,000円

このケースでは、経営者が実際に受け取る金額は、以下のように計算されます。

100万円-5万円(割引料)-1万円(事務手数料)-1,000円(消費税)=939,000円

しかし、誤って割引料にも消費税が課された場合、以下のような不当な計算になってしまいます。

割引料への消費税:5万円×10%=5,000円(本来かからないはずの消費税)

この場合、本来不要な5,000円を余分に支払うことになります。正確な知識を持つことで、不当な支払いを防止できることがわかります。

割引料に消費税が請求された場合の対応方法

万が一、ファクタリング会社から割引料に対して消費税が請求されてしまった場合、どのように対応すべきでしょうか。適切な対処法を解説します。

請求書の確認

まず、受け取った請求書の内容を詳細に確認することが重要です。特に、以下のポイントに注目してください。

費用の内訳が明確に記載されているかどうかを確認します。割引料、事務手数料、その他費用などが区別されて表示されているべきです。内訳が不明確な場合は、詳細を求めることが必要です。

次に、各費用項目に対する消費税の課税・非課税の区分が、適切に行われているかをチェックします。特に、割引料に消費税が加算されていないか注意深く確認してください。

また、請求書に記載されている金額の計算が正確かどうかも確認してください。割引料の計算方法(額面に対する割引率など)が契約内容と一致しているか、また消費税の計算も10%で正しく行われているかを必ず計算して検証することが大切です。

これらのポイントを確認することで、不適切な請求に気づくことができます。違和感がある場合は、次のステップに進みましょう。

ファクタリング会社への問い合わせ

請求内容に疑問がある場合は、ファクタリング会社に問い合わせを行いましょう。その際の効果的なアプローチを紹介します。

まずは、担当者に電話やメールで問い合わせることが一般的です。その際、具体的な請求書の項目を指摘し、割引料に消費税が課されていることへの疑問を明確に伝えましょう。

問い合わせ例文としては、「御社からの請求書を確認したところ、割引料に消費税が加算されているようですが、消費税法上、割引料は非課税取引に該当すると理解しております。この点について説明をいただけますでしょうか」といった丁寧な表現が適切です。

問い合わせの際は、感情的にならず、事実に基づいて冷静に対応することが重要です。また、問い合わせた日時や担当者名、回答内容などを記録として必ず残しておくことをおすすめします。

電話での問い合わせ後は、内容を確認するメールを送るなど、やり取りの証拠を残すことも有効です。

返金請求

ファクタリング会社が誤りを認め、返金に応じる場合があります。

まず、返金請求の意思を明確に伝えましょう。既に支払いが完了している場合は、過払い分の返金を求める旨を書面(メールでも可)で伝えることが重要です。

返金請求に必要な書類としては、元の契約書、問題のある請求書のコピー、支払いの証明(振込明細など)などを用意しておくとスムーズです。これらの書類は、返金交渉の根拠資料として重要になります。

返金方法について合意を得たら、その内容を書面で確認することをおすすめします。いつまでに、どのような方法で返金されるのかを明確にしておきましょう。

もし会社が返金に応じない場合は、消費税法の規定を根拠に再度交渉するか、状況によっては法的手段も検討する必要があるかもしれません。ただし、その前に税理士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

ファクタリング会社選びで消費税に関して注意すべきポイント

適切なファクタリング会社を選ぶ際には、消費税の取り扱いに関しても注意を払うことが重要です。ここでは、選定時のチェックポイントを解説します。

契約前の確認

ファクタリング会社と契約する前に、消費税に関連して確認すべき事項があります。事前にこれらを確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

まず、費用体系と消費税の取り扱いについて、明確な説明を求めましょう。割引料や各種手数料がどのように計算され、それぞれに消費税がかかるのかどうかを確認することが重要です。

また、見積書や料金表など、書面での提示を依頼しましょう。口頭の説明だけでなく、費用の内訳と消費税の扱いが明記された書面を必ず入手することで、後のトラブル防止になります。

さらに、過去の利用者の評判や口コミも参考になります。特に費用面での透明性について、他の利用者がどのような評価をしているかをチェックすることで、信頼性の高い会社を見極める手がかりになります。

これらの確認を怠ると、後になって予想外の費用が発生するリスクがあります。特に小規模な事業者にとっては、余分な費用負担は大きな影響を与えかねないため、事前の確認が重要です。

料金体系の透明性が高い会社の選択

信頼できるファクタリング会社は、料金体系の透明性において共通の特徴を持っています。それらの特徴を把握しておくことで、適切な会社選びができます。

優良なファクタリング会社は、契約前の段階で費用の内訳を明確に提示します。割引料、事務手数料、その他費用が区別され、それぞれの計算方法と消費税の適用有無が明示されています。

