2025.11.05
借金まみれの状態で起業することは可能?創業融資を受けるために重要なポイントも解説
借金を抱えながら新たに事業を始めることは可能なのか、疑問に思う方は多いかもしれません。結論を言えば、借金があると資金調達の面で不利になる可能性はありますが、それだけで起業ができなくなるわけではありません。
現実には、既存の債務を抱えていても、起業している方は少なくありません。重要なのは、借金の状況を正確に把握し、適切な対策をとることです。
この記事では、借金がある状態での起業の可能性や創業融資を受けるための具体的な準備、審査のポイントまで詳しく解説します。また、融資が難しい場合の代替手段についても触れていますので、借金を抱えながらも起業を目指す方は参考にしてください。
この記事のポイント
- 法的には借金があっても起業は可能だが、創業融資の審査では不利になる可能性がある。
- 審査では借金の内容(消費者金融など)や返済状況(遅延・滞納)が厳しくチェックされる。
- 借金を整理し、自己資金を確保した上で、専門家と相談しながら現実的な事業計画を立てることが重要。
- 融資が難しい場合でも、補助金や少額起業など、代替となる資金調達・起業の方法がある。
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まずは無料で借入枠を診断する借金まみれでも起業は可能か
借金があっても、法的には起業することは可能です。会社設立や個人事業主として開業する際に、現在の借金状況を理由に制限されることはありません。
借金と起業の関係
借金があることと起業することは、どちらかが他方を制限するといった関係はなく、法律上の制限もありません。実際に、住宅ローンや教育ローンなど、何らかの借金を抱えながら起業する人は珍しくありません。
ただし、借金の種類や金額によって起業後の資金調達に影響することは認識しておく必要があります。特に、消費者金融からの借入や複数の金融機関からの借入がある場合は、新たな融資を受けることが難しくなる可能性が高まります。
起業時に必要な資金をすべて自己資金で賄える場合は問題ありませんが、多くの場合は、創業融資などの資金調達が必要となるでしょう。そのため、借金の状況が起業に間接的に影響することは否めません。
借金まみれで起業することの課題
借金を抱えた状態での起業における最大の課題は、金融機関からの信頼獲得と資金調達です。既に多額の借金がある状態では、金融機関は返済能力に懸念を抱き、新たな融資に慎重になります。
また、開業初期は売上が安定せず、既存の借金返済と事業運営の両立が困難になるリスクもあります。事業が軌道に乗るまでの資金計画を、綿密に立てる必要があります。
さらに、借金による信用情報の悪化が、取引先や顧客との関係構築にも影響する可能性があることを認識しておくべきです。特に、返済遅延や債務整理の履歴がある場合は、その影響は大きくなります。
創業融資の審査で重視される内容
創業融資の審査において、申請者の既存の借入状況は、重要な審査項目の一つです。ここでは、借金が創業融資審査にどのように影響するのかを解説します。
借金の内容が重視される
金融機関は、単に借金の有無だけでなく、その性質や返済状況を詳細に確認します。住宅ローンや教育ローンなど、資産形成や自己投資のための借入は、比較的寛容に評価される傾向があります。
一方で、消費者金融からの借入や多重債務の状態は、大きなマイナス要因となります。これらは、返済能力や資金管理能力に疑問を抱かせる原因となるためです。
比較的影響が小さい借金 (OK)
・住宅ローン
・自動車ローン(事業用含む)
・教育ローン
・奨学金
(=資産形成や自己投資目的)
審査が厳しくなる借金 (NG)
・消費者金融からの借入
・カードローン(リボ払い含む)
・複数の金融機関からの多重債務
・返済遅延や滞納があるもの
(=資金管理能力に疑問)
また、返済の遅延履歴や滞納経験があると、信用情報機関に記録が残り、融資審査に大きく影響します。このような履歴がある場合は、少なくとも情報が削除される5〜7年間は、融資を受けにくい状況が続くことを理解しておく必要があります。
借金の返済姿勢
創業融資の審査では、借金の額面だけでなく、これまでの返済姿勢も重要な判断材料となります。たとえ借金があっても、計画的に返済を続けている実績があれば、それは資金管理能力の証明になります。
金融機関は、申請者の信用情報を照会して過去の返済状況を確認します。期日通りに返済を続けている場合は、返済に対する真摯な姿勢として評価されることがあります。
また、借金の理由が明確で、その資金が有効に活用されている場合も、単なる浪費による借金とは異なる評価を受けることがあります。例えば、スキルアップのための教育費や、将来的な資産となる住宅購入などの理由は、説明しやすいでしょう。
負債比率と返済能力
創業融資の審査では、申請者の現在の負債比率と返済能力が厳しくチェックされます。一般的に、月収に対する借金の返済額の割合が30%を超えると、新たな融資の審査では不利になる傾向があります。
金融機関は、既存の借金返済と新規事業の運営費、そして生活費を含めた総合的な返済能力を判断します。そのため、返済負担率を適正範囲に抑えることが重要です。
また、創業計画書における収支予測と返済計画の現実性も重要な審査ポイントです。過度に楽観的な売上予測は信頼性を損なうため、根拠のある堅実な計画を立てることが求められます。
