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ファクタリングの割引率とは?相場や変わる要因、おさえるためのコツを紹介

資金繰りに悩む経営者にとって、ファクタリングは、売掛金を早期に現金化できる便利な手段です。ファクタリングサービスを選ぶ際に、手数料を示す「割引率」は、重要な判断基準となります。高すぎる割引率は、資金調達コストを増加させ経営を圧迫する一方、適切な割引率であれば、効率的な資金調達が可能です。

本記事では、ファクタリングの割引率の基本から、相場、変動要因、さらに割引率を抑えるためのコツまで詳しく解説します。資金調達のコストを最小限に抑えたい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の要点

  • ファクタリングの割引率(手数料)相場は2社間で10%〜20%、3社間で2%〜9%程度
  • 一見安く見えても「年利換算」すると銀行融資やビジネスローンより割高になるケースが大半
  • 資金繰り改善の第一歩は、割引率を下げる交渉よりも「無担保ビジネスローン」の審査に通るか確認すること

ファクタリングの割引率とは

ファクタリングを利用する際に、最も気になるポイントの一つが割引率です。まずは、割引率とはなにかについて解説します。

割引率の基本

ファクタリングの割引率とは、売掛金の額面に対して、ファクタリング会社が差し引く手数料の割合を指します。言い換えれば、売掛金を早期に現金化するために支払うコストの比率です。

例えば、100万円の売掛金をファクタリングで現金化する場合、割引率が10%であれば、10万円が手数料として差し引かれ、実際に受け取れる金額は90万円となります。

この割引率は、資金調達のコストを直接表す指標であるため、複数のファクタリング会社を比較検討する際の重要な判断材料になります。

割引率の計算方法

ファクタリングにおける割引率の計算は、比較的シンプルです。基本的な計算式は、次のようになります。

割引料(手数料)=売掛金額×割引率

そして、実際に受け取る金額は次の式で計算されます。

受取金額=売掛金額-割引料=売掛金額×(1-割引率)

例えば、売掛金が500万円で割引率が8%の場合は、下のように計算されます。

割引料=500万円×0.08=40万円
受取金額=500万円-40万円=460万円

このように、割引率が低いほど手数料が少なく、より多くの資金を手元に確保できることになります。

ファクタリングの割引率の相場

ファクタリングを検討する際には、割引率の相場を知っておくことが重要です。業界の相場を把握していれば、適正な料率かどうかの判断材料になります。

一般的な割引率の範囲

ファクタリングの割引率は、一般的に2%〜25%程度の範囲で設定されています。ただし、この幅は取引条件や売掛先の信用力、資金化までの期間などによって大きく変動します。

大手企業の売掛金を対象とした場合は、比較的低い割引率(2%〜8%程度)で取引できるケースが多いでしょう。一方、中小企業や個人事業主の売掛金の場合は、10%〜20%程度の割引率が一般的です。

特に信用力に不安がある売掛先や、回収期間が長い案件では、20%を超える高い割引率が適用されることもあります。

2社間と3社間ファクタリングの割引率の違い

ファクタリングには、利用企業とファクタリング会社の2社で完結する「2社間ファクタリング」と、売掛先を含めた3社で行う「3社間ファクタリング」があります。この違いは、割引率にも影響します。

2社間ファクタリングは、手続きが比較的簡単である反面、売掛金の回収リスクをファクタリング会社が負うため、割引率は高めに設定される傾向があります。一般的には、10%〜25%程度の割引率が適用されることが多いものです。

一方、3社間ファクタリングは、売掛先の承諾が必要となり手続きが複雑になりますが、売掛先の信用力が直接評価されるため、割引率は2%〜10%程度と比較的低く抑えられることが多いでしょう。

業種別の割引率の傾向

ファクタリングの割引率は、業種によっても異なる傾向があります。一般的に、安定した業績と信用力を持つ業界では割引率が低く、景気変動の影響を受けやすい業界では高めに設定される傾向があります。

例えば、公共事業関連や医療機関向けのファクタリングでは、売掛先の信用力が高いため、比較的低い割引率(3%〜8%程度)で取引されることが多くあります。

建設業では、下請け構造や工期の長さから回収リスクが高まるケースがあり、業種の特性に応じた割引率の設定がなされます。一般的には、8%〜15%程度の割引率が適用されることが多いでしょう。

ファクタリングの割引率が変わる要因

ファクタリングの割引率は、固定されたものではなく、様々な要因によって変動します。どのような要因が割引率に影響するのかを理解しておくことで、より有利な条件での取引が可能になります。

売掛金の回収期間

ファクタリングの割引率を決める最も重要な要素の一つが、売掛金の回収期間です。一般的に、回収期間が長くなるほど割引率は高くなる傾向があります。

例えば、支払いサイトが30日の売掛金と90日の売掛金では、後者の方が割引率は高くなります。これは、資金が長期間拘束されることによるファクタリング会社の機会損失や、時間経過に伴うリスク増加を反映したものです。