また、契約書や料金表には、消費税に関する記載が明確にあります。特に、割引料が非課税であることや、どの費用に消費税がかかるのかが誰にでもわかりやすく表示されていることが重要です。

さらに、質問や問い合わせに対して丁寧かつ具体的に回答する姿勢も、信頼できる会社の特徴です。特に、法律や税務に関する質問に対して明確な説明ができる会社は、専門知識を持ち、コンプライアンス意識が高いと判断できます。

このような特徴を持つ会社を選ぶことで、消費税に関するトラブルを未然に防ぎ、安心してファクタリングサービスを利用することができます。

経理処理における割引料と消費税の正しい計上方法

ファクタリングを利用した場合の経理処理、特に、割引料と消費税の正しい計上方法について解説します。適切な会計処理を行うことは、税務上のリスクを回避するためにも重要です。

割引料の会計処理方法

ファクタリングにおける割引料について、正確な経理処理の方法を見ていきましょう。

割引料は、一般的に「支払手数料」勘定で処理されることが多いでしょう。ただし、企業の会計方針によっては「営業外費用」の「ファクタリング費用」などの勘定科目を設けることもあります。

割引料の計上時期は、ファクタリング取引が完了した時点、つまり売掛債権を譲渡し、買取代金を受け取った日付で、発生主義に基づいて計上することが適切です。

仕訳例を示すと、例えば100万円の売掛債権を95万円で売却した場合(割引料5万円)は、以下のようになります。

借方 貸方
普通預金 950,000
支払手数料 50,000
売掛金 1,000,000

この際、支払手数料(割引料)は非課税取引であるため、消費税の計算には影響しません。売掛金の消費税処理は、通常の販売取引時に行われているため、ファクタリング時に再度消費税処理を行う必要はありません。

消費税の仕入税額控除

ファクタリング取引における消費税の仕入税額控除について、注意すべきポイントを解説します。

まず、割引料は非課税取引であるため、仕入税額控除の対象外となります。つまり、割引料に対して消費税が請求されていたとしても、その消費税分を仕入税額控除として計上することはできません。

一方、事務手数料や審査費用などの課税取引については、ファクタリング会社から受け取る請求書等に基づいて、その消費税分を仕入税額控除の対象として計上できる場合があります。

ただし、仕入税額控除を適用するためには、適格請求書(インボイス)の保存が必要です。2023年10月からのインボイス制度の開始に伴い、ファクタリング会社が適格請求書発行事業者であるか、また発行される請求書が要件を満たしているかを確認することが重要です。

また、簡易課税制度を採用している事業者の場合は、業種区分によって仕入税額控除の計算方法が異なるため、自社の状況に応じた適切な処理を行う必要があります。

税理士に相談すべき場合

ファクタリングの経理処理について、専門家である税理士に相談すべきケースがあります。適切なタイミングで専門家の意見を求めることで、税務リスクを軽減できます。

まず、ファクタリングの利用頻度が高く、金額も大きい場合は、税理士に相談することをおすすめします。特に、経理担当者が不在の小規模事業者や、ファクタリングの経理処理に不慣れな企業は、専門家のサポートを受けることで適切な処理ができるでしょう。

また、請求書の内容に疑問がある場合や、ファクタリング会社との間で消費税の取り扱いについて見解の相違がある場合も、税理士に相談することが有効です。税理士は、消費税法に精通しており、適切なアドバイスを提供できます。

さらに、税務調査が予定されている場合や、過去のファクタリング取引の処理に誤りがあった可能性がある場合も、早めに税理士に相談して対応策を検討することが重要です。

税理士への相談費用は発生しますが、誤った処理による追徴課税や加算税のリスクを考えると、専門家の意見を求めることは長期的には費用対効果が高いといえます。

まとめ

ファクタリングの割引料に消費税はかからないというのが、法律上の明確な結論です。消費税法により、金融取引である割引料は非課税取引に分類されており、これは国税庁の通達でも確認されています。一方で、事務手数料や審査費用などの付随サービスには、消費税がかかります。

万が一、割引料に消費税が請求された場合は、請求書を詳細に確認し、ファクタリング会社に丁寧に問い合わせましょう。必要に応じて返金請求も検討すべきです。日頃から消費税の取り扱いに関する知識を持ち、透明性の高い料金体系を提示するファクタリング会社を選ぶことで、不必要な支出を防ぐことができます。経理処理に不安がある場合は、専門家である税理士に相談することも有効な選択肢です。

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筆者・監修者 三坂 大作(ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役)

筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役 三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
  • 1985年:東京大学法学部卒業
  • 1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 — 表参道支店:法人融資担当
  • 1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 — 非日系企業向けコーポレートファイナンス担当
  • 1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107813001112)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号

専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。

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