借金まみれでも融資を受けるための方法
借金を抱えた状態でも創業融資を受けるためには、事前の準備と対策が欠かせません。ここでは、具体的な対策方法を紹介します。
現在の債務状況の整理
最初に行うべきことは、自分の借金状況を正確に把握することです。すべての借入先、借入額、金利、返済期間、毎月の返済額を一覧表にまとめましょう。
信用情報を確認することも重要です。CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなどの信用情報機関で自分の信用情報開示請求を行い、記録されている内容を確認しましょう。情報に誤りがあれば、訂正を求めることも可能です。
高金利の借入がある場合は、可能であれば、低金利の借入に借り換えることを検討しましょう。また、複数の借入を一本化することで、管理が容易になり、月々の返済負担も軽減できる可能性があります。
効果的な返済計画の実行
融資申請の際には、現実的かつ具体的な返済計画書が必要です。ここでは、既存の借金返済と新規融資の返済を、どのように両立させるかを明確に示す必要があります。
返済計画書は、月別または四半期別のキャッシュフロー表の形式で作成すると説得力が増します。最低でも3年分の返済計画を用意し、事業収入から返済に充てられる金額を現実的に算出しましょう。
また、計画を作成するだけでなく、融資申請前から実際に返済計画に沿った行動を取ることも重要です。可能な限り既存の借金を減らす努力をしていることを示せれば、金融機関に対して真摯な姿勢をアピールできます。
自己資金の確保
創業融資を受ける際、一定の自己資金を用意することは非常に重要です。一般的に創業時の資金調達において、全体の3分の1程度は自己資金であることが望ましいとされています。
借金がある状態では、自己資金の確保が難しい場合もありますが、少額でも自己資金を用意することで、金融機関に対して事業への本気度を示すことができます。
自己資金を増やす方法としては、不要な資産の売却、副業による収入確保、親族からの支援(例:出資や贈与)などが考えられます。また、クラウドファンディングなどの手段を活用することも検討してみましょう。
専門家への相談
借金を抱えた状態での起業と融資申請は、複雑な問題を含むため、専門家のサポートを受けることが効果的です。税理士や公認会計士、中小企業診断士などの専門家に相談することで、状況に合った具体的なアドバイスを得ることができます。
日本政策金融公庫や信用保証協会の相談窓口も積極的に活用しましょう。これらの機関では、創業融資に関する無料相談を実施しており、申請前に具体的なアドバイスを受けることができます。
また、各地の商工会議所や産業支援センターなども、創業支援の窓口を設けています。これらの公的機関からの支援を受けていることは、融資審査においてもプラスの評価につながることがあります。
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融資審査に落ちた場合の対応
創業融資の審査に落ちてしまった場合でも、諦める必要はありません。ここでは、審査に落ちた後の効果的な対応策を解説します。
審査落ちの原因分析と改善
融資審査に落ちた場合、まずはその理由を正確に把握することが重要です。可能であれば、金融機関に審査結果の詳細を問い合わせ、どの点が不足していたのかを確認しましょう。
審査結果をフィードバックとして活用し、事業計画や資金計画の見直しを行います。特に借金がある場合は、既存の借金の返済状況改善や信用情報の回復に時間をかける必要があるかもしれません。
また、事業計画の実現可能性や市場分析の不足が原因であれば、より詳細な調査と具体的な数字に基づいた計画に改善することが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、審査で指摘された弱点を重点的に強化しましょう。
再申請で審査通過率を上げるためのコツ
審査に落ちた後すぐに再申請することは避け、指摘された問題点を改善するための時間を十分に取ることが重要です。一般的には、前回の申請から最低でも6ヶ月程度は間隔を空けることが望ましいとされています。
再申請の際は、前回から何が改善されたのかを明確に示すことが重要です。具体的な改善点を強調し、事業の実現可能性が高まったことをアピールしましょう。
また、可能であれば、再申請前に少額でも事業を開始し、実績を作ることも効果的です。たとえ小規模でも実際に売上を上げている実績があれば、事業の実現可能性を具体的に示すことができます。
借金がある人も比較的利用しやすい創業融資制度
借金がある状態でも利用できる創業融資制度について、詳しく見ていきましょう。状況に応じた適切な制度選びが、成功の鍵となります。
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、創業者向けの代表的な融資制度です。この制度の特徴は、担保や保証人が不要な点にあります。ただし、審査基準は厳格で、既存の借金状況も重要な審査ポイントとなります。特に、事業計画書がしっかりとした内容であることが求められます。
借金がある場合でも、返済履歴に問題がなければ融資対象となる可能性はあります。特に住宅ローンなど資産形成のための借入は、必ずしも否定的に評価されるわけではありません。しかし、借金の返済額が過度に多い場合や、収支が不安定である場合は、審査に影響を与えることがあります。