短期の売掛金(30日以内)では、5%〜10%程度の割引率が一般的ですが、長期の売掛金(90日以上)では、期間に応じて割引率が段階的に上昇するケースが多くみられます。

売掛先の信用力

売掛先の信用力も割引率に大きな影響を与えます。売掛先が上場企業や大手企業、官公庁など信用力の高い組織であれば、支払いの確実性が高いため割引率は低く抑えられます。

反対に、経営状態が不安定な中小企業や設立間もないスタートアップ企業が売掛先の場合は、支払い不能リスクを考慮して割引率が高く設定されることが一般的です。

ファクタリング会社は、売掛先の財務状況や支払い履歴、業界動向などを総合的に分析し、売掛先ごとにリスク評価を行って割引率を調整しています。

取引条件や取引規模

取引の条件や規模も、割引率に影響を与える重要な要素です。大口の案件や継続的な取引では、ファクタリング会社側の事務コストが相対的に低減されるため、割引率が優遇されるケースが多いものです。

例えば、月に1回100万円の取引よりも、月に1回1,000万円の取引の方が、ファクタリング会社にとっての利益効率が良いため、割引率が低く設定される傾向があります。

また、継続的な取引関係にある場合は、利用企業の事業内容や支払い履歴についての情報が蓄積されるため、リスク評価がより正確になり割引率が優遇されることが期待できます。

ファクタリングの割引率をおさえるための方法

ファクタリングを利用する際、できるだけ割引率を低く抑えることで、より多くの資金を手元に確保できます。ここでは、割引率を有利にするための具体的な方法を紹介します。

複数社からの見積もりの比較

割引率を低く抑えるための最も基本的な方法は、複数のファクタリング会社から見積もりを取得して比較することです。ファクタリング会社によって、審査基準や料率設定のポリシーが異なるため、同じ売掛金でも割引率に差が生じることがあります。

最低でも3社程度から見積もりを取得し、割引率だけでなく、手続きの簡便さやスピード、追加費用の有無なども含めて総合的に比較することが重要です。

ただし、極端に低い割引率を提示する会社には注意が必要です。契約後に追加費用が発生するケースや、後から条件が変更されるケースもあります。信頼性の高いファクタリング会社を選ぶことが大切です。

継続的な取引関係の構築

同じファクタリング会社と継続的に取引を行うことで、信頼関係が構築され、割引率が優遇されるケースが多くあります。初回取引時は、審査が厳しく割引率も高めに設定されることが一般的ですが、取引実績を積み重ねていくことで、条件が改善される傾向があります。

特に、約束通りの取引を継続することで、ファクタリング会社側のリスク評価が向上し、割引率の引き下げ交渉がしやすくなります。

また、継続的な取引では、事務手続きの簡略化も期待でき、契約更新のタイミングで条件改善を交渉することも効果的です。

信用力の高い売掛先の選択

割引率を低く抑えるためには、信用力の高い売掛先との取引をファクタリングの対象とすることが効果的です。上場企業や大手企業、官公庁などの売掛金は、支払いの確実性が高いため、リスクが低く評価され割引率も有利になります。

売掛先の選択が可能な場合は、信用力の高い取引先の売掛金をファクタリングに回すことで、全体の資金調達コストを抑えることができます。

また、複数の売掛先がある場合は、信用力の高い売掛先と低い売掛先を分けて、異なるファクタリング会社に依頼するという戦略も有効です。

売掛金の回収期間を短くする

売掛金の回収期間が短いほど、割引率は低くなる傾向があります。可能であれば、取引先との間で支払いサイトの短縮を交渉することも一つの方法です。

例えば、支払いサイトを90日から60日に短縮できれば、ファクタリングの割引率も下がる可能性が高まります。これは、回収期間が短くなることで、ファクタリング会社側のリスクや資金拘束期間が減少するためです。

また、納品直後の早い段階でファクタリングを利用することも、実質的な回収期間を短縮する効果があります。納品から請求までの期間を、極力短くする業務フローの見直しも検討価値があります。

その手数料、本当に適正ですか?

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ファクタリングの割引率と他の資金調達方法にかかる追加コストの比較

100万円を1ヶ月調達した場合のコスト比較
ファクタリング
(割引率10%)
手数料 10万円(年利換算:約120%相当)
HTビジネスローン
(年利15%の場合)
利息 約12,500円(圧倒的に低コスト)

資金調達方法は、ファクタリングだけではありません。他の方法と比較することで、自社に最適な選択ができます。ここでは、ファクタリングと他の主要な資金調達方法の違いについて解説します。

手形割引との比較

手形割引とファクタリングは、どちらも売掛債権を早期に現金化する方法ですが、計算方法や対象となる債権に違いがあります。

手形割引の場合、割引料は「額面×割引率×日数÷365」で計算されるのに対し、ファクタリングでは「売掛金額×割引率」という単純な計算式が用いられます。このため、同じ割引率でも実質的なコストが異なります。