申請の際は、事業計画書に加えて、既存の借金についての返済計画も明確に示すことが重要です。返済計画が現実的であることが評価され、事業計画との整合性も大切です。また、自己資金をある程度用意していることも審査では評価されます。自己資金をどのように活用するかを示すことも、信頼性を高めるポイントです。
制度融資と信用保証協会
各自治体が実施している制度融資も、借金がある創業者が検討すべき選択肢です。制度融資は自治体によって条件が異なりますが、一般的に金利が低く、信用保証協会の保証付きで融資が行われます。このため、通常の銀行融資よりもハードルが低く、資金調達がしやすい点が魅力です。
信用保証協会の保証を受けることで、金融機関の審査のハードルが下がるケースもあります。保証協会が保証することで、金融機関はリスクを軽減でき、融資の承認を出しやすくなります。ただし、信用保証協会も独自の審査を行うため、既存の借金状況は重要な判断材料となります。特に過去の債務不履行歴や滞納履歴などは、審査に影響を与えることがあります。
制度融資を利用する際は、地域の産業支援センターや商工会議所で情報収集し、自分の状況に合った制度を探すことが大切です。また、申請前に担当者に相談し、借金がある状態での申請についてアドバイスを受けることも有効です。担当者と密に連携し、必要書類や手続きについて事前に確認することで、スムーズに申請が進むでしょう。
融資が難しい場合の代替方法
借金が多く、創業融資の審査に通過することが難しい場合でも、諦める必要はありません。ここでは、代替となる資金調達方法について説明します。
少額からの起業
融資が難しい場合は、初期投資を最小限に抑えた起業方法を検討しましょう。近年は、インターネットを活用したビジネスやスキルを提供するサービス業など、比較的少額で始められる事業形態が増えています。
最小限の資本で事業を開始し段階的に拡大していく戦略は、借金がある場合に特に有効です。例えば、自宅やシェアオフィスを活用することで、店舗や事務所の賃料を抑えることができます。また、オンラインプラットフォームやクラウドサービスを利用することで、初期のシステム投資を抑え、運営コストも最小限に抑えることが可能です。
さらに、中古設備の活用や、必要最小限の設備からスタートして、売上に応じて徐々に設備投資を行うアプローチも効果的です。最初から完璧を目指すのではなく、小さく始めて実績を積み上げることで、将来的な融資の可能性も高まります。この方法を採ることで、安定した成長を促し、事業が軌道に乗った段階で、さらに大きな投資ができるようになるでしょう。
補助金や助成金の活用
創業時に活用できる補助金や助成金は、返済不要の資金として非常に価値があります。特に借金がある状態では、これらの制度を積極的に活用することで、借入金額を減らすことができます。補助金をうまく活用すれば、事業のスタートアップ費用を大幅に軽減できます。
創業補助金や小規模事業者持続化補助金など、国や自治体が提供する補助金制度は数多くあります。申請条件や対象経費を詳細に確認し、自分の事業計画に合った制度を探しましょう。自分の事業に最も適した補助金を見つけることが、成功の鍵です。
補助金申請には、細かい要件や書類作成が必要なため、地域の産業支援センターや商工会議所に相談し、申請のサポートを受けることも有効です。支援センターでは、過去の事例や成功した申請のノウハウも得ることができるため、積極的に利用しましょう。ただし、補助金は採択されるまでに時間がかかることが多いため、その間の資金計画も考慮しておく必要があります。
クラウドファンディングと投資の獲得
クラウドファンディングは、創業資金を多くの支援者から集める方法として注目されています。プロジェクト型、購入型、投資型など様々な形式があり、事業内容に合わせて選択できます。特に、インターネットを活用したクラウドファンディングは、手軽に広範囲にアピールできる利点があります。
魅力的なプロジェクトを提示して支援を募ることで、銀行融資に頼らない資金調達が可能になります。支援者からの共感を得ることが大切であり、クリエイティブなアプローチが成功の鍵となります。また、クラウドファンディングで支援を集められたという実績は、将来の融資審査でもプラスに評価されることがあります。成功事例を示すことで、他の投資家や金融機関からも信頼を得ることができるでしょう。
さらに、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資を検討することも、一つの選択肢です。特に、成長性の高いビジネスモデルであれば、借金状況よりも事業の将来性で判断してもらえる可能性があります。エンジェル投資家は、企業の初期段階に資金提供することが多いため、事業のアイデアや潜在力を強調することが重要です。
まとめ
借金まみれの状態でも、適切な準備と対策を講じることで起業は可能です。重要なのは、現在の借金状況を正確に把握し、返済計画を立て、信頼を得るための努力を怠らないことです。
創業融資を受けるためには、債務整理、自己資金の確保、専門家への相談、そして誠実な情報開示が鍵となります。仮に融資審査に落ちたとしても、指摘された問題点を改善し、少額からの起業や補助金活用など代替策を検討することで、起業の道は開かれています。まずは無理のない範囲で一歩を踏み出し、実績を積み重ねていくことが成功への近道といえるでしょう。
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