また、手形割引は受取手形が対象ですが、ファクタリングは売掛金(請求書ベース)も対象にできるため、手形を受け取っていない取引にも活用できる柔軟性があります。

銀行融資との比較

銀行融資は、年率(金利)で費用が計算されるのに対し、ファクタリングは、一回の取引ごとに割引率で手数料が決まります。このため、単純な比較は難しいですが、短期間の資金需要に対しては、銀行融資の方がコスト面で有利なケースが多いでしょう。

例えば、年率3%の銀行融資では、100万円を1か月借りた場合の利息は約2,500円ですが、割引率10%のファクタリングでは、10万円の手数料がかかります。

一方で、銀行融資は審査に時間がかかり、担保や保証人が必要になるケースが多いのに対し、ファクタリングは、審査が比較的迅速で担保不要という利点があります。

ビジネスローンとの比較

ビジネスローンもファクタリングと同様に、比較的短期間で審査結果が出る資金調達方法です。ビジネスローンは、年率(金利)で費用が計算され、一般的には年率8%〜15%程度の金利が設定されています。

ファクタリングの割引率(数%~)は、年利に換算すると数十%~数百%に達することが大半です。対してビジネスローンは年率数%~15%程度であるため、短期・長期問わず、融資が可能であればビジネスローンの方が圧倒的にコストを抑えられます。

ただし、ビジネスローンは、経営者の個人信用情報が審査対象となることが多く、売掛金の有無に関わらず返済義務が生じる点が、ファクタリングとは大きく異なります。

ファクタリングの割引率を計算する際の注意点

ファクタリングを利用する際には、割引率以外にも注意すべきポイントがあります。ここでは、契約時に確認しておくべき重要な注意点について解説します。

表面上の割引率だけで判断しない

ファクタリング会社の中には、表面上の割引率を低く見せるために、別途事務手数料や審査料、契約料などを請求するケースがあります。このような追加費用も含めた、総コストで比較することが重要です。これにより、実際に支払う費用がどの程度になるかを正確に把握できます。

例えば、割引率5%と表示されていても、別途3%の事務手数料が発生する場合、実質的なコストは8%になります。契約前に、必ず全ての費用について確認しましょう。さらに、追加料金がどのタイミングで発生するのかを事前に把握しておくことで、後々のトラブルを避けることができます。

また、分割払いや後払い方式を採用している場合は、支払いスケジュールと総支払額を明確にしておくことが重要です。支払い方法や期間についても事前に確認し、予算に合わせた返済計画を立てることが、安心して利用するためには欠かせません。

あわせて読みたい:債権譲渡に消費税はかかる?かからない?課税取引の基準をもとに丁寧に解説

契約条件の細部まで確認する

ファクタリング契約には、様々な条件が含まれています。特に重要なのは、売掛金が回収できなかった場合の責任の所在です。2社間ファクタリングでは、一般的に利用企業に遡及権(償還請求権)が設定されることが多いものです。この場合、回収できなかった金額について、利用企業が責任を負うことになります。

また、契約期間や解約条件、違約金の有無なども重要なチェックポイントです。特に継続契約の場合、途中解約時のペナルティについて事前に確認しておくことが大切です。解約条件を把握することで、予期せぬ費用負担を避けることができます。

契約書の細部まで目を通し、不明点があれば必ず契約前に質問して明確にしておくことをおすすめします。契約内容をしっかりと理解することで、後々のトラブルを防ぎ、安心して利用することができます。

悪質なファクタリング業者を回避する

ファクタリング業界には、残念ながら悪質な業者も存在します。異常に低い割引率を提示しながら、契約後に条件を変更したり、不当な追加費用を請求したりするケースがあります。このような業者に引っかからないためには、慎重に選ぶことが求められます。

悪質な業者を見分けるポイントとしては、極端に低い割引率の提示、契約内容の説明不足、強引な勧誘、連絡先や会社情報の不透明さなどが挙げられます。特に、契約書に不明点がある場合や納得できない条件が提示された場合は、警戒が必要です。

安全にファクタリングを利用するためには、実績のある信頼できる業者を選択することが重要です。口コミや評判を調査したり、複数の業者と比較検討したりすることをおすすめします。また、契約内容を十分に理解し、納得した上で利用を決めることが、後々のトラブルを防ぐための鍵となります。

参考:金融庁「ファクタリングの利用について」

まとめ

ファクタリングの割引率は、資金調達を行う際のコストを直接左右する重要な要素です。割引率は、一般的に2%〜25%の範囲で設定され、売掛先の信用力、回収期間、取引規模、利用企業の信用力などによって変動します。

割引率を低く抑えるためには、複数のファクタリング会社から見積もりを取得して比較検討する、継続的な取引関係を構築する、信用力の高い売掛先との取引をファクタリングの対象にするなどの方法が効果的です。ファクタリングを検討する際は、割引率だけでなく、追加費用の有無や契約条件も含めて、総合的に判断することが大切です。

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筆者・監修者 三坂 大作(ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役)

筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役 三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
  • 1985年:東京大学法学部卒業
  • 1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 — 表参道支店:法人融資担当
  • 1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 — 非日系企業向けコーポレートファイナンス担当
  • 1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107813001112)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。